【感想・ネタバレ】不連続殺人事件のレビュー

あらすじ

戦後間もないある夏、詩人・歌川一馬の招待で、山奥の豪邸に集まった様々な男女。作家、詩人、画家、劇作家、女優など、いずれ劣らぬ変人・奇人ぞろい。邸内に異常な愛と憎しみが交錯するうちに、世にも恐るべき8つの殺人が生まれた。不連続殺人の裏に秘められた悪魔の糸は何か――鬼才安吾が読者に挑んだ不滅のトリック! 多くのミステリ作家が絶賛する、日本推理小説史に輝く傑作。第2回探偵作家クラブ賞受賞作。
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Posted by ブクログ

ネタバレ

「心理の足跡」! 言われてみれば「そうだよなあ」と思うのだが、思いつきませんね。この小説のトリックは海外の女流作家にも例があるが、こちらの方が上手く使っていますね。
しかし、医者が気◯いなのには閉口しました。

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2023年08月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

戦後まもなくに出版された日本の推理小説の傑作。坂口安吾作。
犯人のトリックや動機は、アガサ・クリスティーの「ナイルに死す」をかなり参考にしている。ただし、事件の背後を取り囲む登場人物は、焼け野原になった日本の戦後の退廃的な雰囲気、投げやりな雰囲気を反映していて、アガサ・クリスティーの小説に出てくる人物像とはかなり異なる。

この本で最も印象的な点は、戦後まもなくという世相も反映してか、人が死んだときに他の人物が受けるショックの薄さである。
(それがあるから8人も人が死んでしまうのであろう。1人1人の死にその都度衝撃を受けていたら8人の死までは、なかなか到達しない。)

素晴らしい名作だが、もう少し個々の人物のこれまでの生き様を取り上げてくれていればなおよかった。
また、この小説は2回テレビドラマ化されているが、動機として「遺産」を強く押し出すか、「愛」を押し出すか、脚色を変えている点が興味深い。
実際、坂口も最後のエンディングをどうもっていくか迷ったのではないか。本当は、「愛」に真の動機があるように仕向けたかったがそれを照れ隠しで隠したのかもしれない。
そこにこの小説の現在まで続く日本らしさがある。

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2021年09月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読友さんが読みたいと言っていた本、何故だか気になってしまって先に読んでしまった。うむっ、壮絶な正統派ミステリー作品だった。多分これまでの読書人生の中でも一番の正統派。昭和23年発表、殺人が次々と行われ、8人が殺害される。歌川多聞をはじめ、歌川家にまつわる男女関係は破廉恥すぎる。そこに小説家、弁護士、刑事、看護師、歌川家に住む面々が登場。全員怪しい。自分の推理は完全に坂口安吾の餌食に。。。魅力ある女性陣、バカな男性陣の対比が際立つ。犯人はそう来たか!つい唸ってしまう、が、ラストの犯人には潔さを感じた。

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2021年08月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

安吾節炸裂!
登場人物が騒がしく戯れている、丁々発止を読んでるだけで満足感が味わえる上に、女性陣は妖艶で淑女のようでもありいわゆるファムファタール的要素が多分に溢れているので、この異次元世界の参加者(もしくは傍観者)で交ざりたい!って想いです。
ミステリーということで、いやはやこちらもしっかり練られていて読者挑戦物だったのも頷ける見事な仕上がり。
世界観に騙されていたのだなぁと、確かに犯人特定のヒントは作中にしっかり表現されてるんだなぁと感心の極み。

坂口安吾の意外な一面が盛りだくさん。時代背景が古いので多少取っつきにくいけどバリおすすめ。

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2019年07月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ずっと読みたいと思いつつ、読めていなかった作品。

登場人物が多い上に色恋沙汰が複雑ではじめはかなり読みにくさを感じた
(巻頭の登場人物表は、情報が薄すぎてほとんど役に立たない・・・)が、
各キャラクターの特徴が分かってくると、面白く読めるようになってきた。

本格推理物として普通に楽しめるが、やはり「読者への挑戦状」の部分が”推し”。
個人的に、坂口安吾の不遜・傲慢な物言いがたまらなく好き(笑
同時代に生きて、謎にチャレンジしてみたかったな。
99.999%解けなかったと思うけれど。

こういった試みの推理小説を、また誰かが書いてくれないかなぁ、と期待。

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2023年08月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

奇人変人と思われる人が、田舎の一家に集まり、連続殺人事件が起こる。いかにも、といった設定だが、犯人の見当がつかない。
最後の事件で、何となく犯人が分かった。なかなかのトリック。
時代がかった表現は作品当時を反映したものだろうか。登場人物の相関関係が、なかなかつかめず苦労した。

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2020年06月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ミステリーは久々に読んだ。文化的背景を理解しきれず、ついていけなかった部分もある上に、時代的に仕方のないことだが差別用語の多さに辟易としてしまった。
登場人物も多く、人物相関図を参照しないと難しかった(笑)最後のタネ明かしには驚いたが。

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2019年11月24日

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