【感想・ネタバレ】経済の自虐主義を排す 日本の成長を妨げたい人たち(小学館101新書)のレビュー

あらすじ

経済にはびこる自虐主義者こそ真の敵だった!

国民経済の目的は「世を經(おさ)め民を濟(すく)う」ことである。そのために政府はあらゆることをせねばならない。やっと安倍政権が成長路線に大きく舵を切ったが、なぜかくも長い間、政府は本気でデフレ対策をせずに国民を苦しめ続けたのか。また政府にデフレ対策をしないよう提言してきた官僚、学者、評論家、経営者の何と多いことか。著者はこの状況を「実は経済にはまだまだ自虐史観がはびこっているのです」という。彼らは中国、韓国を実態以上に賞賛し、「コンクリートから人へ」「公的年金は必ず破綻する」「安倍路線では必ずハイパーインフレになる」「少子化、人口減少で日本はもう経済成長しない」などと事実も論理も無視して日本を貶め日本人から元気を奪おうとする。そして、決して経世済民に有効な対策を提示しない(できない)。もし彼らが本気で自説を信じるなら、日本から出て行った方が良いだろうに、日本にしがみつく。著者は「最近ハッキリわかったことは、経済にはびこる自虐主義者が私の真の敵である、ということです」と言い切る。この本は、国民に害を成す「経済の自虐主義」を明解に説明し、彼らを実名で徹底論破する快書である。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

三橋貴明氏が第二次安倍政権発足直後に著したアベノミクスを理解するために前提となる事柄を解説したもの。
本書で批判の的となっている白川前日銀総裁もすでにその職を辞しており、また、民主党政権から自民党政権に復帰後、これまでのところ円安(といっても、まだ十分に円高ではあるが)、株高をはじめとして経済指標は明らかに好転してきており、アベノミクスと称されたデフレ脱却策が徐々に功を奏し始めていると思われる。
一方で、本書を含め著者が「デフレ脱却前の消費増税は回避」「TPP参加は百害あって一利なし」という意味の主張を続けているが、それは現実的には著者の思いとは逆方向に進んでおり、著者がいうところの「デフレ促進策」が進められている。
これらの主張は著者が他の著書でも述べているとおり、本書内で展開される論も特に目新しいものはない。が、デフレ脱却のために何が必要なのかをよりわかりやすく解説している点は評価に値する。著者が一貫して公表されているデータを元に論理を展開し、胡散臭いが世の中では常識と考えられている考え方をざっくり切っていく様子は痛快ですらある。
アベノミクスのおかげでようやく明るい兆しを見せ始めている日本経済だが、まだまだそれが信用できないという自虐主義に陥っている人にこそ読んでもらい、目から鱗を落としてもらいたい一冊である。

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2013年12月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

経済の語源は「經世濟民」世を經めて(おさめて)、民を濟う(すくう)。金儲けではない。

 日本人には自虐が美徳という精神があるからなー。心の保険のために自らを低く持つことで、傷つかないようにしている。
 でも合成の誤謬っていうのがあって、ミクロで一人一人が傷つかないようなやり方をしていると、マクロで多大な損失を被ることになるのだ。


 実名を出して財政界人の経済論を一刀両断していく。こういう書き方は小気味いいね。暗殺されないように気を付けてください。

 2ちゃんねるとかでよく言われている「マスゴミ」とか「売国政治家」とかいう言葉への理論づけVer.というところでしょうか。

●国債暴落はしない。
●公共投資はするべき。バラマキこそやめるべき。
●新古典派経済学派は企業経営と国家経済を混同している。
●日本は貿易依存国ではない。だからグローバル化で貿易依存国になる必要はない。
●少子化でデフレ(不景気)が進むといわれるが、シンプルに考えれば生産力低下でインフレ化するはず。デフレになるのは政策が間違っているから。

 こんなことを言っているのでしょう。これらの内容について知りたい人は読めばいい。わかりやすく書いてある。論調は偏っているから高い評価はできないけど。
 ただ、普通の経済学新書って推論しか述べない(述べられない)から、断言が多いこの本は読後感がすっきりである。断言されて扇動されるのはよくないが、冷静に自分の頭で世の中を考えようという気持ちになる。


さて、
 現状日本はすでに貿易依存国で、これから貿易依存国になるという印象はなかった。貿易立国といえば聞こえはいいが、貿易拡大で国内生産力が骨抜きになってはおしまいだ。(これを実践した韓国は本当にお仕舞になりそうというのも三橋氏の持論)
 TPPとかには反対なんだろうけれど、このままでは国内の腐敗は逃れられないし、人材の活躍の場を国内に縛り付けずにおける施策は必要だと思うけどな。
 でも、たしかに政府には国内整備をもっと充実させてほしいと思う。

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2014年06月27日

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