【感想・ネタバレ】プロトコル・オブ・ヒューマニティのレビュー

あらすじ

『BEATLESS』の著者が日本SF大賞&星雲賞を受賞した最高傑作
不慮の事故によって右足を失ったダンサーの護堂恒明は、AI制御の義足を身につけることで人間性のプロトコルを追究するが──。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

面白かった。
ダンスによるヒューマニティーの伝達、それはロボットを通じてでも可能なのか?の問い掛け。その答え合わせが描かれており近未来の話でも現実とシンクロする。
そして介護の話。現実として介護が発達してもお金がないかかるというリアル。そのリアルさがSFでありながらも現実問題として突き付けられる。
SFではありつつ現実への風刺でもある小説として完成度が高いと思う。

0
2025年12月04日

Posted by ブクログ

とても面白かった。
こんなのめりこめて読めたのは久しぶりかもしれない。
襲いかかる不運。それらに対して、主人公は、様々な<手続き>を通して立ち向かっていく。目が離せなかった。
私にとって、<ヒューマニティー>も<プロトコル>も咀嚼しきれていない語彙である。もう少し、年月が経ってからもう一度読みたい。

0
2025年12月03日

Posted by ブクログ

あまりに壮絶なストーリーで、読み進めるのも苦しかったですが紛れもない名作。特に後半、親子二人がコンタクト・インプロビゼーションを通して対話するシーンは、いろんな感情が込みあがりすぎて涙が止まりませんでした。(「めいわくをかけない」のメモ書きを見つけるシーンは本当に無理で号泣でした)

物語としての面白さはもちろん、AI義足との共生とロボットダンスを通して展開されるAI論は間違いなくSF小説して非常に魅力的。また、ダンスと介護を通して「人間性」という形の見えないものに向き合う展開に、文学作品としての純度の高さも感じられ、そういった面でも非常にクオリティの高い作品だと思います。非常におすすめ!

※余談
日本SF大賞受賞も大納得の名作でしたが、文庫の帯を見るとベストSF2022国内篇だと2位とのこと。本作より素晴らしい作品なんてそうそうないだろと思って調べてみると、なんと1位は「法治の獣」でした。たしかに法治の獣も間違いなく名作なので、2位もしょうがないのか。2022年はSF分野豊作の年だったんですね。

0
2025年09月29日

Posted by ブクログ

これは名作。AIとの共存みたいな、ありきたりの言葉では語りきれないほど、芸術や介護等の重い深いテーマにも踏み込まれている。
これは是非映像化して欲しい。各所の情景が浮かぶし、切ないけど希望もあるみたいな程よいバランス。

0
2025年11月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

主人公の護堂恒明は交通事故で右足を切断する事になった若いダンサー。AIを搭載した義足とともにダンサーとして再起を図るが両親も交通事故に遭い、母は亡くなり父は自己の後遺症で認知症になってしまう。

AI義足の説明など分かりにくい部分はあったが、ロボットとのダンスのシーンは、会場の熱気や空気感が鮮明に描写され自分もその場にいるかのような感覚になった。介護のシーンはリアルで読んでいて辛かったが、認知症によって全てが変わったわけではなく、変わらない部分もある事に主人公が気づいて救われた所がとても良かった。

0
2025年10月19日

Posted by ブクログ

片足を失ったダンサーと、偉大な先達にして認知症を患った父親。肉体の喪失や老衰で失われてしまう「人間性」と、仕草や所作から共感や愛情が育まれる「人間性」。AI義肢等との共生を描く身体SFとして、キャリアと介護の間で揺れる苦しみを描く人間ドラマとして、その解像度の高さと込められた生々しい感情の熱量に唸る。ダンス描写は圧巻。

0
2025年07月27日

「SF・ファンタジー」ランキング