【感想・ネタバレ】いまこそ、本物のサステナビリティ経営の話をしようのレビュー

あらすじ

「資本主義のハック」を提唱し、企業のこれからについて独自の立場から提言を続ける独立研究者・山口周、
2000年代はじめからサステナビリティ経営・ESG投資に関わり、SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)推進に尽力してきた磯貝友紀。
二人がタッグを組み、先進地域である欧州企業の事例を参照しながら、日本企業にこれから必須の戦略、日本ならではの生き残り策を深く探っていく。
SDGsに冷淡なトランプ政権再登場で、近年の「サステナビリティ・バブル」は崩壊、いよいよ本物のサステナビリティ経営の時代が始まる。
一国の政権の思惑など関係なく、世界の大きな流れはすでに見えている。「他社がやるから自分のところもやらなくちゃ」「流行だからその流れについていこう」といった企業は、いまの一瞬だけは良くても、5年後、10年後には間違いなく市場から淘汰される。目の肥えた消費者、世界の取引先に選ばれるのは、環境、人権、格差問題解決といった大きな社会課題の解決を自社の経営課題と捉え、さらにそれをチャンスとしてとらえられる企業だけ。
そのためにいま取り組むべきことはなにか? 二人のスリリングな対話から見えてくる企業の近未来。

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Posted by ブクログ

サスティナビリティ、サーキュラー化等言葉としては理解していたが、その本質は理解していなかた。企業がなぜこれらを通じて存続していかなければならないのか。それはグレートカンパニー環境や社会に良いことをして儲けることを目指す、わたしたちは正しいことをしているのか?という問い正面から向き合っているのか!が企業経営の出発点だという言葉が大変感銘をうけた。
著者のいうとおり、このような考え方はまだまだ日本企業には浸透していないとビジネスパーソンの一人として私も痛感する。とても勉強になった書籍であった。

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2025年08月08日

Posted by ブクログ

サステナビリティに対して、ビジネスにはなんだかんだ悪影響を与えるイメージがあったが、それを覆してくれた本。
サステナビリティで稼ぐということはかなりハードルが高いと思っていたが、世界の企業はそれにチャレンジし、新たに市場を創造しようとしている。

日本は今後、さらなる人口減少が見込まれ、グローバルに戦わなくていけない時代が来る。
常にグローバルの視点を持って(今でいえばサステナビリティ)、何に取り組むべきなのかを自問自答していきたいと思った。

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2025年09月27日

Posted by ブクログ

社会は、"変わっていくもの"である以上に"変えていくもの"。
サステナビリティこそ、グローバルな視点で、超長期的な時間軸で、かつ事業戦略との必然的関連性を踏まえて進めるべき。
BetterやBestではなくDifferent。
だから、経営の強い意志が大事。

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2025年09月22日

Posted by ブクログ

サスティナビリティという言葉が生まれて久しいですが、企業が追求すべきサスティナビリティとは何か、なぜ行う必要があるのか、といったことが対談形式でまとめられています。

企業活動として「儲かるサスティナビリティ」、すなわち、社会的価値を発揮しながら、同時に経済的価値をも生み出す事業を生み出すことが必要である…これが本書の根底に流れるメッセージです。

すでにビジネス視点でサスティナビリティ事業を行っている企業も紹介されています。会社の目的である「儲け」を出し、かつ税金とはまた違った社会的な貢献を行うことで企業の存在感を高めていく、といった、ある意味野心的な試みともいえます。

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サスティナビリティは「環境活動家の飯のタネ」「きれいごと」「とりあえず『わが社も大事にしています』と言っておけば良い」といったネガティブな方向でとらえられがちですが、きちんとビジネス=人間の欲望と結びつけ、自然な形で進められることを示した点に共感を覚えます。

また、「なぜサステナビリティ事業を行うのか」といったWhyを根本から考え、自らのコアコンピタンスと結びつけるとともにきちんとビジネス化することにより、株主を含むステークスホルダーが納得する形で持続的に進められることを知ったのも大きな学びでした。

本書はその他にも、この本にはビジネスを進めるうえで含蓄がある言葉や考え方が多数掲載されています。

サスティナビリティという言葉に興味がある方はもちろん、むしろサスティナビリティという言葉に否定的な感情をお持ちの方も、一度読んでみると良いでしょう。

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2025年08月31日

Posted by ブクログ

サステナビリティ経営の前線や、各社の事例を中ぐらいの広さ・深さで学べる。個人的には、トランプ第二次政権になって、一時、多くの金融機関が脱退したNZBA(ネット・ゼロ・バンキング・アライアンス)の仕組みが勉強になった。
「世の中にいいことをすれば中長期的には儲かる」というCSV的な思考は、まあそうだろうな、と思いつつ、紹介されている企業が生存者バイアスが入っているように感じるし(その裏で、綺麗なことを言って多くの企業が倒産したり株価を落としてたりしているでしょう)、「地球にやさしい」という言葉も違和感。人類が地球に与えている影響なんて、地球の体積1%にも満たないことでしょう。せいぜい「人間にとって都合の良い地球環境を保とう」ということだと思うのだが、そのへんも山口周さんらしさが抜けていて、ちょっと残念な作品だった。やっぱ共著は難しいですね

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2025年10月19日

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