あらすじ
東大生の3人に1人、偏差値最高峰の医学部では3人に2人が公文式の出身という調査結果が意味するものは? 日本全国に広がる「KUMON」の評判は海を渡り、今や49の国や地域にまで教室が広がっている。これまで斬新な視点から数々の学校や塾を論じてきた教育ジャーナリストが、世界で最も有名な学習メソッドの強さの秘密と意外な弱点を、今、明らかする。
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Posted by ブクログ
この著者の本は、偏った考え方で書かれていないものが多いのでメリットとデメリットのどちらも知ることができます。
子どもが幼児期になり、通える年齢に達する頃になると通うべきなのか悩みだすKumon。
この本を読んで考えさせられたことは、まず第一に学習の習慣化の大切さ。そして第二として、先取り学習がいかにその後の学習を楽にしてくれるかということ。公文式で学ぶことで、全教科の基礎となる国語、数学能力に特化し、受験期にはこれらの勉強時間を短縮化させ、他の教科への時間を捻出することができるようになる。
プリント学習の鬼。石の上にも三年。
Kumonは世界にも進出している。特に発展途上国で人気のある教育法のようである。
個人的には、東大生の3人に1人が公文式なのは、彼らが子供の頃に流行していた早期教育の手法が公文式なのではないかと思うのだけれど。
子どもの性格にあった学習スタイルを見極めるのが親の役割だと改めて実感。
Posted by ブクログ
公文算数のゴールは高校数学を解くことができること。大学受験に通用すること。
国語と英語はどちらも多読。読解力がつくこと。
あとは学習習慣や忍耐力がつくなど。これは他の習い事でもできるのでは、とあったけど。
進度は本人と親と先生の掛け合わせに寄る。親の関わりも重要で全て教室にお任せとはいかないよう。(とはいえ答えや解き方を教える訳ではないので進捗管理とやる気を出させる声かけくらいか)目的が違うので中学受験との併用は難しそう。やるにしても3年生までに小学課程を修了しておくこととあると。それ自体3学年先の高進度なので中受やるには、それなりの素地が必要なのか。
子供の公文をいつまで続けようか迷っていたが、算数はもう少し続ける判断に至る。英語は多読を目的とした選択肢が他にもあるので悩む。(国語はやってない)
Posted by ブクログ
小〜中学校にかけての基礎知識の機械的反復、学習習慣定着、自己肯定感の育成、短中期的な計画性の育成が、その後の学習にどう影響を与えるのかを科学している。公文式経験者は自分の記憶に沿って、あの時の時間・経験がどう人生を形作ったか、あるいは作らなかったかを具体的に振り返ることができる。
1970年には外部の評判と保護者の要望から、文章題や図形問題を教材に組み込んだが、子供たちの自学自習のスタイルが崩れ逆効果。質ではなく量の調整による「やる気」を生み出すことのできるスタイルが公文式の偉大さか。
話題の入試改革でも「これから必要なのは思考力」と叫ばれ続けているからこそ、この機械的基礎反復のシステムがどう影響するか、という科学には大きく興味がわいた。
【メモ】教材数
算数数学:全28教材5470枚
英語:全28教材4600枚
国語:全34教材6800枚
Posted by ブクログ
公文式の利点および欠点を、複数のインタビューの内容から考察した本。東大生にはそのうちの「利点」を活用した人が多い印象か。
公文式から得られるものはもちろん学力もそうだが、それよりもむしろ、学習習慣や達成感、継続性などの方が多い。それを小学校あたりから取り入れることで、難なく学習習慣を手に入れることができる。
逆に、公文式では思考力を鍛えることはできない。公文式は特に計算力強化に特化した教材であるため、文章題は一切排除している。計算力があれば文章題も解ける、という思念に基づくものであるらしく、思考力は公文式の範疇ではない。
公文式の利点および欠点を理解したうえで、公文式を正しく活用し、正しく辞める。これが公文式の活用メゾットか。
Posted by ブクログ
タイトルは、『なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?』というキャッチーなものだが、『公文式とは何か?』というような内容だった。公文式の教材内容や指導方法にとどまらず、公文式の組織や歴史、そして創始者の公文公さんについても掘り下げている。元公文式OGとしても改めて公文を捉えなおすきっかけになった。この本は、公文を客観的に見る機会がないまま体に染みつかせてしまった、元OB・OGにこそオススメ。妄信せず、使いこなす、くらいの距離感がよさそう(それは他の習い事も一緒だが…)。
以下、面白いな、と思った内容。
・公文は、あくまでも高校数学の学習を容易にするためのプログラムであり、高校数学までのすべてをカバーすることが目的ではない。文章題や図形問題をあえて削いだのは、創始者の方針であり、過去に組み込んだら自学自習スタイルが崩れたという経緯もあるらしい(その失敗談はもう少し掘り下げてほしかった…)。
・公文国際学園一期生に、中一の時点で高校数学が解ける生徒100人を集めたものの、東大合格は6人のみ。学校のカリキュラムに組み込まれる途端、自学自習は強制になり、精彩を欠くように。
・進度一覧表は競技記録のようなもの。
・スモールステップが合わない子もいる。