【感想・ネタバレ】カレーの時間のレビュー

あらすじ

ふたつの時代をカレーがつなぐ
心にしみる“からうま”な物語

偏屈な祖父と二人で暮らすことになってしまった孫息子・桐矢。
昭和の高度成長期にレトルトカレーの営業マンとして働き、カレーを囲む時間だけは打ち解ける祖父が、半世紀の間、抱えてきた秘密とは――。
生きることのままならなさと愛おしさを描く、スパイシーな味わいの傑作小説。

【感動の声、続々!】

「ひとの持つどうしようもなさ、そこから生まれる愛おしさ。味わい深く余韻ある作品!」
――町田そのこさん

「あの時代を生きてきた祖父と、この時代を生きている僕。どうしようもない噛み合わなさと、どう向き合うか。
いま必要なテーマをじっくり煮込んだ、これぞテラチ風味の極うま長篇」
――瀧井朝世さん

「時を追って進む回想は、それまでただの頑固ジジイだった義景の人物像を、立体的に生々しく浮き上がらせてみせる。
なぜ自分の考えを押しつけるのか、なぜカレーを食べている時だけは幸せそうなのか、なぜ強いことを無条件に善だと考えるのか。
理不尽にも見えた義景の言動が、一人の人間の生きた証として胸に迫ってくるのだ」
――北大路公子さん(解説より)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

どんな時でもカレーは美味しい。世の中は理不尽だし、人それぞれの物語があって、誰が正義とか悪とか視点によって変わってしまう。
それでもカレーは美味しくて、ご飯は人を幸せにしてくれるよな〜と思った。

0
2026年08月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

私の祖父は、桐矢の祖父と違い、「みんなそれぞれ考え方があって受け入れる性格まるっこいじいちゃん」だったので、最初読んでて桐矢の祖父の横暴さや「典型的なステレオタイプの昭和の頑固迷惑爺」がしんどかったし、そんな祖父と生活しなきゃいけなくなった桐矢に同情しかなかった。そんな正直鼻つまみ者な祖父と祖父が若かりし頃営業を頑張ってたレトルトカレーでちょっとずつ距離が近づいていくところをみて「人情は多少あるんだけどね…」って感じだった。
桐矢の祖父は家族の愛情を知らずに育って食べ物にも苦労したから、家族を持つことに戸惑いもあったし、食べ物の恩のこともあって必死だったこと。そういう面を知ると仕方ない部分もあったんだなとは思うけど、関わりある当事者としては「だから何?」なんだよなぁともどかしい。
桐矢の祖母の真実をちゃんと桐矢はつつみ隠さず伝えたのは良かったと思う。祖父は「隠しとけ」って言ったけど、それを「守る態で人の知る権利を奪うのは最低や。親でもやってええことと悪いことがある。おじいちゃんはすぐ男は、男はって言うけど、男らしいことのなにがそんなにええねん。自分で自分を不自由にしてるだけやろ、馬鹿らしい」はまさにその通り。人生を積み重ねていって世代間のズレがもどかしくも切ない話だった。

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2026年03月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2026.02.21

きっと無限に時間があったら、この本の良さを長々と書き連ねていたと思う。

あらすじとタイトルから勝手に、レトルトカレーが売れるまでのサクセスストーリーで、その過去の栄光を知ることにより祖父と孫のわだかまりが消えていく、、のようなストーリーを想像してしまっていたので、これからこの作品を読む人には全く別物だと言いたい。

カレーが幾度となく登場するのだが、それはこの作品にそっと花を添えているような、この物語を縁取るような枠のようなものだ。

主軸は『ガンコで「昭和の男」をまさに具現化したおじいちゃん』と、『潔癖症の孫』がひょんなことから一緒に住むことになり、関わることにより過去と現在の祖父の3人娘たちとの関係性がどんどん紐解かれていく家族の物語。

令和にはそぐわない、男はこうあるべき!の思想の強い祖父だが、それゆえまっすぐで芯の強い、でも不器用なところが最後には愛らしく思える。

潔癖症でなよなよした、昭和の祖父とは対照的な今時な多様性の社会を生きる令和の青年、桐矢。

ちぐはぐなこの2人が生み出す空気や対話がクスッとくるのもこの作品の好きなところだ。
きっと関西弁なのも親しみやすさが出ていていいのだろうなとも思う。方言の力はすごい。

もっとたくさんこの作品の良さがあるのに、それをうまく文章化できない自分の語彙力、表現力の無さにもどかしく思うが、読んだ後のじんわりと心があったかくなった作品であることは忘れたくないのでメモしておく。

タイトルがいい意味での裏切りであると冒頭に書いたが、まさにこのタイトルの文字通り、桐矢にとっての祖父との思い出を振り返ったとき、そこにはいつもカレーを食べていた2人がいたな、と思うとなんともしっくりくるタイトルだなあと思う。

美味しいものを誰かと共有する時間は、きっとかけがえのない時間だと教えてくれるこの本を、
美味しいものを共有したい相手にも勧めたいなと思う。


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2026年02月21日

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