【感想・ネタバレ】酒亭DARKNESSのレビュー

あらすじ

話、聞いてもらえます?

全国各地の酒場の片隅でふと語られる、ちょっと不思議で不穏な話。
酒を片手にした謎解きの果てに見えてくるものとは──

・老舗の居酒屋を譲られた三代目が、
二代目から提示された奇妙な条件とは?(「跡継ぎの条件」)

・オカルト方面の才能がまったくないい男が、
ある飲み屋街で受けた「お告げ」。(「夜のお告げ」)

・「鈴が鳴ったら、風を除けろ」。
ユタ家系の親戚に渡された鈴が、ある朝、鳴った。(「風を除ける」)

・フェーン現象が起きる時には、
戸を開けちゃいけないと祖母が言う。「入ってくるから」(「曇天の店」)

著者が全国の居酒屋からインスパイアされた「居酒屋ホラー」13編+α!
あらゆるタイプの「怖さ」をお楽しみください。

※本作に収録されている13編+αのうち、「跡継ぎの条件」「昭和94年の横丁」「曇天の店」は、それぞれ2019年に電子書籍として配信した短編「跡継ぎの条件」「昭和94年の横丁」「曇天の店」と同じ作品です。ご了承のほど、お願いいたします。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

 今年は『珈琲怪談』という恩田陸さんのホラー作品を読んだが、本作も恩田陸さんによるホラー作品だそうである。今回、全13編の舞台は居酒屋。あとがきによると、いずれも実際の店がモデルだそうだが、さすがに店名は明記されていない。

 「跡継ぎの条件」。小さな繁盛店で、カウンターの1席だけ空いている理由とは? 次の跡継ぎは見つかるか。「夜のお告げ」。横浜某所にあるその建物は見たことがあるが、立ち入る度胸はない。恩田流のひねりと料理法が光る。

 「昭和94年の横丁」。今年は昭和100年に当たるそう。ホラーというより幻想譚か。「風を除ける」。舞台が沖縄料理店かどうかより、現実に発生した悲劇をネタにするとは。自分もそれを持ちたいような、持ちたくないような。

 「黒の欠片」。その名城に行ったことはあるが? 「曇天の店」。毎年、猛暑とセットで聞く言葉、フェーン現象。その真の正体とは? 「三味線の音」。内容よりも、恩田さん同様に、川に関するある事実の方が衝撃でした。

 「笑うカピタン」。徳川幕府の長い鎖国政策下、あまり語られない歴史があった。「歌うカステラ」。本作中唯一、食べたくなる話か。失礼。「祖父の墓」。舞台は修学旅行のメッカである超有名スポット。なるほど、祖父の墓である。

 「白の迷路」。世界遺産であるその場所だから、ふと気づいたのだろうか。「アトランダムな神々」。ここが恋人の聖地扱いされているのは、いかがなものかと、自分も思う。「空飛ぶ梅」。最後に現代的かつ笑えないネタを持ってきたな。

 ここまで本編13編。正直、ホラーとは言い難い話が多い。恩田さん曰く口直しとして、横書きで巻末から読む「ムーン・リヴァー」が収録されているが、本編13編と区別しなくてもよかったような。いずれも「らしい」作品には違いない。

 そもそも、『孤独のグルメ』のホラー版をやりましょうと、編集者から提案されたらしいが、美味しそうなシーンは少なかった。

0
2025年11月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「跡継ぎの条件」「夜のお告げ」「昭和94年の横丁」
「風を除ける」「黒の欠片」「曇天の店」「三味線の音」
「笑うカピタン」「歌うカステラ」「祖父の墓」
「白の迷宮」「アトランダムな神々」「空飛ぶ梅」
「特別編ムーン・リバー」

恩田陸さんらしい良いホラー。そんなに怖くないと油断していたら「風を除ける」で鳥肌が…。

0
2025年09月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

居酒屋ベースのホラーテイスト短編集。

13+1編収録。
あとがきにあるように「孤独のグルメのホラー版」とのことですが、著者が訪ねた土地土地の雰囲気とそこで着想した疑念や妄想が、まとまりなく描かれている感じで嫌いではないです。
このような掌編から長編が生まれるかもしれないので楽しみです。

0
2025年09月21日

「小説」ランキング