あらすじ
東京のバーベキュー場で起きたヒ素による大量殺傷事件。記者の勝木は、十数年前の北海道灰戸町家族毒殺事件を思い出す。家族が死んだ居間で寛ぎカップラーメンを啜っていた生き残りの少女、赤井三葉が〝また〟殺したのではないか。三葉の行方を追い勝木は北へ向かうが――。「みんな死ねばいい」。灰戸町の女たちの怒りの連鎖が、新たな悲劇を産み落とす。
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Posted by ブクログ
反転の瞬間、背筋がゾクっとした。
こういう人ほど、潜む狂気は凄まじくて恐ろしい。
女たちの怒り恨みの連鎖が壮大で、何度も驚かされ、鳥肌が立ちました。
Posted by ブクログ
東京のBBQ場で起きたヒ素を使った大量殺人。十数年前に北海道で起こった家族毒殺事件を記者の勝木は思い出す。
長女だけが生き残ったその事件。
視点が細かく入れ替わるけど読みやすかった。
そして怖い。負の連鎖。忌まわしさ。田舎の閉塞感。
Posted by ブクログ
タイトルの〈レッドクローバー〉は、登場人物の名前から取られています。
日本語にすればアカツメグサ。花言葉は「幸運」「希望」。
そして、それらから遠くかけ離れた物語が始まります。
幸運にも希望にも見放されたような、母娘たちが入り混じりながら、罪を犯していきます。
小説は五章からなり、章の中でも語り部と年代を変えながら、じっくりと負の連鎖が続きます。
まさきさんの特徴でもある、歪みある愛情の物語であると同時に、しっかりとしたミステリーでした。
むしろミステリーがしっかりしすぎていて、自分の理解したストーリーで合っているのか、不安になるほどでした。
けれど、その理解できない行動の中に登場人物たちの生々しさが息づいているように思います。
母と娘の関係、その赦しの難しさが、静かに罪を重ねていく。
タイトルの〈レッドクローバー〉が象徴する希望は、彼女たちの誰の手にも届きません。
小説ですので、こんな厳しい村は現実にはないでしょう。
それでも、私の実家があった町にも、「あの橋を渡ってはいけない」と言われていた地域がありました。
思い出して、少しだけ胸がざわつきました。
Posted by ブクログ
一気読み。つまり面白かったと思う。
どんでん返しの連続だったし。
ただ、救いはないなぁ、とは思う。
再読は、きっとしない。
ミステリーとしてはよくできてる。
Posted by ブクログ
まさき先生といい、櫛木先生といい
やっぱりこういう本がとんでもなく好き!!
娘と母、、因習村、、
最初はちひろ大丈夫か?
あまり三葉と仲良くしない方が、、、なんて思っていたのにどうしてこうなった
Posted by ブクログ
まさきとしか『レッドクローバー』幻冬舎文庫。
一種のイヤミスかと思いながら読み進めば、正統派のサスペンス・ミステリー小説だった。但し、最初から最後まで、ずっと嫌な気持ちを抱えて読むことになることは覚悟しなければならない。
前半から中盤までは、真梨幸子の『殺人鬼フジコの衝動』のような感じなのだが、終盤になると深刻度が増していく。閉鎖的な町に由来する悪意の連鎖が普通の人びとの心を悪魔の心に変えていくのだ。
和歌山カレー事件を彷彿とさせるような豊洲のバーベキュー場で起きたヒ素による大量殺傷事件。容疑者の34歳になる丸江田逸央は「ざまみろと思ってます。」という言葉を残したまま多くを語らなかった。
雑誌記者の勝木剛は豊洲バーベキュー事件から12年前に北海道灰戸町で起きた灰戸町一家殺害事件を思い出す。灰戸町一家殺害事件とは、夫、妻、小学校3年生の長男、夫の母親がヒ素により殺害され、長女だけが生き残ったという事件であった。
当時、事件取材を行った勝木は、事件現場となった家の中で生き残った長女の赤井三葉がカップラーメンを啜っていた光景を思い出す。
事件直後、赤井三葉が犯人ではないかと疑われたが、その後に姿を消しており、勝木は、豊洲の事件も再び赤井三葉が関与したのではないかと疑念を持つ。
勝木は赤井三葉の姿を追い、北海道の灰戸町に向かう。
本体価格900円
★★★★