【感想・ネタバレ】砂漠の塩のレビュー

あらすじ

夫を日本に残し参加したヨーロッパツアー。最初の目的地パリで一行と別れた野木泰子は、一人カイロへと向う。そこには、出張先の香港(ホンコン)から会社に辞表を出した谷口真吉が、彼女を待っているはずだった。――妻を捨てた男と夫を裏切った女と、そして妻を求めてその跡を追う夫。不毛の愛を埋めるために砂漠の果てをめざす彼らに、贖罪はあるだろうか。神なき荒野の神なき愛を描く長編。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

今まで読んだことのある清張の中では異色のストーリーだった。ミステリー要素は少なく、太宰とかが書きそうな、不倫+情死の話。そして、それを追いかける夫。中東のロードムービー的なところも多く、清張にありがちな知識のひけらかし(=無駄が多い)が垣間見れたので、若干めんどくさかったけど、真吉が死んじゃうんじゃないか、保雄が見つけちゃうんじゃないか、とハラハラした。あと、カイロとかアンマンとか、砂漠とか、大好きな中東が舞台になっているだけに、知ってるわかる、と共感できた。
ラストシーンは、ちょっと悲しかったな。そういうオチ⁈っていう残念感。

0
2013年04月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

情死の話。

本当にはた迷惑な情死だ。
誰にも死体を見られず死にたい、という願望は、自分たちのことしか考えていない。捜索する人々や家族のことも全く考えていない。
芥川龍之介が何度も心中に失敗して最後に成功する、などは知っているが、やっぱり今の時流にあわないと言うか、心中というものがいまいち理解できない。
今は不倫も離婚も当たり前だから。
サスペンスとして描いてあって、心中に至る泰子の心の機微などがもう少し共感できれば楽しめたかな。
後半の真吉が生死をさまようあたりから、ぐっと読ませる筆力は感じた。そこまでがすこしたるい。
いずれにしても、とっとと離婚して再婚すればすむ話。
禁断の愛という二人の世界に酔っているとしか思えない。

0
2013年08月19日

「小説」ランキング