あらすじ
気力と体力不足の高橋が、やっと職を得たのは下町の「銀河不動産」。頑張らずに生きる――そんな省エネ青年を訪れる、奇妙な要望をもったお客たち。彼らに物件を紹介するうちに、彼自身が不思議な家の住人となっていた……? 「幸せを築こうとする努力」が奏でる、やさしくあたたかい森ミステリィ組曲。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
高橋くんはおちこぼれ大学生で、就活もうまくいかず最後の手段で用意されている不動産屋へ就職。
少数精鋭のようなひまな職場で日々働いて、ひょんなことから変わったお客さんの対応をしたことで自分が引っ越すことになり、その引っ越し先がとても変わった場所のおかげでいろんな人とつながり、流されるままに結婚まで。はては社長、多角経営で大成功。でもとてもそうなるようには見えないとても大人しそうな主人公。人柄と運が彼をここまでにさせたのか。
人生ってわからないのかも、と思わせてくれる本でした。
Posted by ブクログ
通して読むのは三度目くらいかな?
主人公の性質が他人とは思えないレベル。
森博嗣特有の、現実的なんだか非現実的なんだか微妙な世界観はとても好きです。
Posted by ブクログ
「すべてがFになる」や「スカイ・クロラ」シリーズとはまた違った森博嗣さんで爽やかで読みやすかったです。
読み進めていると、人との出会いの中で流され続けた結果、幸運にも物事が上手くいく主人公と感じました。
しかしある登場人物の最後のセリフで全てが繋がり、まるでミステリィのトリックが分かった時のようにスッキリしました。
「幸運といったものはこの世にはない。あるとすれば幸せを築く能力。幸せを築こうと努力をしたということだけ。その能力と努力によって、順当に作られていくのが幸運なのです。」
Posted by ブクログ
これがただの長屋だったら下町人情ものなんだろうけど
この物語の主人公って、高橋くんではなく家なんじゃないの?って思った。今。
最終話の中盤から急展開。
だまし絵?すかし絵?
ドラマで場面がクロスフェードするみたいに
一気に時代が流れ、
置いてけぼりにされてから、
あっ、そうだったのか!このシーンはもう大人なのね!
と気づいた。
やられた。
で、ドールハウスが出てきたことで、
この物語の構造自体がドールハウスっぽかったなって思った。
神様になったつもりで
俯瞰して見てみれば
世の中なんてみんなドールハウスなのかもね。
超越したら。