あらすじ
2016年9月に労災認定された「電通過労自死事件」により、長時間労働の是正に関して世論が動いた。これは日本の企業全体の問題だからである。とくに、所定外時間労働「残業」には労働社会の問題が凝縮されている。本書では、この問題を深く掘り下げ議論、政府が進める「働き方改革」についても、その矛盾を鋭く指摘する。すべての働く日本人に、気付きを与える一冊。
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Posted by ブクログ
本書のタイトルの通り、「残業」や「働き方改革」をメインテーマに、残業の根深い実態や問題点について書かれている。
この本を読めば、日本企業の労働環境において残業がいかに合理的かがわかり、残業や働き方改革について自分なりの考えを持つきっかけとなる。
・なんで残業ばっかせなあかんの?
・なんで残業はいつまでも改善されないの?
・これからの時代、会社はどうなってくの?
こんなふうに考えてる人にピッタリな本だと思います。
第1章〜第5章では、「残業」や「働き方改革」の理解を深める
第6章では、第1章〜第5章の内容を踏まえて、残業問題に対してどのように対処していくのかを考える
初めから終わりまで、読んでて興味深い本でした。
どれも重要ですが、とくに第6章の内容が大切かなと思います。(トヨタ生産方式の話とか)
率直に、会社の一般社員が個人レベルでどうにかできるものではなく、経営者や影響力の強いリーダーが前に立って改善しないとどうしようもないなという考えは変わらなかった。
長時間労働や残業是正のキーワードは「業務の絶対量」と「仕事の取捨選択」かなと。
そこで大事になるのが「裁量権」だと思うのですが、会社の一般社員には裁量権があるようで無いのがほとんど?
業務の絶対量のコントロール→スケジュール調整による納期コントロール権はあるか?
仕事の取捨選択→火急案件も拒否できるか?
上記の対応には、失注リスク、顧客離れリスク、売上低下リスクなど、様々なリスクがついてくる。これらをすべて享受できるか?
享受できる会社は限られているので、一般社員は会社を選ぶことでしか残業リスクを回避することはできない?その答えは、これからも探していきたいと思います。