【感想・ネタバレ】いただきます。 人生が変わる「守衛室の師匠」の教えのレビュー

あらすじ

タイトルの意味がわかったとき、あなたの人生は大きく動く。

Audible人気作品ランキング第1位(2025/3/1~2025/3/31) 獲得! 泣けると大反響の小説が待望の書籍化!
喜多川泰・作家デビュー20周年の集大成となる最新作

【あらすじ】
高校を卒業後、楽に稼ぎ、好きなことをして遊んでいたいとバイトを転々とする日々を送っていた19歳の翔馬。
楽に稼げると聞いて飛び込んだ警備員バイトの仕事先は、まさかの大学の守衛室。
自分と年齢の変わらない学生たちに見られながら、老人と一緒に働くなんて……。
「遊ぶ金がたまったらとっとと辞めてやる」と後悔し始める翔馬。

しかし、一緒に働く松原、薮島、天野の過去を知り、翔馬の世界の見方は変わっていく。
仕事とは何か、人生とはなにか、生命のつながり……
3人が自分の生きざまを通して教えてくれたのは、「未来の誰かの笑顔のために行動する」ということだった。
なぜなら、自分たちは皆、誰かの何かを「いただいて」生きているのだから。

守衛室で出会った人生の大先輩たちが押してくれた背中。
未来に向けて翔馬が決意したこととは?

(本文抜粋)
自分は「未来の誰かの幸せのために働こう」なんて思ったことはなかった。
ずっと考えていたのは
「今の自分のお金のために」だ。
そのことに気づいた。
結果として、自分は幸せだなんて思ったことは一度もなかった。
いつだって何もかも思うようにいかなかったし、今の自分の状況を恨みこそすれ、感謝するなんて考えもしなかったのだ。
でも、天野の話に心が震えて仕方がないのはどうしてなのか。
認めたくないが自分が感動しているのがわかる。心の奥底で自分の魂が共鳴しているのが自分でもわかる。本当は自分もそういう男になりたいのだ。
(中略)
「俺も、そうなれますかね。天野さんや松原さんみたいに」
「え?」
「未来の誰かの笑顔のために、俺にできることってあるんすかね?」
天野は微笑んだ。
「もうやってるじゃない」

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

「いただきます」
どういう物語か分からないまま
出会った本として読み始めました

食事ができるまで、たくさんの恩恵を受け
自分の前にある
天候、物の生きる力、人の力やかけた時間…
それらを命の時間をもらっている
その思いを感じ受け取れたとき…
「いただきます」と言える

食べる前の挨拶でしか
認識していなかった言葉だった

私のために…
仕事を教えてもらえた時間
ランチを一緒に食べてもらえた時間
相談を聞いてもらえた時間
体調悪くて寝込んだ時に
温かい卵がゆを作ってもらえた時間
勤務調整を休む時間を確保するのに
動いてもらえた時間
顔を合わせた時に声をかけてくれた
気づかいの気持ち

これ以上、何を求める?
ここまで書いて安心を受け取り
いただいて生きてきたこと感じとれる

敬意をもって
自分のできることで役に立てることで
社会の繋がりで居続ける生き方を
私もして生きたいと思える作品でした

喜多川先生
編集者さん
出版社さん
本の表紙を作ってくれたデザイナーさん
印刷屋さん
紙、インクを作ってくれた方
自然の恵みで育った木々

本として私のところまで来てもらい
ありがとうございます
読み終わった後だけど言わせて下さい

いただきます

0
2025年11月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

仕事観や人生観を考えさせてくれる素敵な一冊。

若くして片親を亡くした主人公に重なる境遇が自分にもあって、同じように考えていたなと強く共感する部分が多々ありました。

20年以上前に亡くなった愛するあの人、今も私の中に生きていてくれると思うと今日の世界がまた違って見えますね。

喜多川先生の本はとても読みやすく、子どもから大人まで親しめて学べることも多い作品ばかりです。

もちろん、今作もとてもおすすめです。

0
2025年10月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

初めは劣等感の塊だった翔馬。新たな出会いを重ねるごとに少しずつ変化する価値観・心。たぶん翔馬に自分を重ねたことで、まるで自分の物語(こんな物語の主人公になりたいという願望)のように読むことができました。

自分の出会いに自信を持っていい。
きっと目標を持って行動していれば、自然と同じ志を持った人・仲間に巡り会えるってことなんだと思います。

自分の得意なことや好きなことを見つけることも大切だけど、今やっている仕事をとことん突き詰めてみる。それでしか見えない世界や出会いもあるんだろうと思えました。

「誰かのために」
やっぱり「くれくれ」のTAKERじゃなく、GIVERであることが、良縁につながるんだなと、改めて実感しました。

0
2025年09月20日

「小説」ランキング