あらすじ
巨大地震が地下都市を襲い、女性が遭難。しかも、彼女は「見えない、聞こえない、話せない」三つの障害を抱えていた。頼みの綱は一台のドローン。操縦士のハルオは、遠隔から要救助者を発見し、安全地帯まで誘導するという前代未聞の作戦を任される。迫る浸水。猶予は六時間。女性の未来は脱出か、死か――。想像の限界を超える、傑作ミステリー。
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Posted by ブクログ
帯に大きく「どんでん返し!」と書いてあったので勝手にミステリーだと思い込み、いつ殺人事件が起こるのかとドキドキしながら読んでしまった笑
勘違いして読み始めたにも関わらず、あまりの気持ちのいいどんでん返しに思わず声が出てしまった!
色々疑いながら読んでいたが、全く気づくことが出来なかった。
専門用語が多く出てくるがその都度丁寧に説明してくれるのでわかりやすく、サクサクめる。
登場人物たちの性格も皆とてもストレートで心情時に理解、共感しやすく読みやすい。
救助災害ドローンや指点字など、普段触れる機会のないものについて知ることが出来て勉強になった。
最後は胸がいっぱいになり、泣きながら本を閉じた。とても素晴らしい読書体験だった。
Posted by ブクログ
・どうして23時から読み始めてしまったのか
・次の日は仕事なのにそのままぶっ通しで読み切ってしまった
・読みやすい文体と次々に起こるアクシデント大喜利
・それをどう解決してドローンで見えない聞こえない話せない人を導くのか
・さらに中盤からは本当に障害があるのかというミステリー要素も加わる
・これは読むのを止める瞬間がない
・ラストの展開は妹が地下採光に落下したという報告でなんとなく察しがついたけど、これがミスリードで障害ありませんでした〜エンドじゃなくて良かった
・キャラの命名が上手いのか、名前覚えられない症候群の自分がすらすら覚えられたのも読みやすさの一因かなと思う
・ドローンに実装されてる技術凄すぎだろ
Posted by ブクログ
オススメにあった本。地下に作られた巨大都市に閉じ込められてしまった、三重障害を持つ女性を助けるお話。見えない、聞こえない、話せないという障害がある女性をどうやって助けるか。ドローンという最新鋭の技術を使う発想も面白かった。文章も読みやすいしテンポよく話が進むのでとても良い。でもそこまで凄いどんでん返しか?と思うところもあった。確かに面白いけど、そこまで言うか?という感じ。あと害悪系に関しては入れないほうが、読後がさらに良くなるんじゃなかろうか。それか終了後のネットの反応もちょこっと入れてほしかったかも。全体的には面白かった。
Posted by ブクログ
見えない、聞こえない、喋れない女性の救出劇。
本作の気になる点が3つ。
①本筋の救出劇
どうやって助けるのか、その起承転結。
②韮沢の存在
ここまで頻繁に登場してくる彼女の関わり
③中川さんの疑惑
ここが本作の一番のミステリー要素?
テンポ感があって読みやすさが凄い。
難しい言葉を使わず、人物も特徴プラス名前の紹介でわかりやすい。
各種専門的な部分の説明も丁寧でわかりやすい。
伝えることが上手い本だなって思った。
主人公のドローン救出作業を進めながら、中川さんへの疑惑が深まる。
韮沢の妹も二度迷子になるという災難。
勝手にどっか行き過ぎじゃない?とも思うけど、そこはトラウマや災害のパニックなど、起こり得ないことが起こってるので、簡単に否定できない。
①は綺麗にまとまり、②③を繋げてフィニッシュ。
妹と中川さんが一緒にいることや、途中で合流することは予想できた。
どっちかというと妹が助ける方かと思ったら、最後は逆。
そこに中川さんの人間性と疑惑を晴らす全てが詰まってる。
最後の数ページで色んな事を裏返すのはどんでん返しという言葉で合ってるのだろうけど、ミステリー的には少し弱め。
ただ物語としては良かった。
最後の終わり方も心温まる。
殺人がないミステリーってどうするんだろう?って思ってたけど、いい終わり方でよかった!
Posted by ブクログ
想像していたどんでん返しとは違ったが、なるほど!!と納得するストーリーでとても面白かった。
また、諦めずに挑戦し続ければ、一見無理に思えることも解決できると勇気をもらえた。
Posted by ブクログ
帯にどんでん返しって書くのやめて欲しいなぁと中身に関係ないところで申し訳ないけど、そう思ってしまった。ピュアな読書体験が損なわれた感じがしてしまいます。
救出対象も小さな女の子を救出していたという構造はすごくおもしろかったです。それだけにどんでん返しって言われてるからって邪推してしまって、例の妹が全然出てこないってことは…とオチの予想がついてしまいました。
帯でネタバレされてなかったらどれくらい驚いたのだろうとか思うとちょっと悲しいです。
Posted by ブクログ
オチは早い段階で気づいてしまったものの、それでも楽しめた。井上真偽といえば、「その可能性はすでに考えた」で、あの引いちゃうぐらいのガチガチ論理ミステリ(褒めてる)の印象が強かったので、こんなハートフルな物語も描けるんだと驚いた。
ドローンと人命救助がテーマの本作。見えない、聞こえない、話せない要救助者をいかにして救うか。おもしろい設定だが、ハウダニットを楽しむというよりも、そのような三重障害を負った女性の生還によって主人公が過去を乗り越える、そこに重点が置かれていると思った。