【感想・ネタバレ】料理山海郷/料理珍味集のレビュー

あらすじ

江戸時代にはさまざまな料理本が出版されたが、本書は料理に味覚だけでなく、遊びの要素を盛り込んだ画期的なものだった。著者は京都東山在住の博望子。素性は不明だが東山には料理茶屋が軒を連ねていたこと、また記述の内容から、料理茶屋の主人か料理人と考えられている。日本各地の食材・調理法に通じていた著者は、それらを用いた自身の創作料理にその地の地名を冠した。いわく、桑名時雨蛤、伊勢豆腐、鳴門煮、越前沖膾、仙台冷物、熊谷でんがく、目黒淡雪、道明寺香物、長崎打鯛、若狭にしん鮓、酒田粥漬、因幡蟹びりじ、甲州打栗──。遊び心満点の江戸創作料理の世界を、ぜひご覧あれ。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

歳を重ねるごとに「読書にも体力は使うのだな」と感じ始めた今日この頃、たまには手に汗握る弩級ストーリーではなく、ただただ知識を己に流し込みたい時があるのです。少なくても、私には。
そんな時におすすめなものはレシピ本なのですが、こちらは江戸時代の料理がずらりと並びます。
その奇想天外さたるや!

今と通ずる食材や手法ではあるものの、驚きメニューが目白押しです。
大体、「貝でも魚でも鳥でもなんでもいいからみじん切り」とは、流石に味や食感が違いすぎる。
鯛の子籠のような名前(今手元にないのでうろ覚えです)でいながら、腹に詰め込まれるのは鮒。こいつぁどこの子よ! と脳内で鯛夫婦が大喧嘩。
「その他なんでもよい」は便利な言葉だなと思いながら、想像を膨らませるのもなかなかに楽しいです。

簡単なレシピ本のようなものですので、ひと項目二、三行ほどで、だらだらと文字を享受したい時、それでいて驚きもちょっとは欲しい時におすすめです。ひと休みのお供といったところでしょうか。

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2025年07月22日

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