【感想・ネタバレ】殺人勤務医のレビュー

あらすじ

中絶の専門医である古河は、柔らかい物腰と甘いマスクで周りから多くの人望を集めていた。しかし彼の価値観は、母親から幼いころに受けた虐待によって、大きく歪んでいた。食べ物を大切にしなかった女、鯉の泳ぐ池に洗剤を撒いた男。彼は、自分が死に値すると判断した人間を地下室の檻に閉じこめ、残忍な手段で次々と殺していく。猟奇の陰に潜む心の闇をリアルに描き出した気鋭の衝撃作!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ただのサイコパスホラーかと思って気軽に読み始めたけど、色々考えさせられる作品だった。人には勧めずらいけど。笑

母からの虐待を受けて育ち、産婦人科医になったリョウ。
中絶専門医として胎児を堕胎させ、プライベートでも弱者を虐げる人や社会規範から逸脱する人を監禁しいたぶり殺す日々。

全世界の色々な時代の中絶に関する法律の知識も知ることができるし、中絶を選ぶ人にも色々な背景があることを改めて思い知らされた。

リョウの行為は決して褒められたものではないけどね。

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2025年11月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

綺麗に人間の振りをしてる化け物みたいな精神性の主人公だなと思ってたけど、最後にうつくしくただしい『家族』のかたちをみていままでずっと凪のままだった精神性が崩れて感情が剥き出しになってたあたり、良かった。この主人公、人間より動物の方に感情移入しがち(犬は辛抱たまらなくなって台風の日に盗みにいくレベルなのに、裸で繋がれて泣いてる女の子には「可哀想に」位で終わる)なの、「自分は正義じゃないんで……」じゃなくて、単に自分のこと動物と同じものだと思って親近感レベルが獣と同ラインにあるのでは? と思った。自分が中絶していった子供たちは素晴らしい人間になったかもしれないし自分と同じような殺人鬼になったかもしれないと語っていたけど、主人公自身も殺人鬼ではなく普通に彼の思う『素晴らしい人間』になれたルート分岐があったんだろうなあ。でもそうはならなかったのでこの話はここでおしまいです。犬の寿命分はうまく世間から逃げ切って欲しい。

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2025年03月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読みやすく、また所々中絶の歴史や知識についての記載もあり、勉強になった。

主人公が殺してきた人の人選に理由はないとか、自分は仕事で人を殺してるからどうとも思わないみたいなことを言うたびになんかかわいいなと思ってしまった笑
シリアルキラーの思考はこんな感じなのかな?殺すのに理由はないと言いつつしっかり罰を与えるような殺し方をしてる点も、何だかお茶目だなと…読者としても多少スッキリするからいいよね

心根がすごく優しくて、純粋で、可哀想な目に遭う人や動物にその理由を探してて、自分勝手で、母親と別れたあの時の年齢で止まったまま大人になった人なんだと感じた。
幼少期の家庭環境(特に母親との関係)はすごく人格形成に影響するって言われてるし…まさに…!愛情不足で育ったから何歳になっても当時得られなかった愛情を求め続ける…納得のいくものが手に入るわけないんだけど。
あの弟のように愛されて育ったら、きっと素直で純粋で優しい好青年に……

オチとして、母殺して警察にでも捕まるんかな?と思ってたけど全然そんなことなかった!いい終わり方でした。
あと、院長を殺したくなるみたいな描写見て、サディストすぎるな…って思ってたらまさかの母親の面影を追い求めてたと言うオチ…ちゃんと回収してくれて嬉しかった。


2002年の本だから、圧倒的にこちらが先だけど、 ルデン ムイの 形がまさにこんな感じだったな〜と
お母さん関連で拗らせると人殺しちゃうのかな。

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2023年02月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

実は読むの2回目。たしか高一の初めの頃読んだ。
相変わらず良かったが、昔よりも楽しく読めたな。

主人公が良い。イケメンだし。敬語で「僕」なのが崩れなくて良い。30歳という年齢も絶妙。
暮らしぶりが優雅すぎてちょっと笑っちゃうけどそこはまあフィクションということで。
そんなクラシックばっか聴いてられるかい。

主人公、やさしいと評するのは変だが、かしこい純粋な子供がバグった感じだな。

彼は無意識のうちに、堕ろされた弟や幼少期の自分に憐れみのようなものを抱いていた。
その憐れみと、母親からの愛情への切望と憎しみが複雑に絡み合い、殺人を犯すようになってしまったのかな。
けどそれらを「生まれながらの殺人者だから」と理由づけた。ナチュラルボーン・キラーなんて言葉まで使って。
最後、自分の双子の存在を知って一旦納得するんだよな。だから自分は人を殺しても平気なんだって。

でも彼の理知的な性格からして「胎内で双子を殺したからって殺人者ではない」なんて言いそうなものだが?
多分彼は「自分が命をなんとも思わない殺人犯である」というストーリーを求めていて、だからこそ双子の話に飛びついたんじゃないか?
許しを乞うことはしない。殺された側はそんなことは知ったことじゃないから、いっそ罵られた方が彼らにとってはまだいい。
彼のこの考えがここにきて効いてくるんですよね。
彼は自分の殺人癖を複雑な出自のせいだと主張して、許しを乞うことはしないとわかる。
ただひたすら自分が生まれながらの殺人者なのだと自分自身に言い聞かせるだけ。

けど、生まれながらの殺人鬼なんていないんじゃないか。

「僕は生まれながらの殺人者なのだ」
そう言い聞かせないとやっていられないんじゃないか。
彼のこの仕事も、彼の人生も。

そんな理屈を並べて、結局、お母さんに愛されたかっただけだったんじゃないか?
彼の義理の弟みたいに普通に育っていたら彼はこんなふうにはならなかったんじゃないか?

でもそんな「もしも」に意味はない。彼もそんなことは望んでないと思う。
彼は生まれながらの殺人者なんだ。そういうことにしておこう。

人間になる前の弟や妹への憐れみ=人間じゃない犬や鯉への憐れみか?
ヤンが来てから花火を見るのも弟に重ねてたのかな。
ヤンのそばにいてやりたいけど叶わないだろうって。お前……ヤンだけは僕を必要としてくれるみたいなこと言ってたのバカ切なかったな。

お母さんを招待して一緒に食事しようとしてるのも悲しいな。
なんか、殺人という行動に反して態度が幼すぎてつらい。
義理の弟があんなに幸せになってて、
自分がお母さんに愛されない理由づけがもう成立しなくなってしまったもんな……。
お母さんは平気な人だったのになんでそんなに泣くんですか?って言いながら主人公も泣いちゃったところ、マジで見ていられない。

結末も良かったなあ。いつかくるこの暮らしの終わりを予感しながらも、穏やかな毎日をとりあえず続けていく。

グロに偏りすぎず、奇妙に切ない良い小説だった。

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2022年11月20日

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主人公は35歳の容姿端麗な堕胎専門産婦人科医師。
仕事でも子供を殺しまくり、実は私生活でも殺人を犯しまくっている、猟奇なヒトの、話。

色々細かい描写が、自分の中での想像をしやすい感じでした。
普通にありそうな日常や、主人公の心理に共感できる部分があったりするのが、たまにぞくっとします。

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2012年05月16日

ネタバレ 購入済み

湘南はやばい医者だらけなのだな

大石作品2作目、湘南人肉医に続き、湘南の悪い医者2人目です
やはりこちらも文体が綺麗なのでサラサラ読めます。
最終的に1番のトラウマを作った親を手中に引き込むのは想定内ではありましたが、
罪なき子供が亡くなるのは辛かったです

そしてその後がとても気になる作品ですね

#ダーク

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2025年08月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

物語全体も長すぎず、各人物の話がしっかりと区切られているため短編集のような感覚で読めます。グロさも比較的控えめ。

表向きは評判が良く、多くの人から慕われ好かれる主人公。この辺りはサイコホラー小説にはよくある設定かなと思います。
「よくある」と表現しましたが、その分主人公の人物像をスムーズにイメージできると思います。こういうの好きは方は特に。
人間を次々と 様々な方法で殺めていくその恐怖は、やはりサイコホラーでないと味わえないと思います。

地下牢獄に1人ずつ閉じ込めてあらゆる方法で終わらせるやり方が、人の心を持たないシリアルキラー特有の怖さを感じさせてくれました。
小説個人的にはもう少し登場人物を掘り下げた物語の部分を呼んでみたかったかな、と感じます。

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2025年02月03日

Posted by ブクログ

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10年以上前に読んだ本を再読。
主人公の古河先生がダークヒーローのような扱いにならないよう、配慮して作られているように感じた。
一歩間違えば『DEATH NOTE』のキラのような存在になってしまいかねないが、そうではなく、あくまで私利私欲のために殺人を犯す存在として、ギリギリのラインで描かれていると思う。

また、(物語としての要素が強くなってはしまうが)反出生主義を語る上での一資料としても有効なくらい、産まれること/産まれないこと、生きること/死ぬことについて考えた上で書かれているように感じる。
特に、「あとがき」の「生まれたことと、生まれなかったこととのあいだに大差はない。生まれて来られた者もすぐに死に、生まれて来られなかった者と同じになる。だから──生まれられなかった者たちも、そんなに悲しまなくていい。戦争と飢餓しか知らずに死んでいく子供たちも、そんなに嘆かなくていい⋯⋯」という部分は、おそらく作者の思想そのものであり、他作品にも通ずるだろう。

ただし、この思想について、私はそうは思わない。宇宙規模のマクロ視点で考えれば「大差はない」が、では「生まれて来られなかった者」に「どうせみんな数十年で死ぬから同じだ」と言って、納得させられるだろうか。「生まれて来られなかった者」は、その数十年のために生まれようとしていたのだから、「大差はない」で済む話ではない。主人公に惨殺された数人に「どうせ犯人もすぐに死ぬから、そんなに悲しまなくていい」と言ったところで、なんの意味があるのか。出生や生死の話の大半はミクロな視点だ。

根本的な部分で、作者は思想の方向を誤っているようだ。

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2023年02月28日

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うーん、ギリギリ★3だけど、あまり気持ちのいい怖さじゃなかった気がする…
グロいの好きだけど、中絶系が痛そうで痛そうで、お腹のあたりがムズムズしてた。

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2022年03月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

怖い。
ゆっくりゆっくり絞められるような怖さがあった。怖いのに、文章が読みやすいという罪深さ。

病気の犬、幼い子ども、カラス、ヒヨドリを心配する心、ソメイヨシノの美しさを感じる感受性、その反対もまた激しい。

恐ろしいことが繰り広げられているのに、たんたんと話が進んでいき、たんたんとコトが終わってゆく。たんたんと終わることを主人公は知っている。

主人公の感情の起伏が少なすぎるから、怖さが増幅するのか。
(過去に関すること・たぶん愛していると思っている人に対する衝動以外冷静すぎる)

学生の頃、中絶・妊娠のドキュメンタリーを授業で見せられたときに、お腹のなかで(羊水の中で)逃げ惑う子どもの映像が衝撃的すぎて怖かった記憶がある。
中絶に関すること、拷問のシーンなど結構書かれているので、読むときは考えてからどうぞ。

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2022年04月23日

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