【感想・ネタバレ】プレイグラウンドのレビュー

あらすじ

南太平洋に浮かぶ人口百名足らずの小島は、IT業界の寵児が訪れるとの噂で沸いていた。なんでもここに新国家を作るという。だが島には彼のかつての親友が家庭を築いていて――テクノロジーと人間の相克、そして果たされなかった友情の行方。迫りくるシンギュラリティを前に文学の可能性を映し出す、謎と驚異に満ちた物語。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

伊与原新さんの推薦文を読んで購入。
少年時に海に魅せられた主人公(と表現して良いのか分からないが)の、学生時代の友人との交流と別れ、そしてIT業界での成功とレビー小体型認知症。
終盤で、本書の仕掛けが明らかになる。最後まで読んで、訳者解説を読んだ上で再読すると、より分かるのだろうなあ。…ただ、本の厚さと、訳書であるがゆえの文の取っ付きにくさや人名の分かりにくさがあり、再読する気力が沸かないというのが正直なところ。
原書では英語だけでなく様々な言語が織り交ぜられているのだろうか、そのあたりも翻訳に反映されているようだったので、翻訳もすごく大変だったのだろうなと思ったけれど、読むのはちょっと大変だった。
訳者解説は、一読だけでは物語の全体像を掴めない読者も多いだろうと想定して書かれているような気がする。ネタバレは基本ないので、最初に、あるいは物語の途中で迷子になった時点で解説を読んでも良いのかもしれない。
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主人公が人生の集大成的なものとして世に出そうとしていたのは、シンギュラリティを起こしたAIということなのだろう。そんなAIであっても、(生命と同じように、)遊ぶということが主題のひとつ?その遊びの一環として、主人公にとっての極めて私的な物語を書いた。
ただ、個人のSNSなどの投稿を学習させた上で書かせているから、一定程度の真実がある物語なのだろう。どこまでが本当で、どこまでがAIの創作なのかを見極めるのは難しい。真実かどうかは重要ではないとも言えるのかも。
物語に登場して活動する一部の登場人物は既に亡くなっている。亡くなった人を復活させることが物語の目的だとすれば、死者が登場することは矛盾や欠陥ではない。

舞台となる島の、住民投票をめぐるやり取りや、住民同士の関係性が、冗長というか、これ必要だった?と思ってしまった。

実際のところ、SNSやその他のネット上の活動を取り込まれたとして、それで個人の振る舞いや内面がどれだけ再現できるだろう。それだけで、デジタルツインと言えるくらいの「私」が生まれるだろうか。今はまだそこまではネット上に個人の履歴を開け渡してない気がするが、認識が甘いのだろうか。

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2025年12月22日

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