あらすじ
鬱屈(うっくつ)した日々を送っていた高校生・市ノ瀬利彦(いちのせ・としひこ)は、絵画を通し、学校のマドンナ・仲村真理(なかむら・まり)と親しくなる。彼女主演の映画を作り、文化祭で上映するべく、級友達と活動を始める利彦。真理という明るい太陽に照らされて、利彦の青春はようやく煌(きらめ)き出す…はずだった。'90年代、日本中の青少年の脳髄を揺さぶった、青春漫画の金字塔!!
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間違いなく傑作
私は大人になってからこの作品にであったが、もし高校生、いや中学生の時にこれを読んでいたら…
多分私の性格は今と少し、違った感じになっていたのではないだろうか。
最後のページを読んだ後のいいようのない虚脱感は一生忘れないだろう。
生と性、痛みの青春
少年の視点で綴られる、生々しくもどこか儚い青春の記録。
家族、恋、性、大人への憧れと絶望が、淡々とした日常の中で交錯する。
衝撃的な描写の中にあるリアルな感情が胸を締めつける。
出口のない閉塞感と、それでも進むしかない若さの衝動が痛いほど伝わってくる。
Posted by ブクログ
講談社BOXが創刊されて、第一回のマンガに選ばれた作品。
「ほほぅ〜講談社BOXもなかなかやるじゃないか。これを一回目にもって来るなんて。」
って思った人が何人もいるはず。(何様だ!?)
自意識過剰の主人公と天使のような存在のヒロイン。そして金春。
この渇いた青春の機微を描いた上巻と有害図書指定まで受けた波乱の下巻。
息苦しいと感じている若い人はぜひ読んで欲しい。名作です。
Posted by ブクログ
あらすじ
「オナニーより大切なものが生活に欲しかった」高校3年の市ノ瀬は,担任の美人教師の勧めもあり,絵を描くことにした。市ノ瀬は,「多くの男子にとって『同じ学校にいてくれてありがとう』と思わず,本気で感謝したくなる女のコ」仲村真理にスライディングをかましてしまう。真理がたまたま市ノ瀬が通うことにした画塾に通っていたこともあり,二人は会話を交わすようになる。そして,市ノ瀬は真理に惹かれていく。そんななか出戻りの姉と二人で暮らしていた家に金春おじ夫婦が転がり込んできて,市ノ瀬姉弟の生活をかき回すように。
第1話「小さな若者」から第17話「幸せに生きるヤツらとオレとの間にあるカベ」までを収録。
感想
私が10代のころに読んだマンガの中で,その衝撃的な内容で深く印象に残っている作品。
もっとも,ここで紹介する上巻は,金春が本性を表していないので,まだ穏やかに物語が進んでいく。そのため再読,再々読にもなるとまどろっこしさを感じてしまった。
第1話で絵を描くと決めた市ノ瀬だが,この上巻ではほとんど絵を描いていない。以前読んだときの印象としては,市ノ瀬にとって絵を描くことは重要なことであったような気がしたけれど,今回読んでみて必ずしもそうではないみたいだった。少なくとも「オナニーよりも大切なもの」になったとは思えない。