あらすじ
大学の新聞部に所属する美ノ輪七海は、学内での男性教授のセクハラ問題を追及するうち、同大出身の政治家らが絡む私学助成金の不正受給疑惑を突き止める。
大学でたまたま出会ったタウン誌の老記者や新聞部のOBに相談を持ちかける中で、七海の「真実の追及」に対する情熱に心を動かされた者たちが集い、タウン誌の小さな事務所兼自宅を拠点に取材を始める。
しかし、新聞、テレビ、週刊誌、Webニュースは、政界や広告主から圧力をかけられており、大手メディアの上層部は現政権に完全にコントロールされていた。
さらに、どこかから情報が漏れ、検察に取材資料も持ち去られる。
追い詰められた彼らは、真相を書いたタウン誌を都内中心部でばら撒く「ゲリラ戦法」を思いつくが……。
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Posted by ブクログ
大学の新聞部に所属する 美ノ輪七海 は、学内のセクハラ問題を追ううちに、私学助成金の不正受給疑惑をつかむ。七海は学内にとどまらず、タウン誌の老記者や新聞部OBなど、さまざまな立場の人々に相談を持ちかけ、協力者を募っていく。彼女の情熱に心を動かされた人々が集結するが、現実は冷酷だった。メディアは政界からの強い圧力に屈し、さらには司法までもが敵に回る。追い詰められた記者たちは、ついに真相を記したタウン誌をばら撒く! ラストは爽快でありつつも、作品は 「ジャーナリズムの原点とは何か」 を鋭く問いかけている。⑤
Posted by ブクログ
「7人の記者」というタイトルをみて、最初の登場人物欄にある記者であろう人を数えました。
この人たちのことかな、と読み進めたら最後
トレイシー編集長が記した名前にはユズルが…!古賀は嘘つきな敵なので当然ですね。
自分の利益よりも、誇りのために立ち上がる記者たち。しかし376ページで、志村は七海の動機こそが、自ら命を絶った女性の尊厳を取り戻すことが立ち上がる起点である。自らの地位や名誉挽回を求めることはジャーナリスト失格である。と言っている。確かになと思いました。
自らの地位を追い求めることは、本作での政治家たちと同じになってしまう。本末転倒だ。
しかし誰しも、自分のために活動することは至極当然である。その活動が自分のために嶽なの、そこに気づけるか否かで記者として変われるのではないか?と感じました。