【感想・ネタバレ】檻の中の少女のレビュー

あらすじ

「息子は自殺支援サイト『ミトラス』に殺されたんです」 サイバーセキュリティ・コンサルタントの君島のもとへ老夫婦が依頼にやってきた。自殺したとされる息子の死の真実を知りたいのだという。息子はミトラスに多額の金を振り込んでもいたらしい。 ミトラスは自殺志願者とその幇助者をネットを介在して結び付け、志願者が希望通り自殺出来た際に手数料が振り込まれるというシステムで、ミトラス自身はその仲介で多額の手数料をとるのだという。 さまざまな情報を集め、やがて君島が「真相」を解き明かし、老夫婦の依頼に応えたとき、これまで隠されてきたほんとうの真実【エピローグ】が見え始める──

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Posted by ブクログ

ネタバレ

コンピュータサイトと昨今の自殺数などの社会問題をテーマにした物語。

話の最後で犯人の恐ろしい背景が語られ、空気ががらっと変わった。

作者の年齢によるのか安心の文章とストーリー展開。

難があるとすれば、いきなり時間すっとばすとこがあったところ。詳細に書けばダレる可能性が大いにあるため、とばすのは十分にわかるが、そこは登場人物の描写を濃くするつもりで書けば、ダレも防ぎつつ、違和感も感じることがなかったのではないかな。

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2011年07月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

インターネットやパソコンから個人情報が漏れる。
そういう可能性があることはわかっているはずなのに、自分は絶対ありえないと思っていたので、この本を読みゾッとした。

71歳の復讐に燃える『少女』、檻の中に入っているのは孫のみのんではなく、”橋本”に捕らわれている彼女なのだ。

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2013年07月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ふてぶてしい登場人物ばかりでちょっとなんだか息苦しい。それはまぁしょうがないとして、セキュリティという、まさに狸の化かし合いが起きそうなフィールドを取り上げたのは、ミステリーとして相性がいいのかもしれない。まぁ本来はもっと現実的なところなんだろうけども、コンピュータ関連は見た目匿名性の高い世界だし。だからこそ「人の欲望」みたいなものが如実に出せるみたいな。

読んですっきりするタイプの内容ではないし、登場人物がみんなみんなヘンなのばっかりだから、イヤミス的な感じもそこそこある。だけども人の欲望ってのはそんなもんよなって感じは人間らしさがあって、変に現実離れしていない分、こういうことはきっとそこそこあるんちゃうかなって思ったりもした。

あとなんとなく表紙の絵は内容(というか登場人物の描写)とちょっと合わない気はする。これは完全に主観(笑)。

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2018年06月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

第三回「ばらのまち福山」ミステリー文学新人賞受賞作。
勿論例によって島田荘司先生選考によるものです。
正直オビにあるように「モルグ街の〜」が引き合いに
出される理由はピンと来ない部分はありますが、
ラストまで一気に読ませる内容...かな。

匿名性の高い自殺支援サイト「ミトラス」によって
息子を殺されたという事でその犯人、及びサイトの
停止依頼を主人公であるサイバーセキュリティー
専門の探偵「君島」を訪れる老夫婦。胡散臭さを
感じながらも多額の報酬に釣られるように依頼を
受ける「君島」だが、彼自身もミトラス周辺から
恐喝や個人情報の流出などを受け、事件は
思わぬラストと犯人に着地する...
のですが、割と早い段階で犯人自体の目星は
ついてしまうほど、伏線や不自然な動きが
あからさまな描写によってバレてしまう...のでは
ないでしょうか?

ネットセキュリティの専門知識と技術、そして
ネットの裏に潜む日常的な恐怖は余りにもリアルで
本当にビビる。ネットで通販とかすんの怖くなっちゃう。
そういった意味でこの知識と今作のミステリの
内容は上手く解け合っているのが今作の面白さ
なのかもしれないですね。

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2011年08月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作。サイバー系のお話なのだが、ちょっと間抜けでお茶目な主人公が、ハードボイルド臭をさせながらも3枚目なのが魅力。そんな現代的な設定にもかかわらず、結末は古風なミステリを読むかのような印象。まったく別の作品になってるなー、女性って怖いなーなどと思いつつ、続編に期待します。

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2011年11月17日

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