あらすじ
「百獣の王じゃないか。光栄だ」人気バンドのドラマー、崎谷貫太はその風貌から〈笑うライオン〉と呼ばれている。ある日人づてに、母親が倒れたことを知った貫太は、十年ぶりに勘当された実家を訪れることに。母親に嫌われていると思っていた貫太だったが、実家で驚くべき光景を目にする―。(「笑うライオン」)誰もが持つその人だけの歌を、温かく紡いだ傑作小説集。
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Posted by ブクログ
音楽にまつわる8つの短編。
どの作品もよかった。どの作品もすき。
特にその夜に歌うがすきだな。
複数の作品が、S&Kで繋がって、同じ世界、同じ時間なんだなってわかるのも嬉しいし素敵!
Posted by ブクログ
音楽に携わる様々な人たちを描いた8つの音楽短編集。泣きのギタリスト、唄えなくなったヴォーカリスト、踊りながら歌う盲目のピアニスト、自分の存在感について悩むドラマー、ステージ上で駆け落ちしたトランペット吹き・・・などなど。お洒落でどこか懐かしく、そしてどの話の中にもはっとさせられる、まるで音楽が聴こえてきそうな美しい一文があります。
短編の中でも、「ピアノを弾かせてくれないかな…。」とフラリと子犬のようにバーにやってきた天才ピアニストのお話「その夜に歌う」はお奨めです。解説者のあとがきによると、タイトルが「うたうひと」と平仮名なのは歌を唄う人のことだけではなく、楽器を演奏する人も「うたうひと」だと言いたかったからなのではないか、とのことです。