あらすじ
難民問題、テロ事件、差別の歴史……。 世界は混沌としていて、人生はほろ苦い。 だけどパリのおじさんは、今日も空を見上げる。 軽くて、深くて、愛おしい、おじさんインタビュー&スケッチ集
中島京子さん推薦! 「パリは人種のるつぼ、おじさんのサラダボウルだ。 読めば21世紀の隣人の姿が浮かび上がり、 クスクスも赤ワインも、より味わい深くなる。」
★推薦の言葉
<推薦のことば>
中島京子さん(作家、『小さなおうち』『ゴースト』)
「パリは人種のるつぼ、おじさんのサラダボウルだ。
読めば21世紀の隣人の姿が浮かび上がり、
クスクスも赤ワインも、より味わい深くなる。」
栗原康さん(政治学者、『村に火をつけ、白痴になれ 伊藤野枝伝』『死してなお踊れ 一遍上人伝』)
「こんにちは、アンジェリーナ・ジョリーです。パリのおじさんは名言をはく。
「ギャンブルしない人間は信用できない」。「人生を学んでいるあいだに手遅れになる」。
生きることはギャンブルだ。いま死んでもいい、そう思えることしかやっちゃいけない。
人生に地図なんてない、学ぶな。木をみず、森をみず。いくぜ、ミスター無責任。チンチン!」
井上哲也さん(大垣書店高槻店・副店長)
「金井真紀さんの言霊(ことだま)には、街の鼓動、人の息吹を感じさせる魔力がある。
頁を開いた瞬間、まるでその場に居合わせているかの如く、眼前にパリの街並みと粋で面白いおじさん達の姿が広がる。 どこから読んでも、楽ししいし、どの掌編も珠玉。
本当にさらっと読めちゃううのだけど、奥底には、現在のパリ、いや世界が抱える深淵なテーマが潜んでいたりする。
パリのおじさんも恰好良いけど、一番すてきなのは言葉の魔法使い〈金井真紀〉だと大阪のおじさんは思うよw」
伊藤詩織さん(ジャーナリスト、『Black Box』)
「登場するおじさんの多くは地位や人種と関係なく、
それぞれの人生、自分自身を受け入れています。そして他人と違うことを恐れていません。
日本も男女問わずそういう人が増えればいいなと思います」
星野智幸さん(小説家、『俺俺』『呪文』『のこった もう、相撲ファンを引退しない』)
「ヘビーな経験も軽やかな生き方も、金井さんの筆にかかると、等しく豊かな人生として描かれる。誰の人生でも価値は同じなんだな、という真実を実感させてくれる吟遊の書。」
安田浩一さん(ジャーナリスト、『ネットと愛国』『ルポ 外国人『隷属』労働者』)
「すてきなおじさん」の話を通して、パリの様々な風景が浮かび上がってきます。
街の豊かな表情が見えてきます。弾んだ声が聞こえてきます。せつない息遣いも響きます。
おじさんたちの知恵と信念と生きざまが、パリに色彩を与えています。
金井真紀さんの味わい深い文章とスケッチで、読者はきっと、これまで知らなかったパリを「発見」することができるはずです。」
飯間浩明さん(国語辞典編纂者、『小説の言葉尻をとらえてみた』)
「昆虫採集のよう、と言ったら取材対象に失礼だろうか。金井さんによる「パリのおじさん採集」。集められたおじさんの実例を眺めていくと、パリそのものが分かり、フランスの現状がどうなっているかも臨場感を伴って伝わってくる」
★「王様のブランチ」「朝日新聞」「NHKラジオ」などで紹介!
NHKラジオ「かれんスタイル」 金井真紀ゲスト出演(2018/11/16)
朝日新聞 折々のことばで紹介(11/22付朝刊) 日経新聞 陣野俊史氏による書評掲載(11/30夕刊)
HONZ 鰐部祥平氏による書評掲載(12/8)
週刊新潮 東えりか氏による書評掲載(12/7発売号)
週刊金曜日 石井千湖氏による書評掲載(12/8発売号)
ダ・ヴィンチニュース ガンガーラ田津美氏による書評(12/28)
週刊女性 南陀楼綾繁氏による著者インタビュー掲載(12月/年末合併号)
anan 瀧井朝世による書評インタビュー掲載(2018/1/12発売号)
毎日新聞 著者インタビュー掲載(1/14)
J-WAVE「RADIO DONUTS]
金井真紀出演(2018/1/15放送)
プレジデント 伊藤詩織氏による著者インタビュー掲載(1/15発売号)
2nd 渡辺祐氏による書評掲載(2018年3月号)
NHKラジオ「すっぴん! 」 金井真紀・広岡裕児出演(1/22)
日経ビジネス 河野通和氏による書評(1/22発売号)
TBS系「王様のブランチ」で特集(2/17放送)
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このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
私は今日本にいて、『パリのすてきなおじさん』という本を読んでいる。
しかしそこは私が想像していたエッフェル塔のパリではなく、色んな国籍の人、バックグラウンドを持つ人たちのお話だった。特に印象に残ったのは75年前「隠れた子ども」だったおじさんの話。これまで『戦場のピアニスト』や『コルベ神父』などアウシュビッツの話は観たり読んだりしてきたけれど、おじさんから語られるユダヤ人としての戦時中の生き方は心を打たれるものがあった。私はまだまだ知らない、知ろうとしないといけないと思った。
他には解説付きでパリで起きた同時多発テロの話や、アフリカから移住してきた方のお話もあり、読み応えのある本だった。
Posted by ブクログ
めっちゃくちゃおもしろかった!!
まず開いた瞬間に目に入る
「ひらめいた。パリでおじさんを集めよう」
という一言で一気にワクワク感が増す。
工房でピカソと一緒に過ごした
ことのあるおじさんとか
地下洞窟に魅了されたおじさんとか
ホロコーストの隠された
子供だったおじさんとか…
おじさんを通して大事なことが
たくさん書かれてある。
ぜひたくさんの人に読んでもらいたい一冊
おじさんってすごい笑
Posted by ブクログ
手当たり次第にパリに住むおじさんから話を聞こうという本。
でも私にはかなりのカルチャーショック。
あまりフランスの歴史に詳しくない。
でもおじさんの話ではそこが需要なポイント。
パリに住むユダヤ人の話。難民、移民。
日本に住む私には衝撃的だった。
Posted by ブクログ
パリのたくさんの素敵なおじさんから、世界や歴史や宗教等まで視点を広げられる本。
見えてない大事なことに気づき、視野を少し広げられるかもしれない本!
▼大事だと思ったのは以下3つ
・歴史を知ること
・今を生きること
・他者を尊重すること
①歴史を知ることは、同じ過ちを繰り返さないことを今生きる人が感じられることであることはもちろん。それと同時に、異なる国や文化や価値観の人を理解することになる。
※例:植民地時代の背景からここで生き、家族のために生きている。差別の歴史があり、そこに対する柔軟な考え方がある。宗教の歴史と家庭があり、それを元にした生き方や考え方がある。
→つまり、歴史とはその人の生きた環境であり、環境とは、その人の考え方の根底である。歴史を知ることは、他者を理解するための方法である。
②今を生きること。それは全員が前を向いてもつとよい姿勢。いろんな歴史や境遇や経緯で今の場所で今の生き方をしているとして、それをどう捉えてどう生きるか。おじさんたちは、シンプルに今目の前のことを楽しんだり、目の前のことに向き合って捉えて素敵に生きていた。これは取り入れたい。
例:妹を不慮の事故で失ったおじさんはそれから絵を描き始めた。それが自分の表せない感情の出しどころでもあったのかもしれない。今では画家が本業になり素敵なおじさんに。出稼ぎでフランスで生きるようになったおじさん、今でも引き続きたまに祖国に帰りながらも、もうずっとフランスで生きるつもりらしい。それは単純に今はフランスが好きなんだと思う。
③他者を尊重すること。すべての問題や争いは突き詰めれば他者を尊重していないから?宗教は他の宗教を尊重しないものではない。自分たちが大事にするものなだけ。何かの宗教であっても、他の宗教も受け入れるし時には取り入れる、フランス流の宗教もある。
例:イスラム教だけど、娘がキリスト教の人と結婚するならそれも受け入れる。イスラム教で禁止されていてもフランスでいいなと思うものは柔軟にやるのもいい。よいか悪いかは人によるかもしれないが、大切なのは【他者を尊重する】こと。