あらすじ
マリアナ沖で亜一号作戦が発動!
三式陸攻が
米最新鋭空母を撃つ!!
1943(昭和18)年、最後の元老と呼ばれる原敬は、イラクのホテルの一室でイギリス首相チャーチルと極秘会談を行う。アメリカ、ソ連と欧州の戦争をどのように進め、ドイツをいかに降伏に追い込むかの話し合いであったが、原の第一声は、ソ連が対日参戦をどう考えているかをチャーチルに問うものだった。
ソ連はドイツとの戦争が終わり次第、日本に宣戦布告するという。太平洋戦線を長期戦に持ち込んだ日本としては、ソ連の宣戦布告をなんとしても阻止する必要がある……。日米英ソ、四か国の思惑が渦巻く太平洋戦線で、日本の存亡を懸けた原敬の最後の戦略が始動する。
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不満です。
仮想時代劇で取り上げられるのは1人の英雄だったり、新兵器であったり、スーパーアンチヒーロ対連合軍の構図になったストーリーが多いのですが、戦争は総合力=国力(情報分析能力、科学力、組織力、人力、生産力、人口など)が上回った国が勝つことが必然で、日本を舞台にする場合は敵対する国(仮米国)の国力と日本の国力を比較して日本の国力のどの部分がどれくらい劣っているかを明確にして、それを如何にして克服して総合力として上回って初めて勝利を得るのであって、戦艦大和1船や1特殊な一個艦隊の活躍で戦況が逆転することはない、それこそ荒唐無稽な話になってしまい、何でもありの世界の話にで読むに堪えない。戦略の失敗は戦術ではカバーできないのは常識で有り、例えば戦前のドイツは科学力が突出していても、1人や2人の英雄(ハインツ・グデーリアンやエルヴィン・ロンメル)が地方戦で勝利しても最後は負けてしまう。だから仮想現実の小説であればそれらのハンデを如何に克服するのか、そしてその克服したモノをどのように活用して勝利に結び付けていくのかがストリーにならなければ現実味がないことになるわけで、過去の日本軍にも優秀な軍人が多くいるわけで、それをどう生かすのか、国力の差をどのように埋めて、埋めきれなかった差をどういう戦略戦術を用いて逆転していくのかは作者の力量だと考える。この作品にはそこまでのモノを感じない。