あらすじ
なぜネットフリックスは『ハウス・オブ・カード』で成功できたのか?
電子書籍はハードカバーや文庫本の発売よりどれだけ遅らせるべきか?
ネット上の海賊行為で音楽や映画の質は落ちたのか?
豊富なエピソードと最先端の経済学で、デジタルディスラプションの影響と対策が分かる!
世界中で、アマゾンやネットフリックス、アップルを始めとした多くのプラットフォーマーが、極めて強い交渉力をテコにさまざまな秩序への「挑戦」を続けているが、出版業界や音楽業界、映画業界においては、特に大きな地殻変動をもたらしている。
本書は、これまでのコンテンツビジネスの業界秩序がどのように成り立ってきたのか、さらに商材としてのコンテンツについて経済学的な特徴から紐解き、プラットフォーマーがなぜこのように強い力を持てるのかを解説する。
さらに、セルフパブリッシングや海賊版サイトなど、テクノロジーが可能にしたコンテンツ表現や流通の影響も検討した上で、既成のビジネスプレイヤーたちがどのように新しい時代に対応していくべきかを提示する。
展開されるさまざまな議論も、計量経済学などの手法を用いエビデンスベースドで説得力がありつつ、興味深いエピソードや事例を豊富に紹介しながら進められ、読みやすい。
出版・映画・音楽業界など、デジタル技術の驚異的な進歩と、その活用の進展に伴い業界秩序の大幅な変動に直面する業界人が、日々の課題に対応し、将来を考えていく上で必読の書。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
出版・映画・音楽業界が、デジタル技術の驚異的な進歩と、その活用の進展に伴い業界秩序の大幅な変動にどのように対応し、将来を考えていく主旨の本です。
既成のビジネスプレイヤーたちが破滅的なイノベーションが起きてる事態にどう影響し、何を変えていくのか考える上で活用できる一冊だと思います。
Posted by ブクログ
音楽と映画のエンタメ系と電子書籍が中心ではありますが、デジタル化されたコンテンツビジネスが既存のビジネスといかに戦い、あるいは戦わずして既存ビジネスを駆逐していったかがまとめられており、非常に示唆に富む内容です。アメリカ市場の話ではありますが、デジタルコンテンツと高速回線によるインターネットがいかに破壊的なテクノロジーだったのか、破壊的なテクノロジーが環境や市場をどのように変えていくのか、という点は日本も同じ。音楽ではAKBの握手券や投票券商法、ジャニーズの特典商法、書籍では雑誌と漫画を軸にした取次による流通網の整備、という日本独自のマーケティングや商習慣は、毀誉褒貶あるものの逆にすごいなーと思った。ただそれが既存ビジネスの延命措置にしかなってなくて、けっきょくただの時間稼ぎにすぎないところがかなしい。