あらすじ
オチコボレ高校に通う「僕たち」は、三年生を迎えた今年、とある作戦に頭を悩ませていた。厳重な監視のうえ、強面のヤツらまでもががっちりガードする、お嬢様女子高の文化祭への突入が、その課題だ。
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Posted by ブクログ
レボリューションNo.3
人生で一番好きな作品
落ち込んだ時や迷った時に読むと勇気をもらえる
やってることは馬鹿馬鹿しくてくだらないかもしれないけど、これほどまでに純粋にひたむきに今を生きてみたい
ラン・ボーイズ・ラン
一流高校のダンスパーティを襲撃する話
ひろしとの精神的なお別れ
Posted by ブクログ
底辺男子高校生”ザ・ゾンビーズ”のどこまでも純粋な友情の話。学園モノによくある打算的だったり利己的だったりが一切なく、とにかくみんな強さ弱さ良さ悪さ含め友達の全てを真っ直ぐに愛している。三話一貫して語り手を担う「僕」も、常に直接的な言葉で彼らに対する愛を伝えている。舜臣の強靭さと差別意識をしっかり認めているし、アギーには抱かれたいし、萱野のことは大好きだし、”引きのない男”山下の様々なやらかしにも、むしろ一種の期待と尊敬を込めて受け入れる。だからその分、夭折する親友・ヒロシの快活なキャラクターとその喪失が時折とても苦しかった。弱冠18歳の少年がこんなにも早く身近な「死」を意識しなければいけないなんて。
また、そんな彼らの周囲にいる大人たちも印象的。日常には顕在化しないまでも決してなくならない在日への差別と、その表象にも思える血の気の多いマンキー猿山。対称的に常に彼らの背を押し、ザ・ゾンビーズの結成のきっかけにもなる言葉をくれたドクター・モロー。日雇いの仕事をくれるランボーさん。全員様々なやり方で、多感な男子高校生に良くも悪くも「刺激」を与えている魅力的な人々ばかり。
”異教徒たちの踊り”のヒロイン吉村恭子は勿論、個人的には”ラン・ボーイズ・ラン”で初めて手を握ったロミオ役の彼女が好き。色々と誤解が生じたけれど(彼女に姉がいて、その姉の影響を受けているのは『GO』の桜井と共通している)同作の最後にはうまくいったようで何より。
会合とかストーカーを捕まえるとか、やっていることはいかにも無謀で子供っぽいんだけど、とにかく溢れんばかりの友情と熱意でずっと汗と涙にキラキラし続けている小説。かつ極限まで薄められているけれど(だから「深く考えさせる」ってほどくどくない、本筋の邪魔をしてない)、同時に確かにそこに存在している人種差別や在日問題が時折顔を覗かせるという点が、他の少年向けのYA小説と一線を画している感じ。そう、ここの「時折」度が物凄く現実に即しているのだ。間違っても表面化しない、それどころか現代日本ではある意味タブー視さえされているのに、「ないもの」として無視することは叶わないというギリギリのラインを狙っているというか。
なにがあっても踊り続けるんだ。
この「なにがあっても」に物凄く色々な事柄が詰まりまくっている。続編も是非追いたい。
Posted by ブクログ
面白い
逆張りを通った上で順張るみたいな感じ。
登場人物が高校生な所とか、少し不良でみたいな話の大枠は村上龍の69と似た感じだけど、書いてる人が村上龍より後の人だからか、もっと軽やかな感じがした。
ただ、女子校に正面突破で突入する時、実際は女子高生は野次馬として見に来るだけで応援はしないだろうとは思ったし、付き合えるんかいとも思った。
あと馬場とかめっちゃ馴染みの場所が出てきた。
大学から東京に来た身からすれば、こいつらも全然落ちこぼれてないというか恵まれてると思ってしまう。
Posted by ブクログ
At first, I read ‘レヴォリューション No.3’ and it was a lot of fun, but it’s too violent to recommend to English Book Club. Then I read ‘フライ,ダディ,フライ’, ‘SPEED’, ‘レヴォリューション No.0’ which are the series of the same characters. Every book was a lot of fun, but it’s too violent to recommend to English Book Club.
But I found the author loved movies very much, because many titles are discussed by the main characters. The author was born in 1968, which means he is the same age as me. I love Bruce Lee very much, so I was excited when his movie appeared in the story.
Posted by ブクログ
映画「フライ、ダディ、フライ」を随分前に観ていたのですが、「フライ〜」は本作につづくシリーズ物の第二弾だったのですね。書店のポップを見てそのことを知り、本作を手に取った次第。
「フライ〜」の映画がややシリアスな内容だったので、意外なほどコミカルな本作の雰囲気にちょっと戸惑いましたが、すぐに馴染み、楽しんで読むことができました。
そのままコミックにしても問題なく形にできそうなキャラの立ち具合(アンラッキーマン山下がツボでした)や、荒唐無稽ギリギリラインな数々のエピソードは、インパクトもあって面白いです。中途半端にリアリティを意識してつまらなくするくらいなら、これくらい弾けていたほうが良いのでしょうね。
映画である程度内容は知ってるけど、改めて小説で「フライ〜」以降の作品も読んでみたいと思います。
Posted by ブクログ
「君たち、世界を変えてみたくはないか?」
うーん、これぞ青春!
都内のオチコボレ男子校に通う「ザ・ゾンビーズ」のちょっとした冒険譚。
高校生活最後の年、恒例の「秘密の花園」襲撃に決着をつける時が来た。
殺しても死にそうにないから「ゾンビ」と名付けられた彼らは、携帯電話とカラオケと巨人軍を憎悪する単純明快な男子達。
考えていることがとってもシンプルで読んでいてスカッと爽快!
自分達の信念は最後まで貫き通し、筋を通す。
大切な仲間をバカにした奴らは絶対に許さない。
自己表現が下手で不器用だけど、ほんと素敵な男子達!
へへへ、と僕が笑えば、へへへ、とみんなが笑い返す。ああ、学生時代の仲間っていいな…。
あの日みんなで打ち上げた花火の色は、大人になってオヤジになっても忘れることは決してない。
Posted by ブクログ
金城さんの作品は、『映画篇』、『GO』を読んで今回で3作品目!
今回はかなりコメディなかんじ!!男子高って面白い笑
後半突然ミステリっぽくなって嬉しかった!!
Posted by ブクログ
伊藤
英語教師。
朴舜臣
学年で一番成績が良い。在日朝鮮人。
板良敷ヒロシ
ゾンビーズのリーダー的支柱。急性のリンパ性白血病で死んだ。沖縄にお墓がある。
萱野
普段はバイトに忙しい。聖和女学院の学園祭当日だけはバイトを休む。
佐藤・アギナルド・健
日本とフィリピンのハーフ。母はスペイン人と華僑の血も流れており、四ヶ国分のDNAを持って生まれてきた。ハンサム。学食に専用テーブルをこしらえ、相談所を開設している。
沢田
両方の乳首にピアスをしている二年坊。つきあってひと月になる彼女が妊娠して、アギーに相談する。
米倉
勤続三十年の生物教師。ドクターモロー。
井上
一年のときのクラス委員長。ゾンビーズの良心。
山下
史上最弱のヒキを持つ男。卒業後に信用金庫への就職が決まっている。
猿島
マンキー。体育教官。
ランボー吉田
アメリカ生まれの日系二世。ベトナム戦争に参加。東京の土方界の元締め的存在。
ゾンビーズの連中に割のいい仕事を紹介してくれる。
吉村恭子
女子大生。法学部の四年生。井上の姉と中学時代の同級生。ストーカーに悩み、井上の姉に相談する。
南方
陽子
井上の姉。
田口
恭子の彼氏。体育会空手部。
柴田
Posted by ブクログ
都心のとある落ちこぼれ高校。周りは進学校や女子高に囲まれ、かの高校は死に体の状態。
そんな中、主人公はとある理由から優等生コースをドロップアウトし、同級生と共に「ゾンビーズ」というグループを結成する。周りを固めるのは武闘派で在日韓国人の舜臣、親分肌で黒人とのハーフのヒロシ、フィリピン人とのハーフの美貌のアギー、そして何をやっても最悪の運勢を引き当てる山下など多彩。
そんなゾンビーズの活躍が3編の中編として描かれています。女子高の文化祭へ乱入する作戦、山下がカツアゲされた沖縄旅行費を取り戻す作戦知り合いの女子大生をストーカーから守る作戦の3つが展開されるのですが、その合間にゾンビーズの主要人物の友情や社会正義って何?というちょっとお堅めの思想が盛り込まれています。
昭和の匂いがプンプンするゾンビーズですが、時代を経ても変わらない正義と友情が描かれているところに好感が持てます。でも、高校生というよりは中学生のノリかな?
いづれにしろ、ゾンビーズの今後の活躍が期待されます。
竹蔵