あらすじ
ハマヤ水産に勤める飯尾は、突如子会社の米菓メーカーに出向となる。命じられるがままに労働時間の改善に取り組むが、なんとしても残業をしようと画策する癖のある社員が立ちはだかって……。
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Posted by ブクログ
働き方改革、特に残業削減をテーマにしたビジネス小説。
埼玉県の中小企業であるお菓子(せんべい)メーカーを舞台に、本社から出向してきた部長級の人物と、社内でお荷物部署と言われているマーケティング部の面々と、国内の大手コンサル会社から派遣されてきた、剛腕コンサルタントが繰り広げる、ドタバタ喜劇です。
ドラマでも使えそうなプロットで、残業をただ強引に無くすという手段だけではダメで、社員自らが顧客のために、やる気・熱意を持ち、全社的に方向性が揃うと、一気に改革が進む、という流れです。
前半は、登場人物がみな、プリプリ起こっていて、話も進まないし、残業禁止、しかも電源が定時に斜断されたからとって、発動機を屋上に持ち込んでパソコンで仕事としたり、地元のカラオケボックスで隠れ残業しようとしていたら、そこに管理職が見回りに来たりと、それはないだろう、というネタが続きページをめくるのが遅くなります。
後半、皆のベクトルがあってきて、ここぞというときに災害が起き、本社の部長も汎発していた部下も、コンサルも急に力を合わせるようになるご都合主義はまあご愛敬ですが、それなりに楽しめます。
働き方改革が実質残業削減策にしかなっていないな、と感じる企業にお勤めの方は、まあ参考というか、楽しめるかもしれません。