【感想・ネタバレ】ラジ&ピースのレビュー

あらすじ

自分は醜いというコンプレックスを抱く野枝(のえ)は、実家を出て群馬県のローカルFM局で人気番組を担当するようになる。誰からも干渉されない自由に閉じ籠もる野枝だが、その心の隙に気さくな方言で話す女医の沢音(さわね)が入り込み……。横浜と会津出身の二人の女性の呼び合う心を描く「うつくすま ふぐすま」を併録。(講談社文庫)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

自分で捨てておいて、
それなのに気づけば焦がれて
奪われていたりする。

我を通すのも、力むのも大変。

とじこもるのは簡単。
でも少しだけひらいてみると、
なんだか気持ち良い。

昨日と同じ景色なのに、晴々していたりする。

「ラジ&ピース」
「うつくすま ふぐすま」
の二編が収められています。

自意識とコンプレックスを盾に、
世界とフィルターを通して向き合う野枝。
ラジオのパーソナリティを田舎でしている野枝。
そこに優しい姉さんみたいな女医の沢音が加わり。

あいつもこいつも厭になる。
触らないで、近寄らないで、悪意や打算しかないから。
そーゆーの面倒だから。

誰でも持っている感情を少し強めに押し出す野枝が、
ラジオをしているのは
やっぱり繋がりたいからなんだろうなあ。
なんか繋がって
届けて、届けてもらって。

日常が少しだけ変化する時間を描いている「ラジ&ピース」

そして、
パンチの効いている「うつくすま ふぐすま」
同姓同名の友情。
女の友情。
ちょっとだけ恋心に近いもの。
狂人と変態ばかりの世界なんだもの。

男に対してバッサリいく感じは、
たぶん女なら少なからず共感すると思います。
だから男性にはおすすめ出来ません。苦笑

男に脳味噌はいらない。なんて、ちょっと憧れちゃいます。笑

装丁は綺麗で可愛いのに、内容はピリっとスパイシーで
読後は良いです。

0
2013年11月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自分の殻に閉じこもりがちな主人公が、群馬でのラジオDJの仕事を通して、少しづつ、周りに心をひらいていく。DJをしている時とその他の時のテンションの差がちょっと笑えるけど、自分も案外そういう所があるなあと思う面もある。

際立って劇的な場面があるわけではないけど、じんわりと展開していくこういう話は好きだ。

0
2012年01月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

*引用*

オトコに脳味噌はいらない。
 百歩譲ろうか。脳味噌だけでもホルマリン漬けにしたくなるような、常軌を逸した賢さならいい。でも、なかなかいないでしょう、そんなひと。凡庸でしょう、あんたもその前もまたその前も。つまり私とつきあう大抵のオトコは。少しお利口なら友達になって一生つきあった方がいいじゃない。オトコなんてあれよ、どうせ飽きるんだから。三年もったら大したもの。何に飽きるか。それは何のためにつき合うかと一緒。つまりセックス。べたべたして好きだの愛してるだのぐじゅぐじゅ言うこと。でもね、セックスとお利口は両立しないの、殆どの場合。オバカにならないとあんな恥ずかしいことはできないの。おわかり?

―― 『うつくすま ふぐすま』 p.148-149

0
2012年01月27日

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