あらすじ
Z県警本部の通信指令室。その中に電話の情報のみで事件を解決に導く凄腕の指令課員がいる。千里眼を上回る洞察力ゆえにその人物は<万里眼>と呼ばれている――。ある日の深夜、通報に応答していた早乙女廉は『イエが盗まれた』という一報を受ける。思いもよらぬ訴えに動揺していると、割り込んでくる声が。その声の主こそ、<万里眼>こと君野いぶきだった。果たして事件の真相は? 電話越しに謎に迫る、新感覚警察ミステリ!
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Posted by ブクログ
某県警本部通信司令室には「万里眼」と呼ばれる通信指令課員がいる。その正体は君野いぶき巡査、28才の女性警察官である。彼女は通報の内容を聞いただけで真相を見抜いてしまう…。
「お婆さんが家が盗まれたと言っている」という若い女性からの通報『家を盗まれた女』。帰宅したところ冷蔵庫に保管していた大根が1センチ短くなっているという女性の通報『誰かが大根を食べた』。空室となった上階から足音が聞こえて眠れなかったため幽霊を退治して欲しいという女性の通報『マンションに住む幽霊』。家の壁に赤いインクで落書きがされたという県議会議員の妻からの通報『幻の落書き魔』。帰宅途中のサラリーマンから繁華街の路上で刺されたと思しき女性を発見したという通報『人を呪わば』。
通報のやり取りだけで真相を見抜くというのはアイディアとして面白いのだけれど、キャラクターが今ひとつ好きではないかも。主人公がどうにも鈍感なのと、いぶき巡査の察して感がちょっと苦手。付き合ってもいないのに、彼女なの?というぐらい感情的になるのもなんだかなぁ…。話としては『家を盗まれた女』が一番よかった。『誰かが大根を食べた』も面白いとは思うけど、大根の長さが1センチ減ったっていうのはちょっと現実味がないような…。
Posted by ブクログ
旅のお供として。110番を受ける通信指令室が舞台の連作短編集。読みやすくてまさに旅のお供にぴったり。主人公が恋愛に鈍すぎて、こんなやついるか?と思っちゃう。カンが鋭いというか、万里眼こといぶき先輩が何でこんな男を好きなのかがさっぱり分からん。いいとこ全然出てきてないわ。この恋愛要素が全然いらないけど、それがなきゃ淡々とし過ぎてるもんな。続編も旅のお供で読みたいわ。