あらすじ
定年近い公務員の省三が、ある日家に帰ると、玄関ドアの鍵穴はどこにもなかった。妻を亡くし息子も娘も家を出て、家に入れない。省三は外泊を続け、今や住む人のない鎌倉の伯父の家に滞在する。懐かしいものに囲まれながら思い出すのは、父と伯父がかわす教養を根本に置いた会話、母や伯母のことなど、かつてそこにあった幸せな光景。すべては失われ堕落した末裔であると自覚した省三は、自らの系譜に思いを巡らせ、行動を起こす。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
家の鍵穴がなくなるなんて、あり得なそうもないのに、読んでいるうちに「アリかも」な気分。
なんとも果てしなく寂しい中年男、と思ったが、最後はそうでもない感じ。
Posted by ブクログ
不器用な中年男性が、再び自分を、家族を取り戻す物語。いや、これから取り戻すぞ、というところで終わるお話。
はじめからおわりまで不思議な話だ。好きだ。