あらすじ
六年三組の調理実習中に起きた洗剤混入事件。犯人が名乗りでない中、担任の幾田先生はクラスを見回してこう告げた。「皆さんは、大した大人にはなれない」先生の残酷な言葉が、教室に波紋を生んで……。
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Posted by ブクログ
あの世界がすべてだった学生時代。
気づきたくないことに気づきそうな予感。自分の本心が言えない。思っても行動できない。心のザラつきをなかったことにする。ひとりぼっちになりたくない。
自分にも確かにその瞬間があった。
そんな自分を恥ずかしく思い、目を背けていたなあ。
自分の弱さを人にみられることが怖かった。
自分で認めることが怖かった。
あの時間があったから、今の自分がいる。
弱さは必要だった。
と、大人になった今だからこそ言える。
広い広い世界にでて、あの場所はとても狭いものだった、もっと自分らしく居ていいと気づけたから。
今悩んでいるこども達にも伝えてあげたい。
これから世界はもっともっと広がって、必ず居場所はみつかる。
だから安心して大人になってねと。
『貴方の心が、本当は善いということを知っているから。』
『子どもにはできないこともあるでしょう。それでいいの。子どもは子どものままじゃないといけないのよ。』
『わかったと思いすぎないでくださいね。友達のことも同じ』
『好きなところを好きなように歩いていいのだ。』
Posted by ブクログ
教室という狭い空間で作られた社会に苦しめられているのだなとつくづく思った。
学校も友達も大好きだったけど、時々教室に行くのが憂鬱だなと思うことがあった。学校以外の場を知らなければ、嫌でも逃げ出すことなんてできない。この小説に出てくる子供たちは、塾や学校外のコミュニティでは生き生きしていて、塾とか習い事でも子供たちが安心できる居場所になりうるのだなと感じた。学校以外にも居場所をつくることが必要な気がする。
あと感じたのは、良い意味でも悪い意味でも子供は親の影響を受けること。親が他の人を馬鹿にするような態度をとれば、その子供も真似る。作中に出てくる親は尊敬できるような親はあまりいなかったから、親の影響を受けるのは当然だと読んでいて悲しくなった。
Posted by ブクログ
本屋さんでタイトルとあらすじを見て購入。
買って大正解なご本でした!面白かったです
わたしの大好きな連作短編集で、前の話で出てきた主人公がまた出てきたり、前の話でちょっと出てきた子が今回の主人公で…となったりととても楽しめました。
わたしが好きなおはなしはいつか、ドラゴン。
詳細な感想は以下に。
*みんなといたいみんな
まわりの、自分ではリスクを背負いたくない子どもたちに文也くんが転がされて、読んでいて悔しい気持ちになりました。。
パンケーキのシーンは文也くんそこまでするんだ!?って驚きながら読みました。
お母さんがちょっと過干渉なのと、自分の子どもは悪いことしない!って気持ちが強すぎてもやもや。
*こんなものは、全部通り過ぎる
こちらの話も前の話に続き、お母さんにもやもやした。子供の気持ちを考えなさすぎて。。
普段話しかけてこないくせに、宿題とか提出物のときだけ話しかけてくるやついたー!学生あるあるだ!と思いながら読みました
しんどいことが多いながらも自分に言い聞かせて耐える主人公の姿を読んで、このお話がいちばん本のタイトルの君たちは今が世界にぴったりだと思った。
*いつか、ドラゴン
前のお話を読んでいて、武市くんは問題児のイメージがあったから、武市くんにはどんなふうに世界が見えているんだろう?ととても楽しみに読み始めました。
武市くんのお母さんは武市くんのことを信頼している、信じていることが伝わって、心が温かくなりながら読んだ。
みんなにただ暴れるやつ、問題児、ってイメージをもたれているけど、武市くんの視点からは行動に理由があって、それを読むことが出来てほんとうに良かったと思った。このお話を読んでから、当たり前だけど誰のどんな選択や所作にもちゃんと本人なりの理由があるんだなって勉強になった。
この話好きすぎて感想長くなってしまった。。
*泣かない子ども
お話の締め方がつらすぎて、、お母さん!!もー!
めぐ美ちゃんがお話の後半で少し成長したのが見れてほっこりした。こんなふうに少しずつ環境が良くなっていくのかな、と思ってたのに…お母さん!
このお話はみなさんの感想を読むのが楽しみ
*エピローグ
主人公が誰なのか、読み進めながら徐々にわかっていくお話。
ほかのお話の主人公たちがどんなふうになったのか知ることが出来てよかった。
めぐ美ちゃんがまっすぅのことを、泣かない子どものお話でただひとりぼっちで登下校しないための知り合い、ぐらいで例えていたんだけども、このお話でほんとうはどう思っていたかを語っている場面が読めてよかった。
*仄かな一歩
そういえばほのかちゃんが主人公のお話無かったね??ってこのお話を読み始めてから気づいた。
ほかのお話でちらりと匂わせてはいたけれども、やはり家庭環境が複雑でもやもやしながら読んだ。
ほのかちゃんがいつもどんなふうに考えていて、いつか、ドラゴンのとこの一場面でどうしてそんな行動を取ったのかが詳しく知れてよかった。
お話を締めたあと、ほのかちゃんがどんなふうに歩んでいくのかめちゃめちゃ気になるお話でした