感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
とても心温まる話だった。
両親を立て続けに亡くし、大学を中退した僕、柏木聖輔は、砂町銀座の惣菜屋田野倉でバイトを始める。55円の手持ちで、残り一つだった50円のコロッケを買おうとしたところをおばあさんに譲り、そこから店長の督次さんにメンチカツを50円に負けてもらって、残ったご縁。お金をたかってくるおじさんとか、女の子を巡って牽制かけてくる慶應生とか、そういう人もいるけれど、なんといっても僕が良いやつ。道もベースも人に譲る優しさと、人に頼らない潔癖さがあって、でも最後に、好きになった青葉だけは譲らない。人材は譲れても人は譲れない、そこにもこのタイトルが沁みた。お金をとにかく節約する様子も共感できるし、青葉と二人であらかわ遊園や銀座散歩でお金を使わないデートをして、それを楽しめる二人の関係性がとてもよい。彼女を作るのもベースを続けるのも、そんな余裕はないと言ってきた聖輔に、何もかもあきらめなくてもいいんじゃない?って声をかけられる青葉が素敵だし、青葉をそれで好きだと認識する流れも胸熱だった。熱々の惣菜屋のコロッケが食べたくなった。
Posted by ブクログ
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僕は二十一歳。急がなくていい。一つ一つだ。急がないが、とどまらない。そんなふうにやっていけたらいい。先は大事。でも今も大事。先は見なければいけない。でも今も疎かにしたくない。だって僕は、生きてる。
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両親を立て続けに亡くした大学生が、退学や惣菜屋でのアルバイトを経て、自分の人生と向き合って自分らしく進み出す話。ストーリーも、文体もすごく好きだった。
Posted by ブクログ
読んでよかった!
ひとって、いい人もいるし悪い人もいるし、いろいろなんだけど、この人に出会えてよかったっていう人に会えることが、人生の価値なんじゃないかな、って思った。自分も、出会えてよかったって思ってもらえるような人間でありたいな、って聖輔を見てたら思った。聖輔の周りの人、ホントにステキな人が多くて、心があったかくなった。でもそれって、聖輔が人としてステキな人だからなんだろうなぁ。
そして最後の聖輔、かっこよくてキュンとした^_^