【感想・ネタバレ】幽霊の脳科学のレビュー

あらすじ

幽霊を見るのには、科学的な理由があった!

脳神経内科医の著者のもとには時に「幽霊を見た」と訴える患者さんが訪れる。認知症やパーキンソン病による幻覚である。近年の研究によりそうした症状は「睡眠」と深く関わっていることが明らかになりつつあり、最新の診断基準に基づき古今東西の怪談や幽霊譚を分析すると、それらはまったく別の顔を見せ始める! 「タクシーから消える髪の長い女の乗客」は高速道路催眠現象? 「神隠し」はてんかんによる記憶障害? なぜ「夏の夜」によく出るのか? それは決して非科学的な存在ではない──。

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Posted by ブクログ

怖い話が好きなのでわりとたくさん読んできて、遠野物語はもちろん大好きだし本書に出てくる遠藤周作の旅館でのエピソードなどもとても怖くて印象に残っていた。科学的に説明がつかないと思っていたこれらの怪談話が脳科学で説明されてしまうことが衝撃的だった!
そう言えば先日読んだ「エクソシストは語る」の著者も、現代の科学では説明できない悪魔憑きもいずれ科学的に説明できる日が来るかも知れない、と書いていた。
解明されてほしいような、ほしくないような。

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2025年12月12日

Posted by ブクログ

怪談や恐怖体験を「非科学的だ!」と突っぱねずに、一つの研究対象としている著者の姿勢が素晴らしい。
内容も「幽霊は存在して欲しい派」の人間としてはかなり興味深いもので、こういう科学的に解明されていって、され尽くした先の数%に少しの期待を抱いているので、脳科学に限らず、多方面から幽霊や怪異を科学的に分解していって欲しいと思う。

余談だが、こういう新書とかに書かれている著者の「ちなみに〜」は高確率でオモシロうんちく率が高い気がする。

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2025年12月09日

Posted by ブクログ

 幽霊を見たというエピソードが取り上げられているのだが、それが「症例1」「症例2」とかになってて面白い。幽霊エピソードの7、8割は脳科学で説明がつくらしい。
 私は幽霊は信じていない。以前、この世の全てのものは分子、原子、最終的には素粒子でできているわけだけど、では幽霊がいるとしたら何でできているのか、というのを聞いて、うん確かに幽霊はいない!と思った(ダークマターとかダークエネルギーでもない、はず)。
 でも夜中に怖いことはあるね。

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2025年11月19日

Posted by ブクログ

怪談話や霊現象の逸話などを広く渉猟していて、サブカルチャー的な興趣を満たしつつも、脳科学の専門家の知見も適宜挿入されている。
ハラリのサピエンス全史で述べられた認知革命のくだりが、高次機能障害の道具使用の事例を通して如実に実感できたり。

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2025年11月08日

Posted by ブクログ

ほぼ初めて新書というジャンル(?)を読んだ。
専門的なブログみたいで面白い!
論文ほど堅苦しくなく、知識ゼロでも補足しながら読めるように表や写真も載せてくれていて、わからなくてつまらないということはなかった。

なぜ幽霊は夏に出るか、恐怖を感じる幽霊と温かみを感じる怪奇現象は何が違うのか、タクシーに乗ると消えてしまうオバケの正体は、など、日本人なら誰もが一度は触れたことのある怪談話を脳科学の視点から解明していく。
民俗学や考古学の話もちらっと出てきたりして、知的好奇心が満たされる一冊!

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2025年09月30日

Posted by ブクログ

「幽霊はいるのか?いないのか?」
幽霊を見たという患者さんを診察した脳神経内科医が著者。

幽霊譚や、怪談集など、たくさんの症例を読むだけでも興味深かった。

ナルコレプシー、パーキンソン病、認知症、統合失調症などは、幻覚を見やすいと知った。
一般の人も、疲労や寝不足などが原因で幻覚を見て、幽霊と思ったり、金縛りになったりすることがある。

「怪談の3分の2は神経学的に説明できる」は、
この本を読んで、多いに納得した。
でも、残りの3分の1は、やはり、本当に幽霊がいるのだろう。
世の中には科学では解明されない謎がたくさんあると思う。

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2025年09月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

幽霊という非科学的な現象を科学的に分析し、人類最後のフロンティアとも言える脳の不思議を探る野心的な内容。
個人的には、古くから伝わる神隠し現象の正体が、一過性全健忘症、あるいは一過性てんかん性健忘症ではないかとの考察は舌を巻きました。脳って不思議。。。

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2025年08月30日

Posted by ブクログ

幽霊譚を人間の意識や睡眠に関する障害による体験として説明する。
幽霊は人間の高度な認知能力の副産物のようなもので、すべては人間の脳が生み出したいわば自分の一部なのかもしれない。思えば、人間は怖い怖いと言いながら、いつの時代も幽霊譚を執着や愛着を持って語ってきた。ずいぶんと古い友である。

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2025年12月13日

Posted by ブクログ

非科学否定本でもなく、エセ科学本でもなく、科学と文化の融合的に幽霊を捉えていこうという結末に「そうだな」と穏やかな気持ちにさせられた。誰かを否定したり不快にさせたりするのではないところに学問や研究は使われるべきで、「お前は(その考え方は)非科学的だ」「お前は病気だ」ということをしたいのではない。そこにきちんと共感できるようにありたいし、多くの人にあって欲しい。

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2025年11月30日

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脳神経内科医らしく、幽霊の経験談をパターンに分けて、どういう病が関係しているかを解いてくれる。
幽霊の正体見たり枯れ尾花という通り、勘違いも多いはずだし、この本のような病が確かに影響しているのだろう。ただ、写真にはっきり写ったり、多数が目撃したものはどうなんだろう。

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2025年11月16日

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幽霊を見たという体験は、神経学的に説明できる場合もあることがわかります。著者は全てが神経学で説明できるとは言ってはおらず、人間の脳を調べれば調べるほど謎は生まれてくるものなので、ゴーストバスターズにはなれないし、なるつもりもないようです。
人類の進化の過程で、いつから幻覚を見るようになったのかという考察もあり、興味深く拝見しました。幽霊を見やすい年齢とか、見やすい環境(寝入り端、レム睡眠)とか、なるほどなと思える解説があります。
脳神経科の先生が著者の書籍です。

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2025年11月16日

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ネタバレ

幽霊を見る、金縛りなどの心霊体験を脳科学の分野で解釈できないかと試みた一冊。
要はそれは夢だ幻視だと解釈してしまう話ではあるのだが、それがどういう脳疾患によって起こるのかというのを、医学に明るくなくても読めるように分かりやすく噛み砕いてくれている。
それでいて、その解釈を押し付けてくる書き方をしてはいないので、そういう意味でも読みやすい。
「脳科学で説明するならこうなるだろう」という提案なので。
また、例え脳に疾患がなくても極度のストレスや深酒、睡眠不足でも起こりうるのだとなると、霊感がないと思っている自分でも体験しうるのだと説得力もあった。

それでも科学的に解釈可能なのは、遠野物語の話を例にすると2/3らしく不思議な話は残るとのこと。
今の科学も決して万能ではないのだ。
この点からも、この本が心霊体験全てを否定しているわけではないことの証左になるだろう。

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2025年11月02日

Posted by ブクログ

幽霊を見たという現象を脳科学的に分析し、それを解説している本
決して幽霊なんていねーよ、などというスタンスではなくこういった脳の事象や病気などからこういったものを見たり、体感したりしますよというもの
私自身も体験したことが書かれており、怖がりなので非常に安心したのであった…
どうやら人ならざるものが見える人がいるというのは一体なぜ?というのをまじめに解説してくれる知的好奇心を満たす1冊

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2025年10月27日

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夏の夜に現れる幽霊、タクシー幽霊、ろくろ首…古来から現代まで語り継がれる怪談・幽霊の発生要因を脳科学視点で解説する。多くは睡眠との関連がある事が分かる。マジックの種明かしを見るような感覚だ。同じアプローチの中村希明『怪談の科学』や駒ヶ嶺朋子『怪談に学ぶ脳神経内科』も併読するとより深く楽しめる。

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2025年10月11日

Posted by ブクログ

怪談とかホラーってエンタメとして好き
でも脳化学で説明できるらしい
そういえば私もおばけを見たり感じたりしたときって寝てる時とか夜勤のときが多かった
寝ぼけてたのかな

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2025年09月29日

Posted by ブクログ

面白かった。

怪談、幽霊を見たという話の6〜7割は脳科学で証明できるという。残りの2.3割はなんなんだと気になるけど!笑

怖い話に対して神経、心理学の角度からメスを入れるという。

たしかに自分も疲労が溜まっていた時のバイト先で経験した金縛りもそうだった。

精神的ストレスがあることで、「観てしまったもの」がより一層に恐怖として解釈されるのだろう。また、ホモサピエンスとしての脳の変化、進化の言及も面白い

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2025年09月12日

Posted by ブクログ

脳の障害について色々知れてよかった。
寝てる間にこんなに動き回ったりしちゃうのかとか、記憶がごそっと抜けることってあるんだなとか。
結局十分な睡眠をとって、ストレスを溜め込まないことが一番幽霊を遠ざけられる方法なのかもしれない。
頻繁に幽霊をみる人や不思議な体験をする人は病気が隠れている可能性もあるわけだから、一度ちゃんと検査したほうがいいんだろうなぁ。

幻覚をみさせて信者にさせるような宗教も世の中にはあるわけで、やはりこういった分野の研究が進むことは大事だと思った。

それでも全ての幽霊が脳科学で説明できるとは書いていなかったところや、脳科学者はゴーストバスターではなく幽霊と脳機能をつなぐ仲人なのかもと書かれていたのが印象的だった。

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2025年08月26日

Posted by ブクログ

怖い体験談を、脳科学的な仮説で説明していく。おもしろい。こういう知識を持ちつつ、怖い話を楽しむ余裕を持ちたい。
自分のコントロールの範囲を超えた怪奇や不思議な世界の話は、なんだか遥々として、また敬虔な気持ちになるのだ。

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2025年08月17日

Posted by ブクログ

脳神経内科医の著者が、様々な怪談を引用しつつ、幽霊を見る・心霊体験をすることのメカニズムを解説する。

おもしろかったー!
しかし、メカニズムや疾患が理解できていても、それを見たり体験した時の怖さが薄らぐということはないよね。
「今私はこういう環境にいて、こういう状況にあるから、この幽霊体験をしているメカニズムはコレ!ということは、こうすれば解除!よし、おっけー!おやすみっ」とは出来ない気がする。

それから、「こういう感じのこの体験っていうことは、私はもしかするとこの疾患を有しているのか?」ともならないだろうな。
ただもお怖くて怖くてってなりそう。

そして、こうしてどんどん突き詰めて行って、「どの項目にも当てはまらないケース」が出てきた場合、ガチじゃんってなってしまうのが逃げ場がなくて最悪・・・!

幽霊のシーズンはなぜ夏なのか、ホモサピエンス意外の人類、ネアンデルタール人も幽霊は見たのかも興味深かった。

引用されている怪談が薄気味悪いものが割とあって、早く解説を読んで医学的タネあかしを!という気になって読書が捗った。が、引用されている怪談が怖いので夜は読まないようにしていたため、特に早く読み終わった感はなかった。
(・・・何言ってんだろう私・・・)

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2025年08月16日

Posted by ブクログ

私は自分で幽霊が見える人だと思っていた。
でも、それは脳の何らかの障害だと言うのならば、病院に行った方がいいかもしれない。
でもやはり、何物でも証明できないって事もある気がするなー。
科学的に証明されてしまうと面白くない!
私は哲学の方が好きだ!
なんて言ったら、元も子もないのだけど!笑

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2025年11月16日

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昔から幽霊の話が好きなので、怪談や民話・伝説など、たくさん読んできました。もちろん、ホラー小説も大好きです。そんな私が出会った本が、これ。気にならないわけがない。
著者は脳神経内科のお医者さんなので、きわめてまっとうな脳科学の本です。「幽霊が見える」という体験について、脳科学(脳神経内科)の方面から解説を試みた、おそらく本邦初の科学読み物と言えるでしょう。
「幽霊を見た」という「証言」に関しては、皆さんご存じ小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の「怪談」は言うに及ばず、水木しげる先生の体験談、柳田邦男の「遠野物語」、山の怪異を聞き書きした「山怪」から落語まで、東西様々な「事例」を、実際に著者が診察した患者さんの症例などと照らし合わせながら、大きく四つのパターンに分類しています。
お医者さんの書かれた本ですが、けっして堅苦しくなく、すらすらと読みやすい本でした。人類はいつから幽霊を見るようになったのか、という疑問も、お医者さんならではだな、と思いました。
私自身は、幽霊は「見た」経験はほとんどなく、あり得ない時間帯にありえない場所から声を聴いた、という経験などがあるくらいで、あとは、本書に出てくる金縛りの経験くらいでしょうか。金縛りは、昼寝をしているときによく合ったので、あれは「夢」だったのだろう、と考えていますし、本書を読んで納得しました。
私はかねがね「幽霊を見る」という行為は、「霊が見える」というというより、脳が見せている映像だと思っていたので、裏付けが取れた感じです。最も、それだけで説明が付かないことも山のようにあることは承知しているので、そっちの方が面白いし、大好きなのはいうまでもありません。ただ、人間の脳の働きについては、まだまだ未知の世界が広がっている、幽霊からもアプローチができる、そんな示唆をしてくれている本でした。

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2025年11月15日

Posted by ブクログ

だいたい脳と精神の病で説明がつく。深夜のドライブの怪異譚が多いのは運転による催眠効果が故という話も面白い。
そして、すべてがそういった理由ではなく、100%否定は出来ない現象もあるのだろるという態度が科学的で好ましい。

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2025年10月30日

Posted by ブクログ

怪談は怪談のままで怖がっていれば良いじゃんって思ってしまう自分もいるけど、まあこういう趣向もアリなのかな。結構興味深く読めたんだけど、本筋とは少し離れたところでの気づき。金縛りって、よく言われるように”脳だけ起きて体が起きていない状態”って単純に、当たり前のように理解していたんだけど、実際に調べてみると、傍目にはただ寝ているだけに見えるんですね⁉てっきり開眼するものだと思っていたし、実は金縛り自体、超現実的な夢だったと知り、結構ビックリ。

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2025年10月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「今の時代、私たち脳科学者は「ゴーストバスター(Ghost Buster「幽霊駆逐人」)」ではなくて、幽霊と高度な脳機能をつなぐ「Matching Maker(仲人)」なのかもしれません。」

 と、筆者がエピローグで記す。要は、古来から言われる、幽霊の正体見たり枯れ尾花、を脳科学の知見を基に解き明かした明解な一冊。

 8月末、まだ暑い頃の日経新聞で書評を見たのがきっかけ。
 暑い季節、「夏」というのも、怪談、幽霊話の必要条件であるという話も展開される。要は、夏って寝苦しいでしょ、睡眠障害も起きやすいよね、という話だ(それだけではないのだけどね)。

 今年は、自身の健康管理のため、ウェラブル健康ウォッチを導入して、睡眠の質改善に取り組んでいることもあり、幽霊、幻覚を見ないで済むように、しっかり質の良い睡眠をこころがけたいと、そのモチベーションにもなった。

 人類が獲得した高次脳機能の話も出てきて、ユヴァル・ノア・ハラリの言う「認知革命」にまで話が及び、なかなか面白かった。
 理屈で分かっても、それでも怪談話は、この先もなくならないのだろうなと思う。あることを教える、教訓として後世に残す。そんな役割を物語は有しているからね。それ故の、高次脳機能なんだな。

 サクッと、2時間未満で読めてしまうお手軽さも良き。

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2025年10月14日

Posted by ブクログ

面白かったです。
怖い幽霊譚も睡眠障害や神経疾患による幻覚(幻視)で説明がつくという。
夏の夜に幽霊が出やすい理由の説明もとても納得。
脳神経内科医の著者が検討しているため、信頼できる!

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2025年09月15日

Posted by ブクログ

2025-08-29
霊現象のと言うか怪談の7割は幻覚として解釈できる、と言う本。その幻覚の種類を系統立てて整理してある。
科学者(医師)らしく、わかることだけ記述し、わからないことは敢えて触れていない。残りの3割については、今後解明(暗に幻覚として理解できる)と匂わせているだけ。
それをどう思うかは、読む人次第。
興味深いのは、その幻覚が単なるバグなのか、何か他の要因で進化したものなのか。ま、それはこの本のターゲットではないな。

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2025年08月29日

Posted by ブクログ

<目次>
プロローグ 不思議な患者さん
第1章   寝入りばなや睡眠中に現れる幽霊~語りかけてくる、触ってくる
第2章   道ばたに現れて車に乗り込んでくる幽霊~高速道路睡眠現象
第3章   深夜の闖入者~レム睡眠行動異常症・ノンレム睡眠パラソムニア
第4章   子どもだけに見える~若年者がよく経験するありありとした幻影
第5章   人類は高次脳機能が発達したことで幽霊を見るようになったのか?
エピローグ 怪談の3分の2は神経学的に説明できる

<内容>
そう言われてしまうと元も子もない本。ただこの手のかつての本よりも、「怪談はウソ」感を出していないので、怪談好きも読めるのではないだろうか?今野圓輔『日本怪談集 幽霊編』や田中康弘『山怪』など実例を挙げながら、丁寧に解説をしている感じ。書き方も優しく、サクサク読めるだろう。

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2025年08月16日

Posted by ブクログ

怪異現象の原因を入眠・覚醒時の異常、認知症などの脳神経に関係する疾患や精神疾患と結び付けて考える。脳の状態により「幽霊を認識する幻視」は存在する。つまりは「視える人には本当に視える」(ある意味本当に怖い話だ)。数々の症例が紹介され、そのどれにも説得力がある。全ての霊現象は科学で証明できる、とはしないスタンスも良い。睡眠は大事です。

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2025年08月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

幻覚の脳科学といった感じですが、幽霊は幻覚であり、脳のメカニズムから説明できるとする本です。幻覚の分類がされているのですが、重なる部分が大きく、まだわかりきっていないんだなと思いました。

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2025年08月13日

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