あらすじ
8月、Netflix映画が配信! 人気ミステリの文庫化
高齢者施設内の開発を巡って住民は反発していた。ある日、経営者が殺害され、推理好きの住民が集う「木曜殺人クラブ」が動き出す。
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Posted by ブクログ
面白かった。
映像化されていたので、期待して読んだけどそれを裏切らない面白さ。
たぶん、シーンを短く区切って進めるので冗長的にならないし、隙間は勝手に読者のほうで勝手に補完できるような構成になっていたからだと思う。
売れる小説スタイルとしてシーンを短く区切るというのが今の流行りのスタイルなんだろうか?
読者を飽きさせない工夫として使われている気がする。
あらすじでは死人の数は一人しかわからなかったが、本書では3つの死が絡み、それぞれ犯人がいる。
トニー・カランの死
犯人はボグダン。この謎を最後まで引っ張り、作中でも真相に辿り着きながらも指摘せずに終わるというなんとも引っ張られる筋立て。
動機は友人をトニーが殺したから。トニーが殺した男の死体の始末に運転手として友人が付き添ったら、口封じにまとめて殺されたので、その復讐にジムの経営者であるスティーヴとトニーの仲間のジャンニを殺して、トニーから金を奪って逃げるという。ちょっとややこしかった。
イアン・ヴェンサムの死
犯人はペニーの夫のジョン。動機はペニーが昔殺した男の遺体が墓地に埋まっているので、墓地を動かすわけにはいかなかったから。
フェンタニルの過剰摂取による死なので、あの場にいて、フェンタニルを用意できて、動機がある奴が犯人ということになるので、カレンや神父が容疑者から消えていき、最後に残ったのがジョンとなる。
消去法で犯人を絞り込むのはあまり好きじゃない。そこに辿り着くまで各キャラの事情を把握しなければいけないので、できればその前にヒントがあったらなあと思う。
墓地の男の死
犯人はペニー。これが冒頭、エリザベスがジョイスに尋ねた事件の話で、ここと繋がるのか!となって面白かった。
エリザベスがいつまで夫のスティーヴンといられるのかと怯えたり、自身の老いを自覚したりするので、全編その老いが辛かったけれど、人間ドラマに深みが出ていて良かった。
ジョイス自体は裕福では無いけれど娘のジョアンナが裕福でジョアンナの会社が施設を買い取るという流れが結構爽快感があって良かった。
ロンも息子がリッチだから施設に入れた組なんだろうな。
エリザベスは結局何者か?警察ではなく、MI6勤めだったんだろうなと思う。ペニーとはどこで知り合ったんだろう。
面白かったのでシリーズをこれからも追いたい。
アクションバトルモノではない作品でキャラが老いで死ぬかもとハラハラするスリルは結構面白いなと思う。
Posted by ブクログ
メインキャラクターの、エリザベス・ジョイス・ロン・イブラヒムのキャラクターがとてもよかった。年齢的な寂しさを抱えながらも、潔く愉快に生きている老人たちが何だか心地よかった。
まさに今、若者でもなく老人でもない年代を生きているから、この先の自分を考えるとどんなトラブルや事件でさえも愉快と決め込んで楽しめる自分でありたいなぁ。。。
1つにまとまらずに枝分かれしたラストがちょっとだけモヤットしたけど、それでも読みごたえがあったし個々のキャラクターがよかったので次作も読みたい( ´ー`)
Posted by ブクログ
・あらすじ
高級高齢者施設のクーパーズチェイスには「木曜殺人クラブ」という未解決事件の推理クラブがある。
メンバーは経歴不詳のエリザベス、元看護師のジョイス、元活動家のロン、元精神科医のイブラヒムの4人。
ある日、施設の経営者であるトニー・カランが殺害されたため、4人は人脈や話術を用いて事件を解決しようとする。
・感想
エリザベスは一体何者なんだろうーつよつよおばあちゃんかっこいいな。ちょっとご都合主義な所はあるけどw
内容的には結構重い話だった…。
それぞれの秘密とそれぞれの犯罪。
どの犯罪も「愛」が原因であったけども、殺すことも死ぬことも「ロマンチックな愛のせい」で片付けてる印象があった。
物語的には美しいかもだけど、私好みの解決方法では無かった。
会話も物語の展開も結構あっちこっちに飛ぶから、いまいち集中できなかったかも…。
単純な私は展開的にジョイス犯人説に誘導されてた時に、まんまと作者の思惑に嵌ってしまったのでジョイスが犯人じゃなくてよかったーと安堵したし、最後の最後に隠れた有能キャラだったと判明したボグダンが1番のお気に入りキャラになった。