あらすじ
漂着したのは、理解不能の村だった。
「この村の秘密をしゃべってはいけない」
父親の定年を祝うハワイ旅行の帰りに飛行機事故に遭った坂木龍馬。
目が覚めると、家族とは離れ、ド田舎の村に漂着していた。電気・ガス・水道なし! 車すら走っていない。そこで暮らすのは、金太郎に、桃太郎。おまけに弥勒菩薩像の仮面をかぶった男まで現れる始末。田おこしや年貢、人身御供に仇討ち? なんて言葉まで聞こえてきた。どうやら日本語は通じるが、一体ここは、どこなんだ。ひょっとして、タイムスリップしてしまったのだろうか。本当にどうする俺。
やがて、主人公を待ち受ける究極の問いとは?
「文明と未開」の間に揺れる青年を直木賞作家が描く。
著者新境地のノンストップ・エンタテインメント!!
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
父親の退職記念のハワイ旅行の帰り、167センチ、124kgの坂木龍馬(さかきりょうま)は飛行機事故に遭った。
意識を取り戻したのは砂浜。家族の姿はなく、金太郎を含む子ども達に囲まれ、「海坊主!」と罵られ、棒切れで叩かれ、突かれているところだった。
なんとか村長に救われて時代を聞くと、そこは「宝命19年」。鎌倉や室町時代のような電気やお店もない世界であった。
朱川さんの作品としては、他の評価、読者の感想にもあるように異色中の異色。
9年ぶりの再読。不明瞭な部分が消えて、ストーリーやメッセージが腑に落ちた。
かなり笑わされたが、難点は、「下ネタはズルい」と感じた点のみ。
ファンの身贔屓と受け取られるかもしれないが、傑作だと思う。
Posted by ブクログ
アホな主人公だけどこの話、憎めない。
ライトな展開が続くので、これ本当に水銀虫の人?と一度表紙を確認してしまった(苦笑)
つっこみどころはあるけど、この荒削りな小説もありだと思う。