あらすじ
もう一人の自分を目撃したという人妻。”消失狂”の画家。「あんたは一週間前に事故で死んだ」と妻に言われる葬儀屋。妻が別人にすり替わっていると訴える外科医。四人を襲う四つの狂気の迷宮の先には、ある精神病院の存在があった……。緻密な構成と儚く美しい風景描写。これぞ連城小説の美学、これぞ本格ミステリの最高峰!
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Posted by ブクログ
緻密に練られた構成が、ページをどんどん捲らせる。
精神を病んだ人が見る世界観を要素にしたことが、ある面「なんでもあり」感にもなるのが少し残念。
Posted by ブクログ
――
成立しているのが、狂気。
あるいはタイトルのとおり喜劇的になっていくのかと思って読みはじめて、ホラーサスペンスなんだなと納得しながら終盤に差し掛かったら、まさかの本格ミステリなのか? と思い直して、読み終えてみればつまりタイトルどおりだったんだな、とぞっとするこれは連城ミステリ。
さて。
生きていれば自然と、いろいろな掛け違いや勘違いを無意識に修正しながら暮らしているわけですが。
何かの拍子に、その勘違いから離れられなくなったら。
掛け違いを、正しい姿だと思い込んでしまったら。
そんなくだらない、と鼻で笑うところが、どんどん笑えなくなっていく。
気付いて助けの手を伸ばしても、その伸ばした手が虚ろで。自分の姿が自分で、滑稽に見えていた間は救われていたんだなと思わされたりも、する。
そうなってしまうともう、突き進んだ方が本人的にはハッピーだという考え方もあるけれど。まわりは大変だろうからちょっと首肯できないか…微妙。
映画『ペイチェック』で、テーブルから落ちるボトル? なんだっけペン? を受け止めて、「落ちることがわかっていれば、受け止めるだろう?」みたいなシーンがあったけれど(あれって原作でもあるの?)、
それを、解っていて落ちるのを眺めているようになったら?
修正しようとする意志がやんわりと失われてしまったら?
それはもう、狂――
手記はそこで途切れている。
結局笑える。☆3.8
Posted by ブクログ
葬儀屋の夫があっさりと自殺したり、犯人の予想以上に物事が上手く運んだり、荒削りな部分はあるが、全体としては物凄くハマった。
高橋の姪っ子の預言?は凄い。
彼をもっと掘り下げて欲しかった(特に幼少の頃)。
碧川は逆に要らない。
高橋と波島は旧知の関係でも良かったかな
※物語に複雑性、交錯性が増したかも