【感想・ネタバレ】明治維新とは何だったのか――世界史から考えるのレビュー

あらすじ

あのとき、日本を動かしたのは、龍馬でも松陰でもなかった! 『幕末史』『昭和史』の半藤一利と『仕事に効く 教養としての「世界史」』の出口治明が明治維新後の150年を語る。維新最大の功労者は誰なのか? 【巻末収録】半藤一利・出口治明選 明治維新をより深く理解する書籍ガイド35冊。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「維新」とは新政府が後につけた正当化の呼び名。阿部正弘のグランドデザインと引き継いだ大久保。伊藤、山縣の権威付けに利用された吉田松陰(この人へも低評価)。統帥権が西南戦争からの山縣の発想で帝国憲法前にできていたとは知りませんでした。世界を見てきた者と内しか知らない者。権力に対する執念の有無。これまでは新政府側からの時代小説やドラマで語られることの多かった「明治維新」。確かに最近幕府側からのストーリーも増えてきましたね。その方が公平で立体的に考察できますね。やはりこの時代は面白い。お二人の対談、グッド。

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2024年03月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

全体を通してめちゃくちゃ面白かった!!
読みやすい。
賛否両論あるんでしょうが、
明治維新が教科書だけで記されるような輝く歴史ではないとは思うので、その辺りもきちんと理解できる歴史書になっているかと。


第1章: ペリーのルートが那覇→小笠原諸島→江戸
江戸がダメなら、沖縄か小笠原諸島を港にしようと目論んでいた。
ペリーの来た理由:
これまでは、蒸気船の燃料である石炭の補給地、捕鯨船の寄港地にしたかったというのが最有力だったが、それよりはシーパワー=自分達の国益のために太平洋航路を開く、というのが最大の目的という見方。

日本人の、「起きて困ることは起こらない」という見方も面白いなぁ。太平洋戦争も同じという半藤氏。

阿部正弘の開国への決断、有為な人材登用、講武所などの作成が、明治維新の「開国、富国、強兵」のグランドデザインを描いたという見方も面白い。
ただ先鋭的すぎて、民への意見も求めた結果、尊皇攘夷派が台頭してきたというのも、
なるほどそういう見方もあるか、と。
本当にこの人が長生きしてただけで歴史は変わったんやないやろうか。


第2章:賛否両論あるんやろうが、薩長が関ヶ原以来の幕府への恨みという一点だけで繋がり、明治維新という名の武力革命を起こしたというのは
面白いなぁ。
というか、そんなに長い恨みを持てるのか人は、とも思うんだが(笑)正月挨拶のたびに、殿、(関ヶ原の)仇討ちはまだですか、と聞いてたという話も面白い。

あと、ビジョンや理想を描くのが得意な人と、それを実現するのが上手い人とは分かれるというのも納得。坂本龍馬や大久保利通は後者だったと。やっぱり西郷さんはその点、理想主義なんやろうな。。
毛沢東と似ているというのはなかなか納得。笑

第4章:シビリアンコントロール(軍人以外が軍隊に対して最高指揮権を持つ。文民統制)
が、山縣有朋が西南戦争をきっかけに外していったとは。
直接的でなくても、これが軍事国家に向けての伏線になっていったのは納得。

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2022年08月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

明治維新へ繋がる歴史を変えたのは龍馬さんだと思っていたが。。竜馬がゆく、に影響されている。
お二人の対談から、幕府の阿部正弘であり、世界を見てきた大久保利通なんだとか。で、長州の人たちがこの国をダメにしたとか、特に山県有朋。色々と勉強になりました。開国、外に目を向けておくことが大事!

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2021年02月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

大好物の類い。明治維新という美名に隠された、薩長の起こした内乱。最近増えてきた、明治維新を幕府側から見直す本のひとつ。学校で習った明治維新とはまるで違う味方。もっと歴史を知る必要がある。

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2018年11月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

半藤一利氏は昭和5年(1930年)生まれ、方や出口治明氏は昭和23年(1948年)生まれ、と18歳もの年齢差がある。半藤氏は、自称「歴史探偵」で、「幕末史」という分厚い本も上梓されており、この対談では出口氏が、半藤氏の胸を借りる形で、対談が進んでいくんだろうなと予想していたが、実際にはまったくそうではなく、まさに「がっぷり四つ」の対談だったように思う。

半藤氏はもちろんだが、出口氏の博識はすごい! 現代における歴史の頂点対談の一つだろう。そして、そういうお二人の扱うテーマが、「明治維新とは何だったのか」だから、これは面白くないということはありえないだろう。

むしろ半藤氏のほうが、「自分の弱点である経済的な観点が、びっくりするほど完備している方」と、出口氏に尊敬の念をもって対談しているくらいだ。

この言葉どおり、対談のところどころで、当時の各国のGDPの統計データなど経済データを出しながら歴史を語る出口氏の凄さを体験することができる。出口氏は、ふだんから「タテヨコ(歴史と世界)」の視点を重視されている。

対談冒頭、この「本書のタイトル」となっている「明治維新」という言葉に、半藤氏がモノ申す。改元前後に、「明治維新」なんて言葉はなかったんだと。せいぜい「御一新」という言葉があったくらいで、「明治維新」なんて言葉は後付けだと。その理由も後の対談の中で説明されていくが、さすが探偵の歴史へのコダワリに、思わず「来ましたねー」とにやついてしまった。

一方、出口氏はやはり腰低く、謙虚に対談に入っていかれましたが、それはほんの始めだけで、「どんな球でも必ず打ち返しますよ」的な余裕さえ感じられる対談を展開していかれます。

第3章の「幕末の志士たちは何を見ていたのか」では、当時の主要な人物についてのお互いの人物談義が交わされている。「幕末の志士たちは何を見ていたか」というより、「対談のご両人は、志士たちをどう見ていたか」というのが実質的なタイトルでしょう。

そして、けっこうな点で、両者の意見は一致していたかと思う。幕末というと、維新の三傑、西郷隆盛、大久保利通、木戸孝允についての評価が高く、坂本龍馬や吉田松陰など小説の影響もあり、英雄的に語られることが多いが、二人の意見の一致で見ると、阿部正弘を維新のグランドデザインを描いた一番の功労者とし、そのデザインを踏襲し近代化を実質的に推し進めた、大久保利通を第二の功労者とし、半藤氏が思い入れが最も強い勝海舟の功績についても、出口氏も認めるところで、これがベスト3だったのではないか。

一方、二人そろって西郷評は思わしくなく、吉田松陰に至っては酷評でしかない。もちろん、それぞれの人物の偉大な点は認めたうえでであるが。

岩倉具視は、この時代最大の陰謀家(ワル)で認識が一致し、維新三傑亡きあと権力を握った山縣有朋についても厳しい評価だが、これらは一般の視点と一致するところかもしれない。

本書が「世界史から考える」と副題されているように、「鎖国で後れをとった世界の中の日本」という視点でとらえたときに、その後の日本再構築において、誰の功績がもっとも大きかったのかという視点からこの結論に達しているのではないかと思う。

巻末に、両著者オススメの関係書籍が紹介されている。
半藤氏15冊、出口氏20冊。これらもそうだが、両著者の他の本にも興味が湧いてくる。

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2020年03月28日

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