あらすじ
算数や国語の学力、粘り強さ、自己制御力、思いやり……、生まれた瞬間から最初の数年間に、親や保育者が子どもとどれだけ「話したか」ですべてが決まる。
日本の子育て、保育が抱える課題とその解決策を、科学的な裏づけと著者自身の具体的な実践から示した書。
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Posted by ブクログ
翻訳書のため読みづらさは一部感じるところはあるが非常に勉強になる良本でした。
1. 子どもの集中を妨げないこと
- 集中しているときは何も話さず、大人の顔を見たときに会話
2. 子どものイメージを大切にする
- 例で穴を見ているときに「穴が開いているね」「なんだろうね」「深そうだね」「誰が住んでいるのかな」など大人の考えを言うのではなく、子どもがどう思ってるのかで回答する。知識を伝えない。
3. 生活場面と遊び場面で主導権を変える
- 生活場面は世界のルールを教えるためにも大人主導。遊びでは子ども。
4. 発達に応じた言葉選び
0-1歳:擬音語、擬態語→見立てやつもりなど類推機能が発達したら想像力を膨らませる言葉(例:あちちち、ふーふー)
2-3歳:ごっこ遊びでは本物らしく。3歳後半では、なぜなぜになるので知識を伝え、一緒に考える
Posted by ブクログ
生まれてから3年間に子どもが触れる言葉の量・質が子どもの話す言葉の量や学習に繋がること。子どもに話しかけるだけが重要な訳ではなく、大人の話す言葉が多く語彙が豊かであることが大切であると思った。子どもの将来の可能性を広げるために、大人が子どもにできることをしなければならないと思った。
Posted by ブクログ
たくさん子供に話しかけることが大切だということ。
チューンイン:子供の興味を示していることに注意を傾ける
トークモア:質の良い言葉を喋る(子供が関心のあることについてバラエティに富んだ言葉を話す。命令、叱咤、怒鳴るは良くない)
テイクターンズ:子供の言葉を引き出す、待つ
否定的な言葉な良くない
褒めるのはその人の能力ではなく、過程を基本に褒める
生活の中の言動をナレーションするのも効果的
自己制御と実行機能は育てるもの
→親がイライラしている時は制御する様子を実況する
テレビなどは2歳までは見せない
なぜなら思考
Posted by ブクログ
これまでさまざまな育児関係の本を読んできて、ここで述べられている考えが取り入れられていたようで、新たな学びはあまりありませんでした。
逆にいえば、この本を一冊読むだけで、乳幼児期に必要な保護者の関わりが丸わかり!であるとも言えるでしょう。
全体を通して、科学的根拠に基づいた研究成果のまとめ本という感じだったので、気軽に読める育児本ではありません。でも必ず学びになります。実践を求めて読まれる方は、高山さんの解説から読んで必要な箇所をつまんで読まれることをお勧めします。
以下、長くなりましたが内容のメモです。
・思考と学習の基礎となる部分である人間の脳の物理的な成長は、3歳の終わりまでに約85%が終わる。
・子どもが聞く言葉の量と質、それも誕生から3歳までの言葉環境が最終的な学業到達度の差につながるらしいとわかってきた。
・命令や禁止の言葉は、言葉を習得する子どもの能力を抑えてしまう。
・親同士があまり話さない家庭では子どももあまり話さない。
・言葉の量が多い家庭には、言葉の豊かさ、複雑さ、多様さといった要素も見られた。
・言葉が豊かな家庭で子どもが聞いていたのは、肯定的で、子どもを応援する意味合いのある言葉。
・3000万語は同じ言葉が繰り返し使われていることを前提とした、話されている言葉の総数。
・外国語をイメージするとわかりやすいが、知っている言葉の意味をつかむのにコンマ何秒かの遅れがあると、それだけで次の言葉の理解がかなり難しくなる。
・小学校3年はきわめて大切な時期で、単語をもとにアイディアを形づくり、知識を積み重ねる方向へ向かう年にあたる。
・耳が聞こえない人たちの不完全雇用はあたりまえで、働いていても収入は耳が聞こえる人より30〜45%低くなる。
・言葉の基本は、人間を他の人間と結びつけること。他者とのやりとりがなければふるい落としてしまう。
・赤ちゃんは生得的な非言語の「数の感覚」を持ち、物の相対的な数を「当て推量」する能力を持って生まれてくる。
・数は集まりの中にある個々の物を代表しているとわかることは、「基数の原理」と呼ばれる概念を理解したという意味。これが理解できた時、その子はさらに高度な算数の理解に向かう道筋に乗ったという大事な指標になる。基数原理は、4歳ぐらいで把握できるのが望ましいとされている。
・数に関する言葉を多く聞いていた子どもほど、数学の基数原理の理解が進んでいた。
・「空間に関わる言葉」つまり、物の大きさや形(例:丸、四角、三角、大きい、丸い、鋭い、高い、短い)を表す言葉について、たくさん聞いた子供は自分でも言葉を話す傾向。空間認知スキルも高まる。
・努力こそが目標到達の鍵であり、「能力のなさ」ではなく「諦めること」が失敗の原因だという感覚を保護者や教育者が子どもの中に育てることが大事。
・私たちが望んでいるのは、目の前の課題を見、それがどんなに困難に見えても、どうしたら成し遂げられるかをすぐに考え始める子どもです。=グリット
・成長の心の枠組みは「知性は挑戦があることで伸びていく」と信じ、他方、固定の心の枠組みは、能力は絶対的で変わらないと信じている。
・過程をほめられる言葉の割合が高かった子どもほど、つまり、熱心さや努力を生後3年間ほめられていた子どもほど、成長の心の枠組みを持つ傾向が強いという結果。
・子どもが学業で成功するかしないかを決める重要な要因は、自己制御と実行機能(計画し、注意を向け、指示を心に留め、作業を完遂するために必要な心理的プロセスに関わるスキルを指す)
・ひとり言(セルフ・トーク)」は、将来の社会スキルの高さ、問題行動の少なさと相関している
・行動の決まりを命令ではなく静かに伝え、子どもが自分で考えて行動を決められるように促していた母親たちの子供は、3歳の時点で実行機能と自己制御のスキルが高いという結果だった。
・自己制御を育てるには、子供に選択肢を与えること。また、大人が自己制御していることを見せること。
・命令の代わりに、「なぜなら」を説明する
・子どもの意識があちらからこちらへと次々に変わっても、子どもの注意が向いているものやできごとに保護者がついていき、子どもの働きかけに対して反応を返すことがチューン・イン
・子どもとトーク・モアする(たくさん話す)には、子どもと保護者の双方向の関わりが求められる。チューン・イン同様、こちらも親子のアタッチメントと脳発達にとって不可欠です。ナレーション、平行トーク
・通常3~5歳の間で、今見ているのではない物や、今している行動ではないことに関する言葉を使い始める。これが「状況から切り離された言葉」で、知的な発達にとって重要な指標。
・テイク・ターンズが続くかは自分で単語を探す時間を子供にあげるかどうか。何?ではなく、なぜ?どうする?と聞くと、たくさんの単語やアイデアで答えられる。
・生後最初の数年間におとなが本を読んだ子どもは、幼稚園の段階において語彙がより豊かで、算数のスキルも高いという研究結果が複数ある。
・ブック・シェアリングには0歳児も含むべき。赤ちゃんは保護者の声の音色、話のリズム、触れているあたたかさに安心する。大人向けの本を朗読するのでも良い。
・本を読みながら文字を指差すと、言葉とページ上の線の集まりの間に関連があると理解する。読み、綴り、理解のスキルが高まる。
・保護者の物語は語彙の増加を助ける。本だけでなく、一緒に体験したことなどで良い。
Posted by ブクログ
・自己制御や実行機能を育てるために
命令ではなく、「どうすればいいかな?」と自分で考えて行動してもらうことが大事
「提案と促し」子どもの意見や主張、選択を引き出す
子どもにとっての最適な環境は
あたたかく、育ちを促すもの、子どもに対して応答的な環境
【3つのT】
①Tune In
子どもが集中している対象に気付き、その対象について子どもと一緒に話すという意識的な行動
自分がしていることに興味をもつ母親、父親を求めている
子どもが集中している世界で保護者が一緒に遊ぶ
親の意にそぐわないことでも
「絵本を読もうか?」と尋ねるのはいい、大事なことは子どもの答えにチューンインすること。
②Talk More
子どもに向かって言う言葉を増やす、ではなく
子どもと話す言葉を増やすことを目指す
ナレーション:実況中継
並行トーク:鍵を見つけたのね、あ、それは食べるものじゃないよ、じゃぁ一緒に鍵をあけてみようか。
子どもが持っているスキルから一歩二歩先をゆく
ふくらませるトーク
子どもが単語1語のときは2語で返す
子どもが2語のときは短い文章で返す、など。
③Take Turns
Tune Inして、Talk moreして、その後
子どもの反応を待つこと。
大事なことは待つこと。
保護者はつい子どもが話す前に先取りしてしまう。
自分で単語を探す時間を子どもにあげること。
答えが決まっている質問は意味が無い。
「これは何?」など
答えが決まっていない質問「オープンクエスチョン」がおすすめ。
「どうする?」「なぜ?」で子どものアイディアを聞く。
・空間の単語
長方形、正方形、まっすぐ、背の高い、曲がった
2歳までにたくさんの空間の単語を知っていると、4歳の時点での空間のスキルが高い
Posted by ブクログ
★感想
1か月前頃、電車で読みながら心に残ったことをノート走り書きしが、
今読み返すと字が汚くて読めない、全て忘れている、実践につなげていなかった。
↓今後は
①忙しい時には読まない
②忙しい時に読む時は、目次から読みたい(3つまで)だけを読む。
②学びをアウトプットする場面を現場生活でイメージ化→
実践、振り返り改善までが読書、として生きた知識思考にしたい。
教えてくれた著者にも失礼と思うからそうしたい。
★ノートメモ書き(引用)一部 ※生成AIの力も借りました!
社会経済的な背景によって、
子どもが聞く言葉の量に最大3000万語の差が生じるという研究結果があり、
それが将来の学力格差につながる。
乳幼児期の言語環境を豊かにするために
親や保育者の関わり方の基本原則 3つのT
①Tune In チューン・イン こどもの興味に意識を向ける。
観察(例 その子の興味の対象は何か)して、
解釈→行動のプロセスが大事
例 子どもが泣いた時、何で泣いているか観察解釈(代弁)
お互いにストレスもあるが、寄り添うあたたかい反応が大切。
人間として育っていく上で欠かせない「向き合う」力が育つ。
科学的にも最終的な安定性につながることが明らかである。
思いやり等の非認知能力に大きく影響
②Talk More トーク・モア たくさん話しかける。
・大人は子どもの言動を実況中継する、ナレーション役
動詞、形容詞を加えて、膨らまして伸ばしていく
③Take Turnsテイク・ターンズ 対話のやり取り ★最も大事
・対話の中で子どもが反応するまで待つが優先→そこからの会話をつなげる
・子ども目線になって支援を
例 国→幼児にとって文字は、ごちゃごちゃした線の塊で意味を持たないので
文字を指さして支援を
算→Aちゃんはクッキー2枚、ママも2枚、合わせて4まいだね。
ママが1枚Aちゃんにあげると・・ママは何枚?Aちゃんは何枚?