あらすじ
「君、なんでそんなに死にたがっているんです?」
人を喰らう人魚の少女・汐莉に本心を見透かされていた、
死を望む孤独な少女・比名子。
家族全員を事故で亡くした日、家族の最期の願いが
比名子を蝕むある呪いをかけていた――。
「家族の分まで、私は――…」
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Posted by ブクログ
妖怪に狙われやすい体質でありながら比名子は今までどうして無事だったのか理由が明らかに。本能に抗ってでも比名子を守り続けた彼女に惹かれる。想いが報われる日がきますように。
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比名子の死にたがっているという欲求を指摘した汐莉の瞳は「海みたい」と形容されているけど、日名子にとっての海とは自身を他者と隔絶する空虚な檻のようなもの
だから、海みたいな瞳を持つ汐莉の指摘は日名子を改めて普通の人間とは全く異なると突きつけるものとなるのかな?だから日名子もあまり愉快な思い出ではない過去を話したのかもしれない
死にたいくらい哀しい出来事なのに、その時に聞いてしまった「生きて」の言葉が日名子に自発的な死を選ばせない。だから他者から与えられる死を欲してしまう
それはとんでもない矛盾だね。死にたいのに生きなければならない。その矛盾が日名子を生かし苦しめている
でも、気まぐれに人を殺すひとでなしなら矛盾なんて無視して自分を食べてくれる。日名子が恐ろしい存在である汐莉に惹かれるのはそういった理由があったのか
でも、やっぱりひとでなしである汐莉はそんな欲求すら無視してしまうんだよね。
汐莉の要求はとんでもないね。最高に美味しい日名子を食べたいから生きてほしいなんてとんでもない矛盾
それらの矛盾は他の矛盾を呼び寄せていく
その最たるものが美胡の正体。いや、本当に彼女の正体は意外だった。普通に親友兼恋敵枠かと思っていたよ……
美胡が最初に見せる矛盾は些細なもの。祭り会場に居る日名子を見たのにまるで見ていなかったように振る舞う
次に見せた矛盾は少し衝撃的。見えない筈のものが見えるという……
美胡が持つこれらの矛盾によって、汐莉が現れるまでは平穏であったように思えていた日名子の日常の色が全く違って見えてくるね
そして美胡が抱えていた最大の矛盾が……
美胡にとっては捕食の対象となるはずの日名子を偽り、自分を偽り、周囲を偽り、嗜好を偽り守ってきた約束とは何なのだろう?