あらすじ
似ているようでまったく違う、
新しい一日を懸命に生きるあなたへ。
『お探し物は図書室まで』『赤と青とエスキース』で本屋大賞2位。『月の立つ林で』『リカバリー・カバヒコ』『人魚が逃げた』で5年連続の本屋大賞ノミネートの著者、最高傑作。
長年勤めた病院を辞めた元看護師、売れないながらも夢を諦めきれない芸人、娘や妻との関係の変化に寂しさを抱える二輪自動車整備士、親から離れて早く自立したいと願う女子高生、仕事が順調になるにつれ家族とのバランスに悩むアクセサリー作家――。
つまずいてばかりの日常の中、それぞれが耳にしたのはタケトリ・オキナという男性のポッドキャスト『ツキない話』だった。
月に関する語りに心を寄せながら、彼ら自身も彼らの想いも満ち欠けを繰り返し、新しくてかけがえのない毎日を紡いでいく――。
最後に仕掛けられた驚きの事実と読後に気づく見えない繋がりが胸を打つ、心震える傑作小説。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
5つの短編が連作になっていて、登場人物が少しずつ関連しているのが面白い点。
帯に記載の『月の満ち欠けのように揺れ動く心と新しい自分へと踏み出す希望』が描かれていて、新年度に差し掛かる今まさにぴったり〜
最後2章は1時間で100Pのペースで読んだ。それくらい引き込まれる面白さ。
裏表紙のあらすじ的なものをまとめると、『月に関する語りを聴く中で、登場人物達の心も満ち欠けしながら毎日を紡いでいく』という感じ。
きゅんっとか感動とかミステリーとかとは違う。ハートウォーミングが近いかな?
Posted by ブクログ
短編で登場する人達が裏で繋がっている。縦軸にポッドキャストで話す青年。彼も繋がるひとり。思わず涙が出てしまうシーンがあって良かったです。
Posted by ブクログ
長年勤務していた病院を辞めた看護師、日の目を見ないお笑い芸人、突然一人娘に妊娠&結婚を告げられるバイク整備工場のオヤジ、家族友人誰にも心を開くことができない女子高生、アクセサリー作りに没頭するあまり夫との距離が徐々に離れていっている女性、
いずれも、人生土砂降りとまでは言いませんが、どよーんと曇り模様の人物が、月に関する話を毎日10分ほど配信されるポッドキャスト「ツキない話」を聞くことで、曇り模様の人生から一歩、良い?方向へ足を踏み出す話。
一話一話は独立していますが、例えば、一話の主人公が購入するアクセサリを四話の主人公が製造販売し、二話の主人公のSNSのフォロワーが四話の主人公で、三話のオヤジの家に宅配便運んでるのが二話の主人公で、さらには四話の女子高生がコケて壊したベスパ(スクーターとは書きたくない(笑))を三話のオヤジが修理したり、五話の主人公に病院紹介するのが一話の主人公であったり、みたいな感じで、各話の登場人物(主人公以外の登場人物も絡むよ)がそれぞれの話にちょこちょこ出てきたりと、知らず知らずに絡んでいます。
四話中に出てきた、竹林が根っこで全て繋がっているんだと教えてもらう件は、本作の登場人物の関係性を暗に示しているのかと思いました。
気になったのは2点
先にも書きましたが、登場人物が知らず知らずのうちに絡んでいるのは、良い(むしろこういうの大好き!!)んですが、距離的に近場で収まりすぎじゃない?と思いました。
せっかく全世界の人間が聞くことのできるポッドキャストというツールを使っているのですから、もっと広い世界の中で繋がる様だったら世界の広さも感じられよかったんじゃないのかな?
もう一つは、各話の登場人物が前向きに動き出すきっかけとなる月の話が、全て新月の話だったところはもうちょっと工夫が欲しかったかな?月には満月も三日月も半月もあるわけで、他の月の形にまつわる話で、各話の主人公が何かに気づき前向きになる・・・・って内容であった方が、話がより深くなったのでは?
それとも、作者さんが新月にこだわっているというか意図を持って新月の話ばかりにしていたというのであれば、月にまつわる話ではなく、新月にまつわる話のポッドキャストにしたらよかったのに・・・・なんてことを考えてしましました。
まあ、細かいことガチャガチャ書きましたが、そんなことは関係なしに、読み手の心がどよ~んとしているときに読むと癒しというかほっこりするのは間違いなしな作品。。
Posted by ブクログ
人と人との繋がりを知って前を向ける話はあるテーマをきっかけに己を見つめ直し、広い視野を持つことでするりとわだかまりが解けていくような柔らかさを持つお話でした。
読んでるとこんなインディーズ放送なポッドキャストに出会いたいなと思っちゃった。
世界観的にはあの章の人とあの章のこの人がここで交わるんだ!と読者をワクワクさせる登場の仕方を入れたお話は好きなので、お互い他人ではあるんだけど、俯瞰して全世界を見ている私は、この人はねそうなんだよ、素敵な人なんだよ…と後方腕組しながら大きく頷いていました。
とくに3章のポンの存在にはすごく感激してお父さんに混じってグッときてしまった。
思ったより人生って上手くいかないし、上手くいかないことをどうしようもない責められない状況とかに、やるせないよねーって自分を悲観するし、
ふんわりと周りのせいにしたりするんだけど、他人は意外と自分のことはどうでもいいと思うけど、
そうじゃなく、大切に思ってくれて本当に心配する人は、新月のように見えないけど心では温かく見守っているんだよ、
だから世界はそんなに悲観しないで目の前を生きたらいいんだよ、
そう伝えたいのかなと読んでいて思いました。
月とか天体とかそんな話はワクワクさせられるし、
新月という素敵な解釈もできる存在を知ることができて良かったです。