あらすじ
性暴力被害、痴漢犯罪、年齢差別、ジェンダー格差、女性蔑視CM、#metoo...多くの人がフタをする問題を取材し、発信し、声をあげ続けるライター・小川たまか初の著書。2016年から2018年に起きた、性犯罪やそれにまつわる世論、性犯罪刑法改正、ジェンダー炎上案件などを取り上げ、発信してきた記録です。
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Posted by ブクログ
勉強になりました。私の過去を思い出しながら読み進めてました。
特に共感した言葉が「「ほとんどがいい人なんだから、一部の過剰反応を気にして対処を行う必要はない」ことにするのは大人の責任放棄」です。ジェンダーレストイレの件についてたまたまテレビでコメントしていた人が似たようなことを言っていて「何言ってんだこの人」と怒りや悲しさ、悔しさを感じました。たった一部の異常な心理によって性被害に遭っている人たちがいるのに「そういう事件は滅多にないことなので気にする必要がない」というようなことを言ってました。この人やこの人と同じような考えをする人たちには被害者の存在が「ほとんどない」ことにされているんでしょうね。
何度も読めば今以上に理解が深まると思うので時間をあけて再読予定です。
Posted by ブクログ
「年齢の話」
25歳を過ぎると女の価値が下がってしまうことが当たり前と受け取れるような広告についての話があった。
私も年を重ねることに恐怖を感じていた。
子供がいない、この先やりたいことも特に無いのに、年ばかりとって自分の価値が無くなっていってしまうような気がして、誕生日を迎える度にタイムリミットが近づいてくるような焦燥感があった。
だけど幸運なことに、心から尊敬できる年上の女性達にたくさん出会うことができた。
彼女たちは人生を目一杯楽しんでいて、もし過去に戻れるなら50代に戻りたいと言う。
「物事の分別がついてきて、しかも体力がまだあったから一番楽しい時期だった」らしい。
そして、自分に合ってると思える仕事に就けたこともあって、年を取りたくないという気持ちは無くなった。
尊敬する先輩たちのようにかっこよく年を重ねていきたいと思えるようになった。
この前、25歳の女性に年齢を聞かれ33歳だと答えたら、申し訳なさそうに「そんなに年上だと思いませんでした。若く見えますね」と言われた。
私自身は33歳に見られる事が嫌ではないし、若く見られたいとも思っていない。
だけど私も25歳の頃は、年上の女性に対して悪気無く同じような言動をしていたかもしれない。
「歳を取ると女の価値は下がる」という呪いは社会だけがかけてくる呪いではなくて、自分自身でも無意識かけてしまっているのだと思う。
申し訳なさそうにしていた25歳の女性はまだ呪いにかかっているのかもしれない。
結局私は彼女に何も言えなかったけど、いつか先輩たちのようにかっこいい女性になって、年齢を重ねることに恐怖を感じている若い後輩たちの呪いを解いてあげたい。
「半分だけわかる、でもいいと思う」
欅坂46の「月曜日の朝、スカートを切られた」という歌の話。
この曲は、
月曜日の朝、スカートを切られた
通学電車の誰かにやられたんだろう
どこかの暗闇でストレス溜め込んで憂さ晴らしか
私は悲鳴なんか上げない
と続く。
スカートを切られるという理不尽な性被害にあいながらも、大人になるにはこれくらい仕方ないと社会を冷めた目で見ている女の子。
そんな女の子がカッコいいというメッセージまでは無いにしても、この歌を国民的アイドルが歌うことで、こんな状況に共感する女の子が多いという事が社会で当たり前になってしまうのは悲しいと感じた。
私自身痴漢にあった時、大声を出した方が良いのか、でももし逆上されたら?相手がナイフを持っていたら?なんて考え始めると怖くなって、結局何もできなかった。
それに、痴漢くらい女なら皆あってるし、そんなに特別なことじゃない、と正直そこまで大事に捉えていなかったし、通報もしなかった。
何もできなかった自分を責めてはいないけど、この本を読んで、やっぱり「悲鳴なんかあげない」のが当たり前な世の中はおかしいと、改めて思った。
「男女平等の話」
【あるとき、私よりも若い女性が、こんな風につぶやいたのを聞いたことがある。
「セクハラでもパワハラでも残業代が払われないのでもそうだけど、やられた方がそれを言った途端、会社は態度を変える。『お前、そういう面倒くさいことを言い出すヤツだったのかよ』って」】(p159)
この部分、確かにそうなんだよなぁ。
私も前職でパワハラ、セクハラにあっていた時、上司に相談したら、「だけどあの人はあの人にしかできない仕事があるし、辞められたら困るでしょ?」と言われたことがある。
私自身は全然困らなくて、困るのは上司なんだろうけど、もう上にいくら言っても無駄だ、と戦う気力が無くなってしまった。
職場内でもなんとなく、大事にすると面倒だからうまくいなすのが仕事ができる人、みたいな雰囲気も出来上がっていた。
適当にかわしたり我慢する能力ばかりが長けてしまって、そんな自分が時にどうしようもなく嫌になった。
うまく対処できなかった時は、私は社会不適合者なんだろうかと悩んだりもした。
そんな環境から離れてみると、おかしいのはセクハラ、パワハラをしてくる人だったと一目瞭然だけど、当時はそんなことにも気付けなかった。
もし今後同じような状況になったら、今度こそ私はきちんと戦いたい。
そして理不尽な事に対して戦っている人がいたら、ちゃんと味方になりたいと思う。
Posted by ブクログ
男の人の体が苦手という話
・女性のヌードは綺麗と思うが男性のヌードはなんだか恥ずかしい気持ちになる→わかる。
・男性の裸がなんだか苦手。毛とかちょっと…なんとなく…??→わかる。
・自分は女性で異性愛者。男性の好みのタイプはハッキリしていないが「好きな女性のタイプ」は明確。→わかる。
・自分が男性になって女性を口説いて見たいと思ったことがある。→わかる…
Posted by ブクログ
私は30代の男性だが、女性が日々どのようなプレッシャーに晒されて生きているのか、どんな性犯罪に日常的に直面しているのか、加害者がどんな心理状態なのか、少しも理解していなかったことが分かった。
エッセイ調なので、どこにどんな話題が書いてある、というよりも、本書全体を通して空気感/境遇を伝えてくれる。
Posted by ブクログ
今までずっと感じていた得体の知れないもやもやを言葉にしてもらった感じ。誰も教えてくれない日本社会の現状。私たちは声を上げることをやめてはいけない。こんな世の中を変えたい。
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社会への問題提起。
実際に起きているけれど多くの人が関わりたくない、無かったことになりかける現実社会。
センシティブな内容も多いけれど、リアルでもある。
綺麗な社会しか見えないことにするのでなく、せめて知るだけでも何かが変わるかもしれない。
無かったことにしてきた、されてきたことこそ変わらなければならないのかもしれない。
Posted by ブクログ
日本は、旧態依然として男尊女卑が強く、ジェンダー指数は世界の149カ国中121位と順位を下げ続けている。著者は、学生時代の自らの性被害体験を押し黙ってきた事などから、女性に対する性差別、性被害の多様な取材経験などを通じて、だまり続ける女性に「私は黙らない」と励ます。その彼女の軌跡が、日記形式のエッセイ風にまとめられている。ここ数年で#metooや#kutoo運動へとジェンダー平等の大きなうねりへと変化してきた事など、「黙らそうとしている側の人」にこそ読んで欲しい一冊だと思う。
2020年9月、杉田水脈(みお)議員が、自民党の合同会議の場で、「女性はいくらでもウソをつけますから」と発言したことが、この間大きな問題になった。当人は当初発言を否定していたが、その後、実際に発言があった事実を認めて謝罪した。この問題に対し、オンライン署名は一気に13万6千筆以上を超え、本書の著者である小川たまかさんは声をあげ続けている。
Posted by ブクログ
読むのがしんどいけど読んで良かった本
単純に、被害者が被害に遭った、海外者には反省と償いを求める。それだけのことがなぜこんなに難しく、その過程で被害者が更に苦しまなければならないのか。「ほとんどない」ことにしておいたほうが都合のいい人間が大多数を占めているからだろうか。
Posted by ブクログ
Yahoo!ニュース個人などで執筆されていて、性暴力被害者当事者を中心とした一般社団法人Springスタッフであるライターによる2016〜2018年のブログを元にした性被害系の話と考察
「レイプ」や「痴漢」でネット検索すると、当時はアダルトコンテンツばかりがヒットして、被害者に必要な情報が得られ難い状況を指摘していたりと、日本は安全であるという呆けた頭にはとても良い薬のような内容。
Posted by ブクログ
過去の福岡高裁で「男性側が、女性が性行為を拒否していることを認知できなかった、相手の心情に共感したりできないような無神経な人間だから無罪」という謎の判決があったと知ってびっくり。「無神経」って判決文に書いてあると。なんだそれ、全然知らなかった。
こういうのを目の当たりにしてきた人たちにとって、
合意がないと性犯罪になるという改正はやっと、本当にやっと勝ち取ったものだったんだな。
本書は、読むのが辛い箇所もあるけど(ずっと性犯罪とか不快な言動についての話を読むのはそれだけで疲れる)、読破してよかった。
女性としての生きづらさを訴えると、「そんなことで?」とか「クソフェミ」と言われる、だから著者はフラットな意見が伝わるよう言葉を重ねる。
ここまで言葉を重ねないと伝わらないんだな、というのが全体を通しての感想。女性同士でも分かり合えない部分もあると思うし、我々の潜在意識に根付いたこの界隈のものって本当に厄介だ…。
また、性加害者や痴漢加害者の心理を紐解いた部分は自分にとっては興味深かった。彼らはあたおかだけど、どういう思考回路であたおかになってるのか納得したし、その思考回路が分からないと(ほんとは分かりたくもないけど)対策も効果的にならない。
中高生くらいに読んでもらって、空気なんて読まずに嫌なものはNoと言っていいんだよと知ってもらいたい。
Posted by ブクログ
日常にある隠れた視点からエッセイ形式で語るので著者の感情がダイレクトに伝わる。読み進めていく中で、絶望を感じる部分もあって日本が性に関してどれだけ無情なのかを思い知らされた。また自分でも気づかなかった視点があったり、モヤモヤしていたことを上手く言語化してくれていてスッキリしたと同時に自身のジェンダー観を問い直すきっかけになった。個人的には8月29日の「女の人の体が好き」が印象的。私も著者と同じように「男の身体が好きじゃなく、女の人の身体の方が好きだ」と考えていることに初めてはっきり気づいた。
Posted by ブクログ
セクハラに遭った。
人によってはそれは全然セクハラではないし、笑い飛ばせる人もいるのだろう。
たった一瞬、偶然エレベーターに乗り合わせた一瞬だった。
その一瞬、わたしは不躾なことを言われ、ものすごく混乱した。
その後に、怒りと悲しみと、自責に襲われた。
上司(男性)は力になってくれようとした。
でもわたしは、自分が話をしたあとの上司の言葉や反応が怖くなって、結局「大丈夫です」と言って、詳細は話さなかった。
その後上司からはなんの反応もなかった。
それもそれでショックだった。
結局、わたしはどうしてほしかったのだ。
話を聴くと言われたら拒否するし、上司はわたしの言葉をそのまま受け取ってそれ以上踏み込まなかった。(面倒なことにしたくないからそうしたのかもしれないけれど)
結局どうなってももやもやするだろう。だから何もしなかったのだ。信頼できる人、笑わずに話を聞いてくれそうな人にだけ気持ちを吐き出した。それはそれで後悔はしていないのだけれど。
ちょっと上の階に行くだけなのにエレベーターを使ったわたしが悪かったのか、不愉快なことを言われて、うまく受け流せなかったわたしが悪かったのか。
いや、わたしは悪くないんだけど、それは分かっているのだけれど。不愉快なことを突然エレベーターのなかで言ってきたおじさん、いや、くそじじいが悪いのは分かってはいるんだけど、でも。
こちらが悪いと思わされてしまうのが、セクハラや性被害。もちろんパワハラもしかりである。
日常の中で少しずつその出来事のことを思い出さなくなっても、くそじじいに出くわせば一気に思い出すし、例えば家で一人でいる時とか、同じエレベーターに乗った時に、じっとりと思い出す。
ずっと鉛のように心の中に沈んでいるのだ。
フリーのライターをされている小川たまかさん。(最新情報じゃなかったらすみません)
性暴力被害当事者の取材をメインにされている。この作品は、2016年~2018年の2年とちょっとのブログの内容を大幅に加筆修正したものだ。最後には、性被害をメディアの前で訴えた伊藤詩織さんとの関わりも描かれている。
そんなに長くない作品ではあるけれど、読むのにものすごいエネルギーを使う。理不尽への怒りと悲しみ。しかしその理不尽は自らが引き起こしたのではないかと思わされてしまう性被害の構造。読みながら気持ちがぐらぐら揺れ、自分がされたこと、言われたことがどんどん頭の中に浮かんだまま消えないどころかそれに支配されていく。
決して心地のいい読書の時間ではなかった。決して全てを理解できたわけではない。わたしの想像力が及ばない描写だってあった。
例えば、電車で痴漢に遭った時、わたしも痴漢に遭う前は「声を出せ」と言われてきたし、そう思ってきた。ある日友人が「でもあれって声なんて出ないよね」と話しているのを聴いて「そういうものか」と思っていた。そしていざ自分が同じ状況に陥った時、混乱して声が出なかったのである。
結局何が言いたいのかというと、わたしは自分が同じ状況にならないと、きちんと理解できないということだ。かといって、ここに描かれていることを進んで経験していくわけにはいかない。
だから、ここに描かれている、必死の思いで話をしてくれた方や、小川さんご自身の経験のことを思って、少しずつでいいから、自分の想像力の幅を広げていきたいと思った。安易な想像で、安易な言葉で、安易な態度で相手を傷つけないように。わたしのことを信頼して話してくれた人を、余計に傷つけないために。
Posted by ブクログ
様々な立場の人が読み、「ほとんどない」とされてきたことを知ることで、ほんの少しでも社会が良くなって欲しいと思う。
ただ、最も知ってほしい、加害者側に近い精神を持った男性がまずこの本を手に取らないであろうことが残念でならない。タイムマシンで時代を改変するチャンスがあったとしても、石器時代にさかのぼらない限り、いやそこまで戻っても、弱い立場の女性に対する性暴力被害をゼロにするのは困難と感じる。
弱い立場の人に優しく。みたいなフワッとした綺麗事ではなく、加害者を増やさないための具体的な取り組みが必要。幼少期からの教育と、被害者をださないために危険人物の監視、取締り強化。さらに女性を守るためにできることは何でもやって欲しい。それこそ駅に女性専用ホームを設け、まるごと女性しか乗車できない車両を用意するぐらいしたほうが良いと思う。それでも、職場や学校での危険は無くならない。ホントこの国に絶望してしまう。
Posted by ブクログ
自分は女性の中でも限りなく嫌な思いが少なく生きてこれた方だと思う。それでも 当たり前とおもっていたことに全然男女平等ではないのでは?と気づくことがある今日この頃。
Posted by ブクログ
性暴力の取材を続けている著者がnoteへの投稿した記事を、加筆修正・一部書き下ろししたもの。時系列にも沿っていて、その時々の時事も絡めた内容になっている。
学術的ではなくあくまでもエッセイ的なもので、だからこそ日常に『ほとんどない』とされてきたことについて、しっかりと眼差しが向けられていると思った。見方が変わったり視点が増える内容で、読んでよかった。男性でシスでヘテロの自分として、それらをどう受け止めてどう振る舞うかをこれから継続的に考えていかなくちゃならないと思った。
「痴漢」とか「レイプ」での検索結果は当時(2016年)から変わっているかもしれないけど、アダルトビデオでは相変わらず痴漢やレイプのジャンルで新作が出続けている。もちろん冒頭でフィクションであることの注意喚起はされているけど、認知が歪んでいる人に対しては、「これで十分だろうか」と怖くなってしまった。
Posted by ブクログ
性暴力被害、痴漢犯罪、年齢差別、ジェンダー格差、女性蔑視、等をテーマにした記事を書いている小川たまかさんの本。ブログを加筆修正、一部書下ろしたもの。
興味のある分野の本だけに、とても良かった。
全部の問題を、全部考えていたら、なかなかしんどいなぁと思うけど、ちゃんと見つめて、時々はちゃんと考えなくちゃと思わせてくれる一冊。
有名人の名前とか作品名とか、実名で掲載されていてわかりやすかった。反論とかもあるかもだけど、これは大事な視点だと思う。
Posted by ブクログ
女性である自分でさえ、ほとんどないことにしてしまっていることに気付かされた。
もう物知り顔の傍観者ではいられないなと思った。
何ができるだろう?知ることはやめない。
Posted by ブクログ
本当にそうだ、と思う事が満載でした。何が問題なのかわからない人のために、こういう本をもっと出版してほしい。外国にも翻訳して日本の現状を知らせてほしい。
Posted by ブクログ
「男尊女卑」こんなこと本当に起きてるの⁈
そう思ってる人が読んだ方がいいかもしれない
声をあげることの大切さ_φ(・_・
2021/03/05 ★4.0
Posted by ブクログ
読んでいて胸が苦しくなることばかりだったけれど、この感覚こそが私たちが今いる社会で「なかったことにしてはいけない」ことそのものなのだと思う。フェミニズム初学者にもおすすめだし、そうでなくてもぜひ読んでほしい。
Posted by ブクログ
この本を読んで、今まで生きてきた中で思い当たることがたくさんあった。
深く考えないように、忘れていること。正確には忘れたふりをしていること。幼ながらにずっと記憶に残っている断片もあるし、20歳前後の頃(もう既に判断できる歳なのに)、自業自得なんだと思って飲み込んだ出来事。
私は立ち上がらず、問題提起せずに、そのまま記憶の一つとして流して飲み込んだ。
それらを思い出しては今苦しんでいるとか、病んでいるようなことはない。でも、決して忘れてはいないということは、ずっと心の傷になり引っかかっているのだろう。
Posted by ブクログ
2018年付近の話なので、現代社会(2024)の女性に対する現状や法について知ることはできない。けれど、女性がどのように思うか、暴力とは、を男性が知るには大切な作品なのかもしれない。
Posted by ブクログ
こいうい(痴漢、性的虐待、レイプ、)内容の本だから仕方ないけどあー日本人ってなんて民度が低いんだろって悲しくなった。
もちろんどこの国だって同じようなことはおきてるんだろうし、良識と節度をもった人がほとんどなのだようけど、これ読むとね、「ないこと」にしてきたのも私たちなんだろうけど、ないこことにしたツケが今きてるからね。
勇気を持って闘わなくちゃね。この表現もなんか違う気がするけど。
Posted by ブクログ
2018年刊行で、2022年に読むと、4年で世間の認識は色々変わって、この本刊行時にはではまだまだ知られていなかったことが知られてきてるなと思った。
性的同意とかがあたりまえで。
子どもの性教育も前より積極的になっているよね。
これから大人になる子たちは変わっていけるんじゃないかなと期待している。
でも多分現行の痴漢犯罪者とかレイプ犯とかモラハラな人は変わってない。
残念ながら彼らの思考回路は全く異常で、自分の都合の良いようにできているようなので。
まずは異常を自覚してもらって、治療が必要なんだよな…
Posted by ブクログ
「ほとんどない」ことにされている側の気持ちがわかるには、その前に、"こっち側"を認識するには、現実を経験したことがないとわからない。
たとえば、ストーカー。されたことがないと、される人の気持ちなんて想像できないのかもしれない。してる側も、ストーカーをされたことがない同じ性別の人も。
…でも、そんなの酷いよ。もっと、みんな想像力を働かせてほしい。"こっち側"の気持ちを想像してほしい。これは、女性とか男性とかジェンダーに関わることだけじゃない。もっと、社会から「見ようとしないと見えてない」存在がいる。もっとちゃんと見てよと思う。
・
この本の中に社会的に良くない例として出てくる方々は、考え方が古すぎる気がした。私のまわりには、ここまで酷い考え方をする人(していたとしても、実際に言葉に出したり、態度に露骨に出す人)はありがたいことにあんまりいない。古すぎ。そして、想像力なさすぎ。
Posted by ブクログ
性暴力、性暴被害、ジェンダー格差社会、、、こういう問題は、きっとゼロにはならない。だけど、こういう本が世に出て、たくさんの人の目に触れる事はとても大切なことだと思う。「レイプはセックスのジャンルの1つだと思っていた」という認識にはとても驚いた。
Posted by ブクログ
男尊女卑やら性被害やらのニュースに目は行くが、腹が立ちすぎるので直視できないことが往々にしてある。
この本はその「腹が立つ」ことについてしか書いていない。読んでいてイライラする。なんだこのクソみたいな社会は。いい加減にしろ。そんな感じ。
被害者の視点が強調されているが、これは元々そういうコンセプトだとタイトルで明示されている。というか、フェミニズムは元来、The personal is political.なのだから、正統派の本と言っても良いのでは。笑
様々な視点から見たい人は、気になった事件について自分で調べるといいんじゃないですかね。
これは本自体の感想から外れるが、
リベラルっぽい私のパートナー(シスへテロ男性)にフェミニズムめいた話をすると、嫌な顔をされる。「そんな七面倒くさい議論するのやめよ~」とか言われるのは、本当に腹が立つ。面倒くさい議論させてるのはお前ら男だよ。面倒だと思ってるならさっさと社会改革しようぜ。
リベラル寄りで割といろんな視点を持っているはずのうちのパートナーがこの調子なのだから、社会全体が変わるにはどれだけかかるのだろうか。気が遠くなる。
あまり文章?文体?が好きではないので、☆を減らした。何が合わないのか分からないが・・・。嫌にふわふわしている。
Posted by ブクログ
性被害にあったとき、警察に行くには事前に予約して信頼できる男性と一緒に行くこと。
残念だが、それが1番警察もきちんと対応してくれる方法らしい。
男性警官と女性警官が2人で同席してくれるらしい。
そんなこと、初めて知った。
知らない人は多いのではないだろうか。
泣き寝入りする人が多いとは聞くが、言っても聞き入れてもらえないとも聞いたことがある。その裏は、こういうことなのか、と腑に落ちた。
小学生の頃の経験は、いたずら、というものではなかった、そう今更ながら気付いた。
Posted by ブクログ
本書はジェンダーの問題に焦点をあてて書かれたコラム集。解決策を提示するものではなく、問題提起するための本になっている。
人間というのは、とても視野の狭くなりやすい生き物だ。このような本に出会わなければ、ボクらはこんなに大きな問題すらも認識できないほど忙しい社会に生きている。いや、正確には『認識できないフリをしている』と言った方が正しいのかもしれない。
そう。「ほとんどない」ことにしているのは他でもないボクら自身なのだと思う。
これはもちろん、男性だけに限定しない。女性だろうとLGBTだろうと、ほとんどの大人たちが今の社会では同様に、ほとんどないことにしてやり過ごしている。
ちゃんと直視しているのは、もしかしたら幼い子どもたちだけかも知れない。
そう思うことが、3人の息子たちと過ごしているとたびたびあったりする。
読み終えて思う。
正直、情けなくて仕方ない。なぜか涙が出るほどにそう感じさせられた。
ここまでモノで満たされた文明の中にいて、確実に文化的発展は途上国以下なのが現状の日本だと思う。
問題を認識するのはスタート地点に立ったに過ぎない。本書を読んで次にやるべきこと。それは、個人として出来ることは何かを考えることだと思う。
本書はそのきっかけにはピッタリな本であり、多くの人に読んでもらいたい。