あらすじ
学校の体育館で発見された餓死死体。高層アパートの屋上には、墜落したとしか思えない全身打撲死体。映画館の座席に腰掛けていた感電死体――コンクリートの堤防に囲まれた無機質な廃墟の島で見つかった、奇妙な遺体たち。しかも、死亡時刻も限りなく近い。偶然による事故なのか、殺人か?この謎に挑む二人の検事の、息詰まる攻防を描く驚愕のミステリー。
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Posted by ブクログ
冒頭に関連性のない文章が5つ、そして軍艦島がおそらくモデルとなっている島の不可解な記事。それらが見事にパズルのように組み合わさると全貌が見えて来る。
さすが恩田陸、全体のページ数が少ないこともあり一気に読めました。
読み終わったついでにもう一周もできちゃい、2回目も新たな発見があるとても面白い本でした。
軍艦島に行った際に感じたノスタルジックさや不気味さがちょっとずつですが蘇ってきて、失いかけていた感情が見つかった感じです。
Posted by ブクログ
最初は突然謎の説明文から始まったので、
訳がわからずこの本を選んだのを失敗したかと思ったが、
物語が進んでいくと、不可解な遺体の真相を早く知りたくなり、あっという間に読み終えた。
初めのあの説明文たちは、こういう伏線だったのかと感動した!
また、二人の刑事のやり取りも面白く、よみやすかった。
Posted by ブクログ
雑誌の付録のような作品。もちろん、悪い意味では無い。
推理小説と謳っているだけに、冒頭の引用文が大きく関係しているのは勿論だが、熟読しなくとも、そのことを留意していれば答えは見えるだろう。
作品の長さも、短すぎず、長すぎず、普段読書をされない方にも手にとって頂きたい作品。
Posted by ブクログ
2000年に発表されたちょっと古めの作品。幻想系スリラーとでも言った恩田氏らしい作品。
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とある無人島で発見された3つの遺体。餓死、感電死、溺死とそれぞれ違う死因。3人の遺体に関連はあるのか。二人の刑事がこの疑問に取り組むが最後の結末は・・・。
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基本ストーリは無人島で捜査する二人の刑事の掛け合いに終始します。その中でさまよえるオランダ人の伝承の解釈であったり、片方の刑事が高校時に属していたオカルト研究会の話であったりが挿入され、次第に状況が明らかになってきます。
因みにこの無人島を探すさまは、何となく長崎の軍艦島を想起させます。数十年前に打ち捨てられ、朽ちた住宅地。その人なき無機物の瓦礫の中を歩く様子に、軍艦島を見て感じた何とも寂しい様子を思い出しました。
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ということで月いちローテになりかかっている恩田氏作品でした。
これはどちらかというとファン向けかなあという印象。一般向けに勧めるならもっと面白いものがあるかなあと思った次第です。