【感想・ネタバレ】アガタのレビュー

あらすじ

「見えているのに見えないもの、それを捜すの」

オシャレすぎる女性警視が新米刑事に突きつけた言葉の意味は?

美大に通う女子学生が背中をめった刺しにされて殺された。しかし、指紋も足跡もなく、防犯カメラの映像も残っていない。警視庁の捜査一課に異動したばかりの青木一は捜査本部に呼ばれ、地元の有力者の息子がストーカーだったという噂を耳にして、無断で本人に接触したため管理官から大目玉を食らう。一方、鵜飼縣は警視庁本部庁舎の片隅であらゆる犯罪情報を収集分析して汎用性の高い検索システムを構築している。スタッフの桜端道が投資詐欺事件の情報をつつきまわすうちにたどり着いた謎の闇サイトには殺人現場の生々しい写真が。縣は秘かに美大生殺害事件の捜査の進み行きを探り始める……。

『脳男』の作者による規格外の警察小説の誕生!

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Posted by ブクログ

首藤瓜於『アガタ』講談社文庫。

久し振りに読む首藤瓜於の作品。何しろ首藤瓜於は、かなりの寡作作家であるので、前に読んだ作品は2年前に刊行された『ブックキーパー 脳男』であった。

本作は、奇抜なファッションを身に包む女性警視の鵜飼縣の名前をタイトルに冠した警察小説である。同時期に鳴り物入りで講談社文庫から刊行された夕木春央の『十戒』より本作の方が10倍は面白い。

殺人事件のまさかの真相とさらなる巨悪の存在には驚かされた。しかし、その辺りをもう少しじっくり描いてくれても良かったようにも思う。


美大に通う19歳になる女子学生の佐伯百合が、自宅アパートで背中を17か所余りめった刺しにされて殺害される。犯行現場には指紋も足跡も無く、防犯カメラの映像も残っていなかった。

警視庁の捜査一課に異動したばかりの東京大学卒業のノンキャリアである青木一は捜査本部に呼ばれ、地元の街での噂話を集めるよう命ぜられる。青木は街の噂を辿り、地元有力者の息子の石黒浩也が佐伯百合にストーカー行為をしていたという噂を耳にし、無断で石黒浩也本人に接触するが、石黒浩也の両親からクレームがあったと管理官から大目玉を食らう。

一方、与件記録統計分析班の鵜飼縣警視は警視庁本部庁舎の片隅で、あらゆる犯罪情報を収集分析し、汎用性の高い検索システムを構築していた。ある日、与件記録統計分析係スタッフの桜端道が投資詐欺事件の情報を突き回すうちに謎の闇サイトに辿り着く。そのサイトには殺人現場の生々しい写真が掲載されており、美大生殺害事件の現場写真も掲載されていた。

縣は密かに美大生殺害事件の捜査の進捗を探るうちに石黒浩也と青木一刑事に行き当たる。縣は、石黒浩也と極秘のチャットルームで闇サイトに掲載された殺人現場の写真の秘密を聞き出し、青木刑事に真犯人逮捕につながる1つのサジェスチョンを与える。

本体価格880円
★★★★

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2025年08月23日

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