あらすじ
付き合っていた彼女に振られた社会人一年生、どこにも居場所がないいじめられっ子、いつも謝ってばかりの頼りない上司……。でも、いま見えていることだけが世界の全てじゃない。知らないうちに誰かを助けていたり、誰かに助けられたり。残業中のオフィスで、事故現場で、フェス会場で、奇跡は起きる。優しさと驚きに満ちた現代版おとぎ話。
※この作品は二〇二二年四月小社より刊行されたものに、「オハラ☆ブレイクʼ22秋」で配布された小冊子「猪苗代湖でまた会う話」を加えたものです。
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
目の前で起きる不思議なできごとを、自然と受け入れる登場人物たち。そして物語が交錯していく。
僕も自分が興味を駆り立てられることや、偶然などを思い切って受け入れていくことで、「奇跡が起きる」とか「人生が好転する」とか、そんな物語が始まるのかもしれない、と少し暖かい気持ちになれました!
Posted by ブクログ
小さな奇跡の積み重ねの本
短く読みやすかった。場面が1ページごとぐらいに代わっていくので、自分としては次々とくる展開に面白くすぐ読めた。また、不快感もほとんどないため3時のおやつ的な感覚で読める。
今回は主人公に感情移入して読めた。特にこれといったことがなく、周りで何かが起こる。こういうところが自分と重ね合わせてしまった。
作中所々にでてくる歌は、なんとなく日本のブルーハーツとかの雰囲気を感じた。全部がおんなじ人の歌詞な感じがする。何重層にもなっている世界がファンタジーとして面白かったが、踏まれることがないのかはふと考えてしまった。天野さんのお父さんは結局幽霊としているのかそれともまた違う層の世界にいるのか疑問ですね。
最後の伏線回収とミスリード、タイトル回収は、流石伊坂さんと言わざるを得ない。
読み終わった時、自分にも小さな奇跡が起こったので驚いた。