あらすじ
現実も真実も崩れ去る最後で最恐の大傑作。200万円で、ゲームブックの原作を謎の企業「イプシロン・プロジェクト」に売却した上杉彰彦。その原作をもとにしたヴァーチャルリアリティ・システム『クライン2』の制作に関わることに。美少女・梨紗と、ゲーマーとして仮想現実の世界に入り込む。岡嶋二人の最終作かつ超名作。そのIT環境の先見性だけでも、刊行年1989年という事実に驚愕するはず。映画『トータル・リコール』の前に描かれた、恐るべきヴァーチャルワールド!(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
おそらく30年ぶりくらいの再読。前回は新潮文庫だった。内容はまったく覚えていない。サスペンスとしての盛り上げ方がうまい。ジェットコースターやお化け屋敷的な瞬発的な驚きや恐怖感ではなく、じわじわと噛み合っていない歯車が露呈してくる怖さ。ラストはやっぱりそうなるよなって展開だけれど、とても綺麗にまとまっていて美しい。
Posted by ブクログ
読み終えるまでは眠れませんでした。ゲームが主軸になるという設定に惹かれ、次々に起こる不可解な事件、段々と解明される事実に引き込まれます。その事実すらも最後は疑わしく、今生きる世界が現実なのか非現実なのかわからない恐ろしさが書かれていました。とてもいい作品でした。さらに初出年を知って驚きます笑
Posted by ブクログ
この作品は、傑作。ページをめくる手が止まらない。設定も、1989年に書かれたものとは思えない。『クラインの壺』のタイトル通り、現実とゲームの世界の境界が曖昧になる。ラストシーンは、現実か、ゲームの世界か。個人的には、百瀬の「コントロールできるうちに、逃げろ」というセリフが聞こえている(少なくとも上杉は声を認識している)ので、まだクラインの壺の中にいるのかもしれない。
Posted by ブクログ
今でいうVRを扱った王道SFミステリー。まだその存在が開発されていない時代に物語の要素として活用しているのがすごい。ラストの虚構と現実の区別がつかなくなる描写が怖かった。
Posted by ブクログ
設定は今も使われているような感じ(マトリックス?)だが、結果は「どっちが現実なんだ…?」と疑心暗鬼な感じで終わるまでが丁寧にかかれてる。