あらすじ
今日のメニューは? 美味ショートショート。
路地裏にたたずむ“OGATA”という看板を掲げたお店――通称、「もしも料理店」。
その日やってきたのは、仕事のプレッシャーに悩む男性だった。彼の話をじっくりと聞いたシェフはこう言う。
「じつはちょうど、お客様にうってつけの食材が入ってきたところなんです」
取り出したのは、なんと30センチほどの大きさの“オフロード車”だった。
「こちらは、山の中を走っていたという、若い自動車です。こちらをお召し上がりいただきたいと思います」
シェフは自動車をさばき、調理し、見事な一皿に仕上げた。半信半疑で食べた男性は、野性味あふれる美味しさに驚く。そして、その胸にはひとつの思いが去来する――。
突拍子もない食材を、意外な料理に作り上げてしまう、ちょっと不思議な料理店。少し疲れた身体も、なんだかむしゃくしゃした気持ちも、その一皿が癒してくれる。自動車、月、公衆電話にトランペット。さあ、今日のメニューは……?
料理監修は、さわのめぐみさん(ものがたり食堂/Nami Zaimokuza)。
お腹も心も満たしてくれる、美味しいショートショート、11編の詰め合わせ。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ちょっと不思議なありそうでない料理小説。
発想が面白いかなり楽しい小説でした。
食材が「自動車」「マウスポインター」「公衆電話」!?ってなる食材を使って料理をします。本当にあったら面白いしかなり興味がそそられました。
短編集が11個あり、ちょっと時間で読めるのも魅力的です。
今回の食材はどのように料理して、どんな味になるか予想品が読むと面白いです。
また、悩みを持ったお客さんにあった食材を使い心を晴らせる。
なるほどとそんな考えがって思いながら読みました。
今はこれを食材にしたらどんな味がするだろう?という視点で物を見てしまいます。
とにかく癖になる小説でした。かなりおすすめです。
Posted by ブクログ
テーマに沿った後味と展開に、なるほどなぁ、旨い、上手いなぁ!
短編集なのですいすい読みやすい。本が苦手な人にもさっぱり読めるからおすすめ。本好きの人には少し物足りないくらいかな。
Posted by ブクログ
とある街にある一軒の小料理屋は一風変わった食材を使った料理を提供している。本日のお客さまに供される食材は一体何なのか、思いも寄らない料理に癒される一冊。
その店は、普通の料理屋と少し違っている。店の外に看板や料金の書かれたメニューはなく、また店内にもメニューはない。その日その時のシェフとの会話から、お客さまにぴったりのおすすめメニューが提示される。使われるメインの食材は、まさかそんなものが食べられるとは思えないようなもの。自動車、パワーショベル、新幹線、灯台……それらを『食材』として扱って、しかも美味しく調理してしまう。食材の力ごと食べたお客さまは、今日も笑顔で店を後にする。そんなお店で繰り広げられる、ささやかな日々の話。
主人公はシェフ見習いの青年。女シェフが食材ハンターから買い付けた妙な食材を美味しく調理していくのを、いつか自分もと思いながら修行中。物語はそんな感じの舞台なのだろうと掴むのに、少しかかりました。導入部があまりなく、いきなり物語が進行していってしまったので、スタートで置いていかれた感じがあります。思わずシリーズものの続きから入ってしまっただろうかと確認しましたが、特にシリーズではないようでした。
発想が独特で、面白いテンポで物語が進みます。どのお話でもその食材はどうやって食べるつもりなんだろう、と思わされるので展開がパターン化していっても面白く読めます。が、『あちら』『こちら』『そちら』のようなこそあど言葉が多く、最終的に差された言葉が何なのかがはっきりしないこともあって冗長に感じてしまうこともしばしば。そして、主人公やお店側の人たちの背景が描かれずにふわふわと進んでしまうので、腰の落ちつけどころがない感じがしてしまいます。もう少しお店側の情報があってもよかったかなという印象です。
美味しい料理と、楽しい会話。料理が出来上がるまでをわくわくと楽しみにできる期待感。ご飯が食べたくなる一冊でした。
Posted by ブクログ
発想が面白い。その人にあった料理を出すレストランで使う食材はどう考えても食べられそうにないもの。チャップリンの革靴とかならまだしも、ここではだいたい硬いものなので料理と結びつかなさすぎるのが難点かも。トランペットも皮を向くとイカみたいになるそうだが、なんか違う…。普通の食材に置き換えたレシピもついてるのが笑った。
Posted by ブクログ
どれも食欲がわかない食材ですが、むりやり!?似た食べ物に紐づけるところが著者ならではの発想ですね。
こども向けの絵本にしても、面白そう。
シェフとみやさんの関係は明らかにならず、まだまだ続きそう。