あらすじ
【社会の「呪い」を検証する】
ネットニュースやSNSで以下のようなメッセージを耳にしたことはないだろうか。
「日本はオワコン」「人生は幸せになるためにある」「やりたいことを仕事に」「資本主義ゲームや競争から降りよう」「この世は親ガチャで決まる運ゲー」
本書における“呪い”とは、このような気づかぬうちに私たちの思考と行動を縛り、時に重圧を与えてくる言葉を指す。しかし、全て“根拠のない思い込み”だとしたら、どうだろう。
人気サイエンスジャーナリスト・鈴木祐氏が、データ&エビデンスをもとに呪いの真偽を徹底検証! いま明かされる「あるべき論の偽り」とそれに踊らされる「人間心理のメカニズム」 。私たちは言葉とバイアスが作る“透明な牢獄”から抜け出せるか。
経済や幸福、働き方、遺伝と才能―現代人が信じ込んできた“正しさ”を、鈴木氏が鮮やかなまでに撃ち砕く。思い込みから脱し、真に自由になるための書がここに誕生。
<本書で検証する主な「呪い」>
・日本は、少子高齢化で未来がない
・人は幸せになるために生きている
・もう経済成長はいらない
・情熱を持って仕事に取り組め
・人生は遺伝で決まるetc.
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ここ数年読んだビジネス書の中でダントツでよかった。個人的に感じていた今の日本社会に蔓延する無力感、虚無感に対する対策と思考法をデータを元に提案され、すごくタメになった。
Posted by ブクログ
人間に思いこみというものがあるという前提で、さまざまな事象やデータを、自分で確かめ必要性を説いた内容でした。巻末にある「NFCテスト」は、遊び感覚で楽しめました。
Posted by ブクログ
世間で広く認知されている説(通説)について、本当にそれは正しいのかをデータや論文などを使って検証しています。(非常に多くの参考文献や注釈が明示されており、内容に信頼がおけると思いました。)
私自身、そうした通説については「本当なのかな」とか「自分はそうは思わない」と考えることもよくあるので、本書で提示される見解は、なるほど知らなかった、と納得させられるものや、我が意を得たりと思うものも多く、とても勉強になる内容でした。
特に記憶に残ったものは、「ひとり当たりGDPと人口規模」「苦痛のパラドックス」「好きなものより大事なものを重視する」「支える人と支えられる人の関係」「遺伝率には希望も絶望もない」の話。(遺伝率の定義についてはすぐには理解できませんでしたが、最近やたらとDNAという言葉が使われるのには違和感を持っていました。)
一方で、「呪い」という表現は、若干比喩が過剰な感じがしたのと、本の表紙のデザインが少々独特で内容とあまり合わない印象を持ちました。
ただ全般に非常に良い内容で、より多くの人に読んでもらいたいと思う本だと思います。(各分野の専門家と言われる人の反論も聞きたいところです。)
Posted by ブクログ
「呪う」はキャッチーなタイトルだが、実際の中身は「中庸のすゝめ」が合ってる気がする。
曖昧で複雑な世界を歩む実感を取り戻すことの大切さを教えてくれる。
Posted by ブクログ
本書が指す「呪い」は、「刷り込み」と同義。
巷間で言われる刷り込みを客観的事実から洗い直している。
読後感は「ファクトフルネス」に似ている。
効率性と創造性は等価交換だ。
Posted by ブクログ
鈴木祐氏の著書『社会は静かにあなたを呪う』を拝読し、非常に多くの学びを得ました。現代社会に蔓延する漠然とした不安や、それにどう向き合えばよいのかについて、科学的根拠に基づいた視点から考察されており、目から鱗が落ちる思いでした。
特に印象的だったのは、経済指標や社会の動向が意外な側面を持っているという指摘です。たとえば、短期的にはネガティブな情報に目を奪われがちですが、長期的に見れば社会は着実に良くなっているという視点は、悲観主義に陥りがちな現代人にとって、心の支えとなります。
また、「幸せになりたいと願う人ほど心を病む」という指摘は、幸福を追い求めることの難しさを教えてくれました。無理にポジティブでいるのではなく、ネガティブな感情ともうまく付き合っていくことの重要性を学びました。
本書は、社会や自分自身を多角的に捉え直し、心の呪縛から解放されるためのヒントを与えてくれる一冊だと感じました。
Posted by ブクログ
表紙で損してるとは思うけど、この著書…面白い!!
おまじないなどの呪うではなく…
本書で扱う呪いとは他者のメッセージが持つ強い影響力のこと。
①日本の未来に希望はない。
②幸せになるために生きよう。
③競争や成長から逃げよ。
④情熱を持って仕事せよ。
⑤人生は遺伝で決まる。
…本当にそうか?
著書では私たちが囚われやすい【呪い】の内実を検証し、そのメカニズムを解き明かした上で無益な呪い合いから距離を置く方法を考えていく。
憑き物落としが最終目的である。
人間の脳は特定の記憶する際に、次のような処理を行う。
短期的にはネガティブな情報をポジティブ情報よりも記憶に残す。
長期的にはポジティブな情報をネガティブな情報よりも記憶に残す。(生存確率=危険察知)を上げるためこのような戦略を取る。
まずは私の脳はネガティブな情報を過大に評価する性質があると認識するのが憑き物落としの第一歩。
後は実際に読まれてご判断くださいませ。
Posted by ブクログ
特に「呪いⅣ 情熱を持って仕事に取り組め」が良かった。自分は正にこの呪いにかかり悩んでいました。。今の仕事にはあまり熱量を持って取り組めておらず、組織の目標を達成するために何とかしよう…といった、この本で言うところの「必然派」に該当する人間です。ただ、この本では必然派は情熱派より長期的なパフォーマンスが高いといったことが語られており、ポジティブな面もあるのだと認識できました。仕事をしていくなかで、情熱が見つけられたらラッキーのスタンスで、目の前のことを地道にやっていこうと思います。
Posted by ブクログ
1 どんな本?
知らず知らずのうちに私達の行動を縛り、時に
重圧を与えてくる言葉を呪いと定義し、現在の日
本に蔓延している呪いとその対策を教えてくれる
本。呪いの回避は不可能であり、出来る事は影響
の軽減である事を示すのはこの本だけ。
2 何で読んだの?
(1) 鈴木祐の著作だから。
(2) 自分が何に呪われているか知りたい。
(3) 呪い対策できる状態
3 構 成
全5章242頁
あなたも私も誰もが呪われている〜から始まり
1章あなたの未来は終わっている
2章幸せになれなければ生きている意味がない。
3章競争から降りて皆貧しくなろう
4章情熱の無い人生はないに等しい
5章人生は生まれで決まり努力に意味は無い
〜物語を複雑にする事の大事さで終わる。
4 著者の問題提起
呪いに気付いてますか?
5 命題に至った理由
多くの論文から得た学術的知見から。
6 著者の解
「物語の複雑さ」を体験すること
7 重要な語句・文
(1) 絶望の呪いの多くは大袈裟か根拠が無い
(2) 他者との比較が幸福感を損ねる。
(3) 感情を堪能する。
(4) 価値観を明確化する。
(5) 人生の意味を求める。
(6) 他人より損せずに出来る事
(7) 日々に無駄を取り入れる
(8) 遺伝率とはある特性における集団内のばら
つきを示した数
(9) 物語の複雑さ
一つの事象に複数の原因を想起する事
8 感 想
抽象的な結論は記載されているので、具体的な
部分は自分で結論を出して行きたい。
刺さったのは遺伝率。私が行動してないだけ。
深く知りたい事は価値観や人生の目的の見つ
け方。まだ見つけてない。
人に勧めるなら他者との比較が幸福感を損ね
る事。比べても変わらなきゃ意味が無い。
冒頭の絵画が呪いの最たるものを感じさせた。
タイトル通りの侵食する見えない力を記述し
ているが、「呪い」以外の表現は無いかな?
9 TODO
(1) 価値観の洗い出し
(2) 人生の目的を仮でも決定
(3) 負の感情の時は身体感覚に意識を向ける。
10 問 い
幸福とは?
11 答 え
自分次第
Posted by ブクログ
表紙がちょっと怖いけれども。
世の中にはびこって、私たちの思考を支配する言説、
それを筆者は「呪い」と呼ぶ。
そんな呪いから解放されよう、と
様々な方向からエビデンスを提示して
聞き覚えのあるキャッチコピーたちを論破していく。
こんなふうに、自ら呪いを解けたなら
怖いものはないだろうなと思わせてくれる、
クリティカルシンキングの教科書。
好きな本。