【感想・ネタバレ】マルクス・アウレリウス「自省録」のレビュー

あらすじ

2世紀後半ローマ皇帝となったマルクス・アウレリウスはまたストア派の哲学者でもあった。万有は神的理性(ロゴス)に統率されるという合理的存在論に与する精神構造を持つ一方で、文章全体に漂う硬質の無常観はどこから来るのか。自身の心に向かって思念し、心内の軋み・分裂・矛盾をごまかすことなく真摯に生きた哲人皇帝の魂の声。碩学による待望の新訳。(講談社学術文庫)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ローマ皇帝でありながら、生涯を通じて哲学的思索を探求し続けたマルクス・アウレリウスの書。
彼の生きた時代はストア哲学が大いに流行った時代でもあったそうなので、彼の思想的スタンスもストア哲学そのものです。

あとがきにもありますが、彼が皇帝を務めた時代もローマ帝国は動乱の中にあって、彼自身も外敵との戦いのために幾度となく遠征に赴き、そして最後はその陣中で没しています。
そのような多忙を極める公務の中にあって、体系だった研究はさすがに無理な話。そのため本書は彼が公務の合間に思索したり、ふと思いついたことを書き綴った内容が中心になります。
個人的にはそのようなスタイルでまとめられた本書は非常に読みやすいし、親しみがわきました。

本書を読み、全体を通じて感じたテーマは「この束の間の生をいかに生きるか」ということ。
戦争多き時代にあって、彼がいかに「生」についてシリアスに考えていたかがわかります。

「あたかも1万年も生きるかのように行動するな。不可避なもの(「死」のことでしょう)が君の上にかかっている。生きているうちに、許されている間に、善き人たれ。」

「今後なんなりと君を悲しみに誘うことがあったなら、次の心情をよりどころとするのを忘れるな。曰く『これは不運ではない。しかしこれを気高く耐え忍ぶことは幸運である』。」

ふと思いついたときに手に取って思い思いの箇所を読み直す。そして昨日より少し背筋を正して生活する。そんな風に読み続けたい一冊だと思いました。

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2024年02月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「テルマエ・ロマエ」にも出てくるマルクス・アウレリウスの本だから、という甚だ不純な動機で読んでみましたが、まー難解。久々に、高校1年の時に受けた哲学の授業を思い出した。そういや、当時も何を言ってんだか全然わからんかったなー。

でも、全12巻(普通の本でいう「章」みたいなもの)のうち、最初の第1巻はとても分かりやすく、ストンと腑に落ちました。

思うに、この手の哲学書は一回ぐらいの通読で理解しようということ自体が間違いなんでしょう。しばらくは手元に置いて、折を見て適当に読み返してみようと思います。

それぞれの巻がほぼ独立してるので、どこから読み始めても支障がないのは好い所だと思われます。

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2012年05月08日

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