【感想・ネタバレ】羊は安らかに草を食みのレビュー

あらすじ

認知症を患い、日ごと記憶が失われゆく老女には、それでも消せない “秘密の絆” があった――

過去の断片が、まあさんを苦しめている。それまで理性で抑えつけていたものが溢れ出してきているのだ。彼女の心のつかえを取り除いてあげたい――
アイと富士子は、二十年来の友人・益恵を “最後の旅” に連れ出すことにした。それは、益恵がかつて暮らした土地を巡る旅。
大津、松山、五島列島……満州からの引揚者だった益恵は、いかにして敗戦の苛酷を生き延び、今日の平穏を得たのか。彼女が隠しつづけてきた秘密とは?
旅の果て、益恵がこれまで見せたことのない感情を露わにした時、老女たちの運命は急転する――。
八十六年の人生を遡る最後の旅が、図らずも浮かび上がらせる壮絶な真実。
日本推理作家協会賞 『愚者の毒』 を超える、魂の戦慄!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

まぁさんと佳代ちゃんの壮絶な引き揚げ体験は、読んでいて胸が苦しくなった。自分の身内から聞いていた体験と重なり、それは引き揚げというより命がけの脱出であり、奇跡的な生還だったと思う。
年老いて認知症を患っているまぁさんが、心のつかえを取り除いてあげたいという夫の願いにより友人ふたりと過去をたどる旅に出る。大津、松山、佐世保から國先島へ…

まぁさんもアイちゃんも富士子さんもそれぞれ人生の終わりに安寧の境地にたどり着いたのかな。
結果オーライとはなったけど島谷には改心させてほしかったような気もする。
「別れる辛さを思うより、この世で出会えたことを喜びましょう」

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2025年09月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

年齢は離れているが、俳句教室をきっかけに仲良くなった益恵と富士子とアイ。認知症が進行している益恵が施設に入る前に、これまで人生を巡る旅に出ることになる。最初は緩やかな流れだと思っていたら、10歳の益恵が体験した満州での出来事の重みに圧倒された。家族全員を目の前で失い、それでも祖国に帰るために大陸でひたむきに過ごした益恵。旅では多くの人との出会いから益恵の強さが伝わり、アイも富士子も自分の人生とも向き合うきっかけをもらう。最後は驚いたが、老婆の力強さを感じつつ、益恵の辛い過去から解放された気がした。

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2025年09月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

描写がとてもリアルで、戦争を体験していなくとも過酷な様子が伝わってきてとにかく苦しかった。
でも読まなくてはならないという気になる。
この本は読み出したら途中で投げ出してはいけないという気になる。
生半可な気持ちで読む物ではない。
いつもは移動時間や隙間時間に本を読むが、この本だけはそれを許されないというか、そんな気持ちで読んではならないと思わされる本だった。
子を持つ親として、子を攫われたり、殺されたり、集団自決したりといった描写は本当に辛いものだった。
子供をぶら下げて刺すなんていう極悪非道でしかない行為が行われていた時代の事を考えると、今の自分はなんて幸せなのだろうと。

終盤の展開に賛否両論あるようだが、自分は良いと思った。
自分の人生において非常に心を揺さぶられた大事な一冊となった。


"別れる辛さを思うより、この世で出会えたことを喜びましょう"
この言葉が非常に重い。


戦争はどうしていけないの?
いつかもし子どもに聞かれたら、戦争を体験していない自分の言葉で説明するよりも、この本を読んでみるよう薦めたいと思った。

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2025年04月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

認知症になった高齢女性の読んだ俳句を元に、彼女の人生が語られていく読み応えのある作品だった。
おばぁちゃま達の友情が素敵だなぁという気持ちと、戦後の満州での壮絶な体験にぞっとするのとで気持ちが忙しかった。
たくましく生きる少女ふたりの体験にはらはらした。
終盤に娘のクソ旦那を殺してやろうみたいな展開がいきなり火曜サスペンスっぽいチープさがでて、あまり好きじゃなかった。
しかも益恵さんが手を下すならまだしも、なんでお友達の2人が???という気持ち。
あれだけ大変な日々を共に生き抜いた2人が、人生の終わりにようやく再開して寄りそう。そういうシンプルな終わり方が素敵だったなぁ…

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2026年01月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

益恵が満州で過ごした子ども時代や夫のこと。そしてこうした戦争経験が、その時のみならず後の人生にも影響を及ぼしている様子が鮮明に綴られていてショッキングだった。
死が身近にありながらもそちらに傾かず、苦しみの中でも生にしがみつく強い生き様がとても印象的だ。
ストーリーとしては、認知症で記憶がつぎはぎになった益恵の心を救う旅といったものだったが、道中でアイや富士子にも影響をもたらす意味のある旅となっている。どこか終活をしているような様子の彼女らに、読んでいると清々しい感情を覚える。疑問に思ったことも読み進めていくうち次々と明らかになっていき、「──生き生きて八十路の旅や風光る」の一句では、しっかり“おしまいまでやり遂げ”たのだという達成感と爽快感に包まれた。

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2025年05月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

私が想像してる以上に、本当に過酷で辛い体験が書いてありました。フィクションではあるけれども、きっとそれは事実で、この本を手に取ってなかったら知ることもなかったことでした。
今の時代、戦争というのは耳にする機会も目にする機会も段々と減ってきている気がします。
でもやっぱり、、、知らないといけない事だと改めて思いました。戦争で失うものは本当に多すぎる。

そしてこの本は戦争だけでなく、まぁちゃんの強さや優しさ、友情の絆、そして女性4人の強さも描かれていると私は思いました。
老いることも悪くないなと。そしてこんな友人を作れる人生にしたいなと思いました。

戦争が描かれている作品は、正直手が伸びにくいと思います。が、この作品はたくさんの人に知ってもらいたいです。

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2025年05月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

戦争体験の生々しい描写が素晴らしかった。

ラストのなぎさを守るために殺人まで犯そうとする描写が何となく微妙

ネタバレ
月影なぎさは「益恵」の子供。

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2025年12月02日

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