あらすじ
災害により甚大な被害を受けた地にボランティアとして訪れた女性二人組。宿の娘は、生涯独身を貫いた伯父の遺品であるミニチュアの文机と本が入れられたボトルを彼女たちに見せる。ボトルの中の本の開けない頁に記されているはずの言葉をみつけるため、三人は伯父が少年時代の夏の追憶を綴ったノートから、隠された秘密を探っていく――表題作ほか、通り魔殺人が連続して起きている北の果ての町で、アパートの隣室同士になった孤独な男女の交流が思わぬ展開を遂げる「地の涯て(ランズ・エンド)」など五編を収録する。〈七海学園シリーズ〉の名手が満を持して贈る、技巧と叙情が紡ぐミステリ短編集。/【目次】刹那の夏/魔法のエプロン/千夜行/わたしとわたしの妹/地の涯て(ランズ・エンド)
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Posted by ブクログ
太陽の光を反射し目が眩むほど輝く海から
主人公たちが生きながらえる為に『あるもの』を踏みつけにした時の、足の裏の感覚まで
全てを思い起こさせる情景描写には、感動と同時におぞましさを体験させられました。
読後怖くてお風呂ひとりで入れなくて、遠方の家族に電話繋げてもらいながら入りました!泣泣
〜以下ネタバレ〜
2人が生きるために仕方がなかったし
主人公にとってさほど関わりのない、自分の恋敵な訳だから。踏みつけにする事にも抵抗はないよね……
刹那の夏は、許嫁はもちろんですが主人公も、ヒロインを手に入れんがため、性欲に取り憑かれていたんだなぁ、って。
許嫁が居なくなった今がチャンスだ、って気が急いちゃって「一緒に逃げよう」と言ったのかなぁ
これは私の好みの問題で。
人1人の命を奪ったのならば、何はどうあれ後悔して生きて欲しいタイプだったので。
逃げよう、君が悪いんじゃないと言うよりも。
一緒に背負おう。一緒に罪を償っていこうと、罪と向き合い、罰を受ける人が好きなんだなぁ、って再認識した作品。
読後モニョ……って顔を歪めてしまいました。
また全体的に後味悪いのに、リアルに想像できてしまうほど繊細で美しい光景や、世界の汚しさに風邪ひきそうでした……。
世界観は正直全く好きになれないけど、本当に綺麗な描写すぎるので、一旦星3に!
私、人怖系、無理なのかも〜!泣
Posted by ブクログ
表題作を含む五編を収録した短編集。
心に傷を負った人たちの感情描写と、ミステリの技巧が上手く融合されていると思います。
いずれの真相も現実の厳しさを痛感する非情なものでしたが、そこに残る痛みがいつの日か、希望に繋がることを願わずにはいられませんでした。
Posted by ブクログ
【収録作品】
「刹那の夏」 被災地で、宿の娘が見せてくれた彼女の伯父の日記から、ボランティアの二人が過去の罪を読み解く。
「魔法のエプロン」 児童虐待の話。
「千夜行」 叔母といとこの暮らす館で一夏を過ごすことになった高校生の少年・理水(マサミ)の話。
「わたしとわたしの妹」 新人教師の冬美は一年生の担任になり、宮田麻里亜の日記に不審を覚えて、家を訪ねる。
「地の涯て」 連続通り魔殺人が起きている北の果ての町での孤独な男女の交流。
どれも重い。いろいろと考えさせられてしまう。「千夜行」は人間関係がややこしくて、相関図がありがたい。「わたしとわたしの妹」は、そっちか~! という感じ。「地の涯て」は、「わたし」が何をやらかしたのかが気になる。もし、著者の別作品の後日譚だったら、教えてほしい。