あらすじ
齋藤流「古典の新しい読み方」の誕生。ヤマ場を先に読む「クライマックス読み」やリメイクドラマなどから源流を辿る「さかのぼり読み」、そしてご存じ「音読」など、これまでにない、古典への近道を伝授。いわゆる古典のほか思想・哲学、現代の名作までおススメ50点も詳しく紹介。こんな時代だからこそ、「古典力」を味方につけるべし。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
これはよくある新書ではない。稀に存在する奇跡的な新書と言っても過言ではない。齋藤孝の脳の中を覗いてみた感じ。明らかな良書。
「MY古典の勧め」というタイトルにしたらもっと分かりやすいかな。それだけではなく書の後半は齋藤孝ズ古典が一部紹介されているから『古典力』というタイトルかもしれない。
齋藤孝ズ古典は、(説明に書いてある派生書を含めると)100書以上紹介されており、それだけで読み応えがあるのだが、この本を活かすためにはやはり紹介された書を読んでいかなければならないだろう。
古典を読むのに硬っ苦しくなる必要はなく、現代訳、解説書から読んでもいいし好きなところから読めばいい。
簡潔に言うとこんな感じでハードルを下げてくれるので助かる。
小学生からこの新書を読ませていいと思うし、お年寄りに読んでもらってもいいと思う。読書を始めるのに遅いことは無い。
Posted by ブクログ
P16 さかのぼり読み
・村上春樹の1Q84⇒ジョージオーウェル 1984
・1Q84で引用されるチェーホフ読んだり、ヤナーチェクを聴く⇒古典は底流でどうつながっているのかを読み解くと深まる
・村上春樹が好きな人が、彼が「この世にはカラーマゾフの兄弟を読む人と読まない人の二手に分かれる」とまで言われるとカラマーゾフの兄弟を読みたくなる。
・赤毛のアンには古代ローマまでさかのぼる英米文学の数千年もの厚みが集約されている。
・そうしたダイナミズムをもった伝統の厚みが古典の魅力である。
・先に現代語訳や簡単なところから入り、その後原文に触れると、落ち着いて原文の良さを理解できる。その後繰り返し原文の持つエネルギーに触れ、心身の奥にエネルギーの蓄積をすること、思考の骨太な原型を取り入れること。
Posted by ブクログ
古典を読みたいけれど、何から読んだら良いのか分からなくて読みました。おすすめ50選を参考にして読み始めたい。古典を読むための十カ条で心構えもできた。引用力を磨くこと、古典の文言を持ち出して思考を硬直化させないよう自分の現実とすり合わせて古典を読む習慣をつけるところが特に響きました。
Posted by ブクログ
読むことが億劫になる古典
有名な古典の解説をしていくれています。ドストエフスキー、デカルト、ゲーテ、ルソーの作品などなど。理系出身ではなかなか読もうとしない作品ばかりですが、その本の世界観や、どう心構えで読んだらいいのかなどが分かります。その情報を得られただけでも、一段と読みやすくなると思います。
まずは、デカルトの「方法序説」、マキアヴェッリの「君主論」(これは再読ですが)からいってみようと思います。
これから古典作品を読みたいと思っている人は、一読する価値があります。
『多様な価値観を理解し需要するには知性が求められる。数々の古典を自分のものとしていくことで、この知性が鍛えられる。自分の好き嫌いや快不快だけで判断せず、背景や事情を考え合わせ、相手の考えの本質をきちんと理解する。この不可民のある思考力が知性だ』(本文引用)
自分の知性の限界を感じてるから、古典を読もうと思っているのだと再認識しました。
Posted by ブクログ
「読書力」から続けて。古典は難しそうで敬遠してきたけど読まないとダメだな。名著50選に一冊づつ2P解説がされていて読みたくなる。解説の端的さ分かりやすさは流石というしかない。齋藤孝さんは一体何冊の本を読んで自らの力にしているのだろう。
この本を読んだだけでは意味がない。ここから古典の世界に入っていかなければ。
Posted by ブクログ
齋藤孝氏の古典への誘い。前半は古典を読むとどんないいことがあるか、古典を取り入れた氏の授業方法などが紹介されている。後半は読むべき古典が紹介文とともに列挙されている。
後半は、これから読むべき名作が並んでいるので、今後の読書の指針となる。しかし、紙面のスペースが限られているとはいえ、ちょっと紹介文がわかりにくい。あらすじではなく、氏の感想や感動ポイントが書いてあるので、その本を読んだ人にとっては「ああ、あのことね!」と分かって楽しい。しかし、読んだことのない人にとっては、散文のような感想を読んで「どんな話なのだろう」と頭をひねらすことになるだろう。
とはいえ、今後読みたい本がたくさん増えたきっかけとなった。しばらくは古典を読む機会が多くなりそうだ。