あらすじ
「お久しぶり、元気そうね。」
文化祭当日、比名子の叔母を騙って現れたのは、
遥か以前に人喰いの人魚・汐莉が自らの肉を渡し、
死を望みながら不老不死にさせられた少女・あざみであった。
復讐のため、汐莉を執拗に追い続けてきたあざみ。
汐莉のかつての行いの因果が、今になって比名子たちをも巻き込む。
「お前のせいよ。お前がその子に汚い人魚の血なんてあげたから――…。」
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Posted by ブクログ
突如訪れたあざみは紛れもなく汐莉の罪を象徴するような人物。汐莉が安易に人魚の肉なんて与えなければ、あざみはあのような存在に成る事は無かった。比名子に呪いを掛ける事なんて無かった
発端は間違いなく汐莉である
物語初期に見られた「深い海の底に沈んだ」ような空虚を抱えていた比名子にとって親しみを持って接せられる『大島のおばさん』は貴重な信頼できる相手の一人だった筈で。それを思えば、あざみに裏切られた形となった比名子の衝撃は計り知れない
だからこそ、そんな比名子を守る為に汐莉は前面に出る必要があるのだけど、大切にされなかったとの認識があるあざみに汐莉のそんな姿勢は容認できるものではないと…
この状況、「お前のせいよ」って言ったあざみの言葉が何から何まで正しいのがどうしようもない。比名子もあざみも汐莉が気紛れ又は願いに拠って分け与えた血肉によって永劫の苦しみが始まっている。けど、汐莉は比名子は守りあざみは捨て置いた。その扱いの差が現状の悲劇を生み出している
汐莉に責任があり、彼女が全てを背負わなければならないような悲劇。これに対して比名子が一緒に背負えなくとも寄り添う姿勢を見せたのは大きな変化に思えたり
比名子って自分の悲劇に心が一杯一杯になっているのがこれまでの姿であった為に、汐莉の悲劇に寄り添う姿勢を見せ、汐莉が自分に向けてくれる感情への答えを返せたのはかなり大きな成長かもしれない
ただ、比名子が自身に寄り添う姿勢を見せる程に、汐莉の中で寄り添おうとしないあざみへの悪印象が強まってしまうのはあざみの問題を解決に導く上での問題点となりそうな気がしないでもないけど…